これは嵐君の名前を借りた妄想物語です。腐要素有。嵐君好き、BoysLoveにご理解のある雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ![下差し](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/526.png)
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【FIRST STORY】
「さぁ始まりました!華やかなるアーティスト達の祭典『SHOW TIME』!この番組はあらゆるジャンルからプロアマ問わずその才能で予選を勝ち抜いた実力派アーティスト達が優勝賞金1000万円をかけて争うリアルタイムTVSHOWです!
今週はどんな素晴らしいパフォーマーがこのステージ上で輝く才能を発揮し、審査員達のハートを鷲掴みにしてくれるのか?!4人の審査員達の持ち点は1人20点!今夜は一体何人のアーティストが100点満点を取り、最終決戦に挑むのか?!
さぁ!持てるスキルを大いに発揮し、その手に賞金1000万円を掴み取れ!イッ〜ツ!ショー!タ〜イム!!」
中堅の売れっ子ピン芸人MCが大きな声で番組の趣旨を告げ、パーンしたカメラが審査員席を映し出す。審査員席には音楽プロデューサーや芸術家等、多様なジャンルの最高峰のプロフェッショナル達が4人座っていた。
テレビ画面ではこの審査員達の紹介に合わせ、それぞれの名前がテロップで表示されている。点数を表す電光掲示板が審査員一人一人の前方に置かれており、今は“SHOW TIME”と言う英文字がチカチカと点滅していた。
その審査員席で1番始めに名前を呼ばれる、審査員長席に腰掛けているのは、この番組の制作、運営を手掛ける『SHOW TIME』なるエンタメ会社のGM(ゼネラルマネージャー)である。
この会社はSNSを中心に、日本のみならず世界各国に向けて音楽、動画配信サービスを行ったり、またカラオケボックスやレコード会社の設立等、総合エンターテインメント事業を行っている日本屈指の企業である。
その媒体はアメリカの『ソーシャルブロードキャスト』なる大手映画会社にあり、『SHOW TIME』は言わば『ソーシャルブロードキャスト』の姉妹会社と言う訳だ。
そんな『SHOW TIME』のゼネラルマネージャーがこの番組の審査員長を務める、櫻井翔と言う青年実業家だった。いわゆるゼネラルマネージャーと言う役職は海外と日本とではその地位が少し違う。
『SHOW TIME』の場合は海外でのGMと言う立場を差し、その地位は日本で言うGMよりもかなり高い立ち位置にある。全ての事業に対する決定権を持ち、名義上アメリカの『ソーシャルブロードキャスト』の役員が代表取締役となっている『SHOW TIME』では実質的に事業の全てを櫻井が執行運営していると言っても過言ではないのだ。
未だ25歳の若さでありながら、彼の辣腕は既に大物の片鱗を見せ、知的な魅力に溢れるハンサムな風貌も伴って、その佇まいは審査員席の誰よりもスター性に富んでいた。
この『SHOW TIME』なる会社と同名のテレビ番組では賞金の1000万を目指し、予選を勝ち抜いた色んなアーティスト達が出演して、それぞれ歌やダンス、マジックやコント等様々なパフォーマンスをリアルタイムで披露して、その合計点を競っている。これは欧米で良くあるタイプの番組形態で、日本での視聴率も高い。
とりわけ審査員長である櫻井のコメントが中々に辛辣なのがウケており、プロだろうがアマチュアだろうが忖度も分け隔ても無くはっきりと批評するので、中には怒ったり泣き出したりする出演者もあったが、若いのに日和らない姿勢がいいと視聴者には評判だった。
勿論青二才が何様かと言うクレームや批判もあったが、賛否両論は人気番組の専売特許の様な物なので、特に取り沙汰される事も無くスルーされていた。
そんな人気番組『SHOW TIME』の番組宛に奇怪な脅迫メールが送られて来たのが番組終了後の午後21時の事。寒波真っ只中の1月末頃であった。
『審査員長の櫻井を番組から降板させろ。さもなくば後悔する事になるだろう
怒髪天』
「『怒髪天』ねぇ…。『怒髪天を衝く』ってことわざから来ているんだろうけど、何がそんなに腹立たしいんだか…。番組をやっていれば過激なクレームもありがちだし、あまり騒ぎ立てない方がいいんじゃないのか?」
櫻井は番組プロデューサーに見せられたメール内容を読み、至極冷静に答えた。有名になればなるほど脅迫めいた手紙やメールを送り付けられる事はそれほど珍しくはない。アメリカでの生活が長かった櫻井には特に免疫が出来ていた。
「アメリカだと事業を成功させているのが白人じゃないだけでも命を狙われる事がままあるからね。白人至上主義って連中の、有色人種に対する差別意識があの国には未だに根強く残っているんだ。脅迫なんてしょっちゅうだったから、いちいち気にしていたら仕事にならないよ。
それにこの脅迫メールは何をどう後悔するのか、具体的な事は何も言っていない。恐らくは単なる嫌がらせのイタズラメールだろうが、俺を名指しで降板させろと言って来ているところを見ると、この送信者には何か俺に対する個人的な怨みでもあるのかも知れないな」
プロデューサーの心配をよそに当の櫻井はまるで他人事みたいな調子で、事態を重く見ている様子など全く感じられない。
「ですが櫻井さん。櫻井さんだけじゃなく、もし櫻井さんの大切なご親族とか恋人とかが被害に遭われる様な事にでもなってしまったら…♭形だけでも一応警察に通報された方が良いのではないですか?」
番組プロデューサーも、ディレクターも、制作スタッフ達が口々に櫻井に進言する。「俺の親族は今殆どがアメリカだし、恋人もいないけどなぁ。ま、片想いの相手は居るが、これがまた中々に手強くてねぇ♪『うぜぇ』だの『面倒臭ぇ』だのいつも怒られてばっかりで、ちっとも振り向いてくれないんだよ♪」
明らかにフラれているであろう内容の話を何故かやたらと嬉しそうに語る櫻井に、プロデューサーは「ま、またやけにワイルドな女性に片想いしていらっしゃるんですね…♭」と顔をひきつらせた。
**
さて、舞台は変わってこちら都心からかなり離れた田舎街である。下町情緒溢れる長閑(のどか)な風景の中、未だ真新しい青い屋根のモダンな一軒家があった。ここに住んでいるのは新進気鋭の若き芸術家で名前は大野智(26歳)である。
元々は近所から幽霊屋敷と呼ばれていた寂れた平屋だったのだが、リフォームされて格安で売りに出されており、環境も静かな事から創作に便利だと智が買い求めたのが昨年の夏の事だった。
思い返しても未だに信じられない様な話だが、この新築には胸を病んで夭逝したミステリー作家のお化けが憑いていて、智は何故かそいつと一緒にそいつの無くした原稿を探し回ると言う、何とも不思議な体験をした。(お山の日特別企画『迷宮ラブソング』参照)
結局原稿も見つかり、お化けは無事成仏したのだったが、そのお化けの孫にあたる、この屋敷の元の持ち主で、リフォームした張本人が墓参りにひょっこりと日本に帰って来てから智の静かな日常は一転して騒がしくなった。
この孫と言うのが成仏したお化けの作家とそっくりで、どう言う訳だか智を気に入り、勝手にルームシェアをしたいと言い出し、勝手にこの家に同居し始めたのだ。
とは言え、この孫は『SHOW TIME』なるエンタメ企業のゼネラルマネージャーで、毎日忙しく働いているので1週間に3日くらいしか帰っては来ないのであるが…。
そう、リビングで湯豆腐を食べながらテレビを観ている智の眼前で、審査員長席にラスボス感満載で優雅に腰掛け、出演者に偉そうなダメ出しをしている櫻井翔。彼こそがその同居人である。
聞けば櫻井はだいぶ以前から芸術家大野智のファンで、個展に来たり、作品を買ったりしてくれていたらしく、リフォームした自分の持ち家を智が購入した事を知り、智と同居する為だけに、アメリカの支社を弟に丸投げしてとっとと東京に戻って来たのだった。
それにしても…。せいぜい週に3日程度しか会わないから上手く行っているのだと、智はテレビを観ながらつくづく思う。何せ櫻井と来たら仕事では切れ者なのに、私生活だと片付けも出来なければ料理も出来ず、包丁すら使えない。
得意料理は麦茶を沸かすだけと言う(因みに彼のお爺さんの元お化けもそうだった)ポンコツなので、家に居ると無駄な用事がすこぶる増えるのだ。『亭主元気で留守がいい』とは良く言ったものである。まぁ、櫻井の場合は亭主ではなく智のスポンサーであるが…。
実質的にはもうここは智の家なので、嫌なら追い出す事も出来るのだろうが、やや面倒臭い奴とは言え、生活に必要な費用の全てを櫻井が負担してくれるし、智がこうして創作だけに没頭出来るのも櫻井の持つ莫大な資金力のおかげだと自覚もある。
何より個展などの会場の手配だったり、客集めだったり、そう言ったビジネスの部分に於いての櫻井の手腕は最強なのだ。絵画ひとつ売るのだって売買ルートの確保や広報活動等色々と大変な事があるので、それを櫻井が全部請け負ってくれているのは智にも有難い事だった。
「普通にしていればイケメンなんだけどなぁ〜♭よりによって何で俺なんだよ♭」智はテレビに向かって一言呟くと、「智くん♥智くん♥」と、明らかにハートマーク付きで自分を呼ぶ櫻井のデレた顔を思い出し、大きな溜め息をついた。
「真のグローバルなGMが性別の差に拘るなんてナンセンスだぜ♪俺のタイプは俺が決める♪」初めて会った時に櫻井が智に言い放ったセリフである。性癖にはごくノーマルだと思っている智にとって、櫻井の放ちまくる桃色光線は何気にウザい♭
とは言え、今のところ貞操の危機に陥る様子もなく、そんな櫻井の態度を智自身、何処かで容認してしまっているところもあるので、結局『現状維持』と言う結論に至ってしまうのだ。
だが、こんな両者の微妙な関係が、とある珍事件をきっかけにして大きな変動を迎える事になろうとは、櫻井も智も予想だにしていなかったのであった。
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『Bad★boy』シリーズ最新作の途中ですが、本日から翔君のお誕生日企画を始めたいと思います![ウインク](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/004.png)
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このお話は山の日に記念企画として書かせて頂きました『迷宮ラブソング』の続編になります☆いきなり脅迫メールとか、サスペンスな始まりではございますが、前のお話の様に、こちらも基本的にはコメディー要素をふんだんに含んだほのぼのストーリーとなっております![照れ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/007.png)
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因みに物語冒頭で登場するテレビショーはアメリカのオーディション番組『アメリカズ・ゴッド・タレント』のイメージで書いております(えっ?![タラー](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/099.png)
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それにしても
昨年の『山の日』にこのお話を書いた時は、翔君の名前をもじって会社名を『SHOW TIME』にしたのですが、後の嵐君のアルバムで同名のタイトルの曲があるだなんて思いもしませんでしたわ〜![滝汗](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/039.png)
![アセアセ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/100.png)
![滝汗](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/039.png)
しかも休止後の翔君の番組で『SHOWチャンネル』とか始まってしまうしね〜
なので、今回のタイトルは翔君のソロ曲じゃなくて偶然一致したアルバム『This is嵐』から『SHOW TIME』となりました(それ以外考えられない
)
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![笑い泣き](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/050.png)
とは言え我がブログではこの一連の物語のみが、唯一のお山コンビの物語となっておりますので、そんな新鮮さも合わせてお楽しみ下さいましたら幸いです![おねがい](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/005.png)
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