これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ下差し

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最終話

年が明け、潤の勤務する警察庁公安部に新しい公安委員長が着任した。朔大勘の事件があり、慣例通りの役職就任では国民からの指示も得られないのではと危惧された為、今回は内輪ではなく、外部から優秀な人材を入れようと言う決定が成された。

そこで選出されたのがFBI帰りの、今までで最も若い公安委員長である。この人物はその実績もさることながら、各国捜査機関にも太いパイプを持っており、警察庁の古い体質を大胆かつ革新的に変えてくれるのではないかと期待されていた。

しかも警察内部では未だに信奉者の多い『真相報道Weekly』編集長。東山の直近の後輩でもあった人物なので、その人柄も高く評価されていたが、その分不正を許さない扱い難い人物として恐れられてもいた。

そんな新公安委員長が就任早々潤を呼び出した事で、潤はやや緊張の面持ちで委員長執務室を訪れた。ここには前の寝屋川公安委員長の時に入室した以来だが、去年のクリスマスの時、智から聞かされた情報では、警察庁からの働きかけで就任以前から極秘裏に色々な改革を始めていたらしい。

その中の1つがあのカラオケボックスの地下にあった秘密基地と言う訳だ。智は潤と2人だけの秘密基地だと話していたが、今回の呼び出しは恐らくそれに関する事柄であろうと推察された。

執務室をノックして入室する。「松本です。この度は就任おめでとうございます。自分もまた新たな気持ちで本年より粉骨砕身務めて参りますので、委員長におかれましてはどうぞ今後とも宜しくお願い申し上げます」

潤が新年の挨拶を兼ねた祝辞を述べて一礼すると、相手は思いの外穏やかな関西訛りで「ああ、そんな堅苦しい挨拶はええよ」とにこやかに潤を迎えてくれた。「城島です。こちらこそどうぞ宜しくお願いします」

そこにいたのは潤の想像していた人物とは全く違い、まるで恵比寿神の様な優しい笑顔を浮かべる、何とも縁起の良さそうな人物であった。「松本君やったね?東山先輩から話は聞いとったよ。例の地下ブースにはもう?」

城島は自ら潤の為にコーヒーを淹れながら、「どうぞどうぞ」とソファーに促した。「もしかしてカラオケボックスの…?はい、そこならさと…いいえ、大野さんに案内されて…。あの…失礼ですが、城島公安委員長は大野さんとどの様な…?」

潤の質問に城島は柔らかな口調でそれまでの経緯を話し始めた。「そら気になるわなぁ。実は東山先輩がサンフランシスコ市警に研修に来てた時に久しぶりに会ぅてね。その時に良ぅ話しとったんよ。同じアパートに住んどった大野君の事…。

未だハイスクールかジュニアハイくらいの年頃の男の子で、松岡って言うタトゥーアーティストと同棲してるって…。僕はその頃未だFBIのアカデミーに出向になったばかりの頃で、犯罪心理学を専攻してたんやけどね。

ものすごい頑張り屋さんで、子供ながらに一生懸命松岡を支えてるんやって東山先輩はそれはもう目に掛けてはってねぇ。せやから恋人の松岡が犯罪多発地域でつまらん死に方してもぅた時、大野君が犯人を射殺して行方不明になったって聞いてから僕もずぅっと心配やったんよ。

せやからね、大野君が『櫻井グローバルCo.』の代表に拾われたらしいって言うのを風の噂に聞いた時はちょっと安心したのよ。東山先輩は気にしてはったけど、僕はアメリカが長かったから、櫻井さんとこの代表やったら食いっぱぐれる様な事は無いて、そない思ぅてた。

『櫻井グローバルCo.』の代表はとかく色んな黒い噂のあった人やし、厳格な東山先輩には心配やったんやろうけど、アメリカではああ言ったタイプの実業家って多いんよ。

例え人の見えんとこで何やかんやと暗躍する様な事があっても、櫻井宗一郎さんは表でも裏でもとかく力のある人やったし、また櫻井さんとこのジュニアが親父さんに輪を掛けた辣腕でね、未だ若いのに会社の収益を従来の3倍に増やしはった。

アメリカではね、『櫻井グローバルCo.』が民間で秘密工作員の養成みたいな事をやってたらしいって言うのは関係者の間ではそこそこ有名やったのよ。それでも放任されてたのはどっかでウィン・ウィンの関係やったからよね。

せやから大野君が櫻井ジュニアの元を離れて日本の公安警察の捜査官と恋人同士になってたんは正直かなり意外やった。僕が今回の公安委員長のポストを受けたんは、大野君が櫻井ジュニアの元を離れてまで一緒になった男がどんな奴なんか興味があったからって言うのもあるんよね」

どうやら潤への呼び出しは、探りを入れる意味もあったらしい。今度の公安委員長は柔和な見た目と違い、なかなかの策士だと思われた。「それで?俺の評価はどうですか?」潤は相手の目を真っ直ぐに見つめ、やや挑戦的に聞いた。

下手をすれば生意気とも取れる潤のそんな態度に城島は特に動じる事もなく笑顔で頷いた。「うん、ええんちゃう?堅苦しいだけやなく清濁併せ呑む度量もありそうや。それでいて正義感が強く情熱的やね。新しいプロジェクトにも向いてそうや」

城島は潤の前に書類の束を置き、済ました顔で言った。「警察庁公安部松本潤君。公安室長のポストを固辞した事を考えると、公安部は君には会わへんねやろうね。せやから君は公安部から除籍させて貰うわ。

とは言え上海での君の活躍は耳に入って来とるし、大野君共々その能力を活かさへんのは余りに惜しい。なので本日より『国際特命捜査班』への赴任を任命します。因みに班長は民間から確かな実力者をと言う事で、大野君に任せる事にしました。

この部署は主に海外に於ける日本人の犯罪被害に関する捜査を実行する特別機関で、この度警察庁に新たに設置された極秘部署になるよって、これからはお偉いさんばかりやなく広く日本国民の為に君達の能力を発揮して欲しい。

まぁ、任務命令はそない頻繁に下さへんから、普段は広報部の活動だけやっててくれたらええよ。その代わり、もし特命が下りたら何を置いても大野君とあの地下ブースに集合して、速やかに極秘捜査を開始してな。

基本的に『国際特命捜査班』の捜査官は君と班長の大野君の2人だけやから、長丁場になる時はあのブースに泊まり込みで任務に就いて貰うよ。もし足りひん物資なんかがある時はロボットのドンちゃんに報告するんやで。後で村上君が調達してくれる手筈になってるからな。

もう試し済みかも知らんけど、あの寝室かて君らの事情を鑑みた上で僕が特別に用意した施設やから、イチャイチャしとぅなったらあの寝室で存分に楽しんでくれたらええよ。

言うまでもない事やけど、このセクションの事は警察庁でもほんのひと握りの人間しか知らんから松本君もそのつもりでな。それからこの『国際特命捜査班』は僕の権限で『櫻井グローバルCo.』の特殊機関『Dead Line』とも密かに提携してるんで、もし2人での捜査が困難な場合は『Dead Line』の協力を仰ぐ事。ええね?」「マジっすか?!♭」

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それからの潤と智の生活はこれまでよりもずっと平穏になった。潤の主な勤務は広報部のみとなり、公安部に所属していた頃に比べると週休二日で残業もなく、ごくごく一般的な公務員の仕事内容で、仕事が終わると六本木の『PARADOX』に赴き、智のショーを観て2人で帰宅するのが常となった。

だからと言ってトレーニングを怠っていた訳ではない。任務命令はいつ下るか分からないのだ。潤は智の指導の元、毎日いつもの訓練所であらゆるトレーニングをこなし、戦闘能力は格段に向上しつつあった。

潤と智の関係については既に各方面に知れ渡っており、中には眉を顰める者もいるにはいるが、それが特別仕事に支障をきたす訳でもなく、逆に隠す必要が無くなった分今まで以上のラブラブっぷりで毎日幸せに暮らしている。

雷ビビビビビビビ雷ビビビビビビビ雷朝のトレーニングを終え、いざ出勤しようとした潤のスマホに特殊なアラーム音が鳴った。新しい年を迎えてから初めての特命である。

「おっ来たな?♪」上着を羽織って外に出ると、既に準備を終えた智が「潤、出番だぞ♪」と微笑んだ。「行こうぜ智♪俺達だけのスリリングな旅へ♪」「ああ行こう♪」出勤前のキスを交わし歩き出す。潤は智の肩を抱き、智は潤にピッタリと寄り添いながら…。

エレベーターで階下に降りると、古株の百合枝さんが「おはようございます♪松本さん、大野さん♪いつも仲良しね♪」とにこやかに微笑った。


💙THE END💜


P・A・R・A・D・O・X 
最終章『Going Crazy』終

ダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツダーツ

終わりましたあぁぁぁぁぁ〜笑い泣き笑い泣きいや〜本っ当に長かった!今調べてみたら第1話の『妖魔』が4月17日ですよアセアセマジか?!!びっくりと思いましたわ〜タラーガーン

最後に登場した城島リーダーのラスボス感がなかなかですグラサン因みに今回のラストシーンはちょっとアーノルド・シュワルツェネッガーの『トゥルーライズ』と言う作品のイメージにしてみました(えっ?ポーンタラー)

本来なら秋辺りから『Bad★Boy』シリーズの新作を予定していたのですが、思いの外長引き過ぎたこの作品で、今年のお話はラストになりそうでございますニコニコ長きに渡り私の拙いお話にお付き合い下さいました皆様、御読了本当に本当にありがとうございましたm(_ _)m

元々は嵐君休止までの2年間の間だけの潤智お話ブログだったのですが、未だ書きたいお話もあり、またおいで下さるアラシック様達の暖かい励ましのお言葉などもありましたので、書きたいお話がある内はブログを続けて行こうかと思っておりますニコ

先ずは年末までの数日間、嵐君達と共に過ごし、際の際まで最大の応援と感謝を送りたいと思います爆笑(そして年末に号泣するえーん)