これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ下差し

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〜STORY 6〜

「こんばんは」優雅な足取りで近づいて来た美女に、櫻井は顔中を笑顔にして「やあ」と言った。「初めまして…じゃなかったわね?何年ぶりかしら?」「15年振りだね。でもサトコちゃんはちっとも変わっていない。昔も今も可愛いよ」

面と向かって話したのは一瞬だけだったのに、あの文化祭がまるで昨日の事の様に櫻井の脳裏に蘇った。少女から大人になったが、それでもサトコちゃんの面影はちゃんと残っている。あれから15年。櫻井は色んな事を懐かしく思い出していた。

「櫻井君は随分変わったわね。あの時は何だかストリートボーイみたいで少し怖かったわ。だから逃げちゃって…。ごめんなさい」「いいよいいよ。サトコちゃんが覚えていてくれた事だけでも嬉しいよ」

極力女性らしい声を作って話してはみるものの、いつ男だとバレやしないかと智は気が気じゃない。だが、櫻井は何の違和感も感じていないのか、「風邪大丈夫?」などと気遣ってくれる。本当に人がいいのだ。だから島田那岐子に勘違いされてしまったのだろう。

「歩きながら話そうか?サトコちゃん。実はサトコちゃんにどうしても伝えなくちゃいけない事があってね。いや、悪いのは完全に俺なんだけど…」そう言って歩き始めながら、櫻井は自分が巻き込まれたストーカー事件について、その相手の目を覚まさせる為につい名前を言ってしまったのだと謝罪した。

「本当にごめん♭那岐子君が何を考えているのか予想もつかないんだ。だけど君が危険な事だけは確かだから絶対に知らせなくちゃと思って、私立探偵の松本さんに君を探して貰ったんだ♭だからもし君の周辺で何かおかしな事が頻繁に起きる様ならすぐ警察に通報して欲しい。俺も出来る限りの対策方法を考えるから…」

「ありがとう櫻井君。私も充分注意するわ」「良かった♡」未だ完全に危機を脱した訳ではないが、それでも何も知らないよりは知っていた方が何かあった時に対処する事が出来る。櫻井は幾ばくかホッとして、あの松本なる私立探偵に紹介して貰った隠れ家的な創作料理店へとサトコと共に向かった。

駅前から5、6分程歩いた所だろうか?繁華街からそれた袋小路に迷い込んだ櫻井は、スマホのナビを眺めつつ「おかしいなぁ♭この辺りの筈なんだけど…♭」と首を傾げた。建物と建物の隙間にある穴蔵みたいな場所である。裸電球に照らされた若い酔っ払いが2人、積まれたビールケースの上で爆睡していた。

「通りを1つ間違えたのかな?ちょっと待っててサトコちゃん。隣の通りを確認して来る」ヒールのサトコを無駄に歩かせるのを可哀想に思ったのか、櫻井はサトコを置いて別の通りを確認しに行った。

ここまでは潤の筋書き通りである。櫻井の性格ならきっとサトコを連れ回して疲れさせるような真似はしないだろうと読んでいたのだ。智にも計画は分かっていたが、1人にされるとさすがに不安になった。

櫻井が姿を消してから暫く経った頃だ。数人の足音が通りの向こうから近づいて来るのが聞こえた。「お姉さんどうしたの?可哀想に彼氏に置いてけぼりにされちゃった?」立てた金髪を傾けながら1番手前の若い男が聞いた。

ブラックジーンズにロゴ入りの黒いロンT。ざっくりしたカバーオールを羽織った今時の若者である。髪型以外はどこにでもいる様な雰囲気で、突出して悪そうな感じはしなかった。

「お姉さん綺麗だね。薄情な彼氏なんか放ぽって俺達と遊ばない?」金髪の隣にいた別の若者が言った。鼻と耳にピアスが光っているが、この男もややチャラいくらいで服装など割と普通である。

他にも3、4人の若者が居たが、みんなちょっとヤンチャな程度の平凡な若者達で、羽目を外した大学のサークル活動みたいな、はしゃいだ雰囲気があった。ヤンキーとかチーマーとか、そんないかにもな様子を漂わせるのはきっと時代遅れなのだろう。

だからこそ今の犯罪は表に見え難いものなのかも知れないと、智は現代犯罪の不気味さを彼らから敏感に感じ取っていた。いずれにせよ魚は餌に食いついたらしい。櫻井の事はいささか心配だが、離れてくれてかえって良かったと思った。

「ホント男ってどうしてこうバカなのかしらね?こんな頭の悪そうな女の何処がいいのよ?櫻井先生も女の趣味が悪くなったわよね」若者達の中心でそんな悪態をつくのが恐らく島田那岐子であろう。意外にもこの若者達の中に於いて1番目立っているのが彼女だった。

黒いカシミヤのハイネックセーターにワインレッドの派手な皮パンツ。15センチはありそうな金色のハイヒールを履き、モリモリのギャルメイクに、緩くウエーブした茶色の髪。大振りの天然石が連なるネックレスを首からぶら下げている。

腕を組んで斜に構え、こっちを睨みつけている那岐子の様子は、いっぱしの姐御っぷりを大いに発揮していた。サトコの扮装をしている自分が思う事ではないかも知れないが、これは本当に島田那岐子本人なのかと智は思わず不思議になってしまう。

近年では、女性が被害者とされる裁判だと被害女性は法廷で姿を隠す事が多い。なので島田那岐子の証言は別室で隠れて行われ、智も彼女の顔をはっきりとは見ていなかったのだが、俯き気味の、痩せて病的な感じのする女性だった様に記憶している。

だが、今眼前に居る島田那岐子はやけに生き生きとしており、法廷で感じた薄幸そうな雰囲気は微塵も感じ取れなかった。もしかしたら案外こちらの姿が島田那岐子なる女性の本質なのかも知れないと、智は心密かに思っていた。

「那岐子サン。この女やっちゃっていい?」金髪がニヤつきながら那岐子に尋ねる。「勿論。その為に高い金を払ったんだから、好きにやっちゃいなさい。もう二度と男をたぶらかしたり出来ない様な 身 体 にしてやればいいわ」

綺麗な顔で恐ろしい事を言う♭とは言え、化粧を落とすとどんな素顔なのか、今の状態では測り兼ねるのではあるが…。

「ハイ許可出ました〜!♪それじゃあおネエさん♪痛い思いしたくなければ俺達に逆らわない方がいいよ♪たっぷりと可愛がってあげるから♪」「なぁ犬山(いぬやま)。撮影して有料配信しねぇ?その後ソープに沈めるか?」「うひょー♪いいじゃんそれ!♪久々儲かりそう!♪」

若者達がサトコに向かって1歩踏み出した時である。「はいそこまでね!」「ほらほらー!野良犬共が汚い手で触らないの!」いきなりそう叫んだのはビールケースの上で爆睡していた酔っ払い2人である。

2人は素早くサトコの前に回り込み、狼狽する若者達に警察手帳を突き出した。「はいこれ見て、渋谷西署生活安全課の二宮。でもってこっちは相葉ね」「相葉ちゃんでっす!♪」「『ストレイドッグス』の犬山君?お前さぁ、前にパクられてんのに忘れたのかよ?」

恐らく彼がこの『ストレイドッグス』なるチームのリーダーなのだろう。二宮に詰め寄られた犬山は顔色をたちまち変え、「うぇ?!♭二宮刑事?!♭全っ然気づかなかった♭♭」と、慌てて逃げ出そうとした。そこに相葉が立ちはだかる。

「俺らから逃げられる訳ないじゃん!♪聞いたよ〜?痛い思いしたくなければ逆らうなってか?!♪ダメだよねぇ〜♪そんな事言っちゃ♪暴行、傷害未遂決定ね!♪」長い腕を伸ばして犬山の襟首を掴み、思いっきりぶん投げた相葉は、犬山の背中を膝で押さえつけながら、あっという間に手錠を掛けた。

「こっちの平良(たいら)君は違法映像のネット配信未遂容疑か?どうせ未遂じゃねぇのもわんさか出て来んでしょうに。じっくり搾ってやるから楽しみにしておけ。あ、勿論取り調べも撮影してやるから遠慮なく沢山映りゃいいよ」

犬山があっさり吹っ飛ばされたのを見て恐れをなしたのか、鼻ピアスの平良なる若者は腰を抜かしてその場に座り込み、二宮にあっさり手錠を掛けられた。他の若者もバラバラと逃げ出そうとするものの、その全員があっという間に相葉に捕まり、派手に吹っ飛ばされては捕縛されて行く。

餅は餅屋と言う事か、『ストレイドッグス』の面々はものの数分で悉くにのあいコンビに捕えられ、渋谷西署に引っ張られて行った。「ハイゴクローさん♪」

にのあいコンビとハイタッチをして別れた潤は、呆然と立ち尽くす島田那岐子に近づくと「もうよしなよ。あんたの両親が心配してるぜ」と冷たく言った。そこに潤が呼んで置いたタクシーが走り込んで来る。タクシーから降車したのは壮年の上品そうな夫婦だった。

「は、嵌めたわね?!♭何なのよあんた?!♭」両親の姿を見て急に狼狽え始めた島田那岐子に、潤は情の欠片も無いような顔つきをして、口元のみで薄っすらと嘲笑い、ゆっくりとサングラスを外した。島田那岐子がハッとして言葉を無くす。

ドアップで見る潤の顔面は一瞬口が利けなくなるほどに美しいのだ。その分尋常ならざる迫力もある。智にはその事が良く分かった。

「単なる町屋(まちや)の探偵だ。あんたから嵌めたなんて言葉が出るたぁ驚きだぜ。罠や陰謀は今まであんたがやって来た事だろうが?はっきりと聞かせてやるが、そこのサトコとあんたじゃ雲泥の差があるぜ。サトコが1000であんたが0だよ。もし俺なら迷わずサトコを選ぶね。それが何でだか、どうせあんたにゃわかりゃしねぇだろうがな」

言いたい放題の潤に、那岐子は唇を固く噛み締め、憎々しげに見上げた。「な、何よ♭偉そうに…♭♭」「偉そうなのはどっちだ。自分1人で大人になったみてぇにいきがってんじゃねぇ。あんたに必要なのはな、島田那岐子。てめぇがクズだと潔く認める強さだ。

少なくともあのサトコは自分の弱さや不甲斐なさをちゃんと分かってる。分かった上でそれを補えるだけの努力を怠らず、この胸の奥の深〜い所にしっかりとした芯を真っ直ぐに立てて、どんな相手にでも真正面から向き合ってるんだ。

誰かのせいにして逃げたり、他人を蔑んだりせず、全部自分の中に飲み込んで、それでも柔らかな羽毛みてぇな優しさで相手を包み込んでくれるのさ。サトコに負けたくねぇんなら、愛する男を繋ぎ止めてぇなら、先ずは認めやがれ。自分が今までやって来た事がとんでもなくクソだったってな。

幸いあんたには世界一あんたを愛してくれる両親が居る。あんたが傷つけば、あんたが泣けば、一緒に傷ついて泣いてくれる親父とお袋がいるじゃねぇか。あんたが今まで罪を逃れられたのは、両親や他人の優しさに助けられたからだ。

その意味の大切さをあんたを心から愛してくれる両親と共に、長い時間を掛けてじっくりと考えるこった。今なら未だ引き返せるだろう。…勿論あんた達もな。お父さんとお母さん。仕事もいいが、目の前にある1番愛しい物を見失ったりすんじゃねぇぞ」

潤は那岐子の背後に立つ彼女の両親に向かって言うと、無言で立ち尽くす島田那岐子の両肩を掴んで強引に振り向かせると、その背中をポンと押した。

「ほら行けよ。今度悪さをしやがったら一生後悔する程の目に遭わせてやるから、二度と櫻井教授やサトコや俺の目の前に面(ツラ)出すんじゃねぇぞ。あ、それから、俺には絶対ぇ惚れるな。あんたみてぇな女は死ぬ程大嫌いだ」

とぼとぼと両親に歩み寄る島田那岐子の肩は震えていた。それが怒りから来るものなのか、潤の暴言で傷つけられた悲しさなのかは分からない。だが、両親は何も言わず、那岐子を優しく抱いてゆっくりと頭を下げた。

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あっさりと事件解決ですグッウインク厳しくもカッコいい潤君の言葉でしたが、まさにツンデレ番長ここにあり!って感じでございますねチョキグラサン

それにつけても翔君は何処に行ったのでしょう?ニヤニヤ危険を知らせて置いて放置してしまうと言う…タラー今回の翔君キャラはちょっと天然です(我が家では定番(ヲイおいでアセアセ)

生安課のにのあいコンビの活躍をちょっとコンパクトにまとめ過ぎた感もありますがアセアセこの2人は書いててなかなか楽しかったので、相葉ちゃんお誕生日企画辺りに再登場するかも知れませんてへぺろ

さてこのお話もそろそろまとめに入りますニコニコ今回はどうにか大ちゃんハピバに間に合いそうOKあともう少しだけお付き合い下さいねウインク