これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ下差し

カギカギカギカギカギカギカギカギカギカギカギカギカギカギ

〜STORY 2〜

丸の内。東京駅にほど近いセンタービルの一角に『大野法律事務所』がある。ここは大野浩二弁護士を筆頭に、数人の弁護士が所属する大きな法律事務所で、智はここの新人弁護士として働いていた。

大野弁護士は例え息子と言えど、決して智を依怙贔屓しない。なんならここでは1番下っ端の扱いではあるが、近頃は智も弁護士としてそれなりの功績を上げる様になり、特に最近の婦女暴行事件での大逆転裁判は新聞にも取り上げられたりして、『親子鷹』だの、『法曹界のニュープリンス』だのと大袈裟な美辞麗句で持ち上げられていた。

「あの裁判は痛快でしたねぇ若先生♪被告人がイケメンの大学教授でちょっと話題になってたやないですか?♪内容が内容だけにアカン思てましたケド、やっぱりあのスマホ映像が決め手でしたねぇ♪」

パラリーガルの小瀧がコーヒーを淹れながら人懐っこそうな笑顔で智に話し掛ける。ここでは父親の大野浩二弁護士を“大先生”。息子の智を“若先生”と呼んで区別しており、あの逆転裁判は『若先生初めての大金星』としてこの法律事務所でも評判となっていた。

「本当だよねぇ♭女性が被害者の暴行事件は難しいんだよ♭父さんにこの案件を任された時、正直無理だと思ったからね♭あれは僕よりもむしろ潤のお手柄だよ♭」始めに被告人と面会した時、直感で無罪だと確信した智だったが、それを立証するのはほぼ不可能だと思っていた。

だが、潤の地道な調査のおかげで公判中に決定的な証拠が見つかり、今回の大逆転裁判に繋がったのである。潤の誕生日。初めて結ばれたあの日に彼が言ってくれた言葉。

『お前の生涯の相棒にならいつだってなってやれる自信だけはある』智がずっと憧れていたあのドラマみたいに、潤は本当に頼もしい相棒としてあの日からずっと智を助けてくれているのだ。

「潤って若先生御用達の私立探偵でしょう?むっちゃ濃い顔のイケメン。たまに若先生の事迎えに来てますけど、あの人若先生の何なんです?」「んふふ♪彼氏だったらどうする?♪」「えぇ〜〜!!♭♭」

小瀧は目を白黒させて危うくカップをひっくり返しそうになっている。いちいちリアクションがでかいのは関西出身だからなのか、高身長の二枚目だが、反応は芸人みたいだった。

「若先生冗談キツいですわ〜♭若先生の風貌でそれ言われたら一瞬ホンマか思うやないですか♭」「どう言う意味?♭」小瀧は慌てて口を噤むと、いそいそと自分のデスクに座り、残っていた事務処理を始めた。

冗談ねぇ…。智はいたずらが見つかった子供みたいに首をすくめてクスリと微笑み、ノートパソコンの画面に視線を戻すと、これから担当する予定になっている判件の資料に目を通した。

弁護士の仕事は先月みたいな派手な刑事裁判が中心では無く、殆どは離婚訴訟やご近所トラブル。企業交渉などの地道な民事裁判が主であり、テレビドラマに良くある様な大きい事件を扱う事はそんなに多くない。

なので智が日常で扱っているのも大抵は民事裁判や、何処ぞの法律相談イベントみたいな地味な仕事である。現実はそうそう『Lawyer & Detective』みたいに華やかには行かないものだ。

それにしても…。智はキーボードを打つ手を止めて、先月の裁判の事を思い返した。実を言うと智には公判中もずっと気になっていた事がある。被告人だった大学教授だが、何処かで会った事がある様な気がしてならないのだ。

何度も面会し、何度も話を聞いたが、その度に喉に小骨が引っ掛かっている様な妙な違和感を覚えていた。だが、それが何なのか全然思い出せないのである。智は整理したばかりの先月の裁判資料のファイルを開き、櫻井と言う大学教授の詳細なデーターをもう一度じっくりと読み直した。

「おや…?」小さく呟き、画面を凝視する。そこには櫻井教授の学生時代の写真が過去のデーターとして映し出されていた。「…♭チャラい…♭」恐らく海で撮影された写真であろう。水着姿の櫻井少年はガングロでドレッドヘア、耳とへそにはピアスが輝き、あの面会室の真面目そうな教授とはまるで別人の様だった。

「待てよ…♭知ってる…♭」ようやく思い出した!智はハッとして少年時代の櫻井教授の写真を二度見三度見して、小骨の正体をやっと突き止めたのである。秀皇高等学校…。文化祭…。演劇部…。

1度思い当たると、まるでパズルのピースが次々と埋まって行くように智の中のモヤモヤも消えて行く。演劇部の紅白対抗試合。紅組の女子部員と白組の男子部員が文化祭の出し物で対決し、観客の票をより多く集めたチームが相手チームにファミレスを奢る。

白組は毎年負けていて、演劇部部長は起死回生の策として外部からヒロイン役の演者をスカウトした。その時、白羽の矢が立ったのが当時高校2年生の智だったのだ。女装が似合いそうだと言うたったそれだけの理由で…。

智は当時美術部に所属していて、文化祭用の絵を描き終わった直後だった。今回だけ参加して欲しいと頭を下げて必死で頼む演劇部部長の熱意に押し切られ、ヒロイン役を引き受けたのは良かったが、まさかそれがメイド役だったとは…♭

後にメイド姿の写真を学内に拡散されて死ぬ程恥ずかしい思いをしたせいで、その時の事は智の記憶からすっかり消えていたのである。翌年、父が弁護士事務所を東京に設立して活動の拠点が東京に移り、神奈川から引っ越したので、後にも先にもあの時限りのヒロイン役だった。

だが、智が転校するまでの間、『メイドのサトコちゃん』は秀皇高等学校の語り草となって、別のクラスの男子生徒や先輩からやたらと告白されまくり、女子からはからかわれて散々な目に遭った。

「人気者で結構な事じゃないか」と父は呑気に言っていたが、女子よりも男子にモテると言う状況が、思春期の智少年に取ってはなんとも情けなく、どうしてなのかと本気で悩んだ。「…♭あの時の男の子だ…♭道理で何処かで会った事があると思った…♭」

恥ずかしながらもやり遂げた初舞台でいきなり声を掛けて来た他校の男子生徒がいた。当時流行っていたラッパー風のブカブカジャージにバンダナ巻きのキャップ。ガングロでピアス。まるでストリートギャングみたいな男の子だった。

「君の事が好きになってしまいました!♪必ず幸せにするので俺と付き合って欲しいです!♪」満面の笑みを浮かべ、大声で告白して来たその男の子に、実は男だと言うのもはばかられ、かと言ってOKする事も出来ず、怖いので断る事も出来ず、ただひたすら困惑していた智を、迎えに来たのが同級生の加奈恵(かなえ)ちゃんだった。

加奈恵ちゃんに呼ばれたのをいい事に、男の子に頭を下げて思わず逃げ出した智だったが、まさか櫻井教授があの時のガングロ少年だったとは、この資料を改めて見直すまで全く気づいていなかった。偶然とは恐ろしいものである。

たちまち脱力する智に、パラリーガルの小瀧が「若先生?♭どないしはりました?♭」と心配そうに聞いた。潤から電話が掛かって来たのはその時である。「智?俺だけど。確か智は秀皇高等学校の出身だったよな?ちょっと聞きたいんだけどいい?」

**

今日の勤務が終わり、センタービルの駐車場に停められた愛車の4WDに駆け寄って来る智を見て、潤は1日の疲れが一気に吹き飛ぶ様な癒し感を覚えた。まるで禁欲の象徴みたいな細身のオーダーメイドスーツを小粋に着こなし、ふわふわの髪を風に躍らせながら、智は軽やかな足取りで、助手席のドアを開けて待つ潤の元へと真っ直ぐに駆けて来る。

そんな彼の様子を見つめていると、潤は今日の智が1番可愛いと思い、今日も1番愛してると思うのであった。「潤、お疲れ様♪」ふっくらとした頬を上気させて微笑む智をついムギュッと抱き締めてしまう。甘くて優しい、いい匂いがした。

「あ〜♪やっぱ智の匂いを嗅ぐと落ち着くわ♪究極の癒しアロマだぜ♪」「ちょ…じゅ…♭苦しいよ♭」「いーじゃねぇか♪匂いくれぇ好きに嗅がせやがれ♪」「もう…♭」いつもこんな感じである。

智の困惑や羞じらいなどお構い無しに、いつだって潤はやや傍若無人めな愛情を智にぶつけて来るのだ。そしてそれを何処か心地よく甘受している智が居た。真逆なのにピッタリとハマっている。何だかプラグとソケットみたいだ。そう考えた途端、智はつい変な事を連想してしまい、急に恥ずかしくなった。

「あ?今何かエロい事考えたろ?♪」「考えない♭」「ホントかよ?♪」潤の運転で智が良く行く割烹料理店に向かう。じっくり話したい事があると言うので座敷のあるその店に決めたのだ。

探偵にも弁護士と同じ守秘義務がある。例え智が相手と言えど、櫻井教授からの依頼を全て話す訳には行かなかったが、潤は智のプロフィールを全て把握していたので、智が秀皇高等学校の出身だと知っており、ダメ元で聞いてみようと考えたのである。

だが潤が振る前に智の方からその話を持ち掛けて来た。「そう言えば君は僕が秀皇高等学校の出身だと知って聞きたい事があると言っていたな?」「そうそう。ほら、例の婦女暴行事件なんだけど、あの時智が弁護した被告人居たろ?櫻井教授。あの人からの依頼でさ…」

智の動きが止まる。偶然とは言え、智もさっきまでその事を考えていたのだ。まるで以心伝心の様だと智はちょっと嬉しくなった。

「依頼内容は秘密だけどな♪秀皇高等学校のある神奈川県まで行って色々聴き込んでみたんだけど、これと言った情報が掴めなくてさ〜♭メシがてら智に話を聞こうかと思った訳♪っつ〜か智は俺の疲労回復の特効薬だしさ♪単に会いたかったとも言えっけど♪」

こんな風に言われると弱い。潤の繰り出すツンデレ戦法に、智は図らずもときめいてしまい、またいいようにされてしまうのだ。潤と智のいつものパターンである。「多分智とそう変わらない時期だと思うんだけど、当時演劇部に所属していた『サトコ』だか『サトミ』だか、兎に角そんな名前の女の子知らねぇか?」「ええっ?!♭♭」

カギカギカギカギカギカギカギカギカギカギカギカギカギカギ

やはりと言うか、もうバレバレでしたね〜てへぺろゞ『サトコちゃん』の正体は智君でした〜♪

多分クリスマス時期のオムニバスドラマか何かだと思うのですが、若智君がおぢさんとチューするドラマ映像のワンシーンを某所で観た事がありまして、その時に大ちゃんがメイドさんみたいなウエイトレスさんみたいなコスプレドレスをしていたのを覚えておりましてね〜ルンルン

それがまぁめたんこ可愛かったもんですからチューハート『サトコちゃん』が生まれましたウインク久々甘めな潤智ですハート音符ストーカーを扱ったややサスペンスフルなテーマではありますが、余り重くなり過ぎない様に仕上げて行きたいと思っていますニコニコ