これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ下差し

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【起】

あなたには何か願い事がありますか?もし願い事があるのなら月の出ない新月の夜にした方がいいと言われているそうな。いえいえ、勿論ただの伝承ですけどね。でもね、皆さん。そんな伝承伝来もたまには役立つ事があるようですよ。特に彼みたいにどうしても叶えたい願いがある場合には.........。

「あ”~駄目だ♭全っ然口が回らない♭」頭を掻きむしり、机に突っ伏した智は、黒縁の眼鏡を外すと、瞼を揉んでから目薬を差した。壁には『絶対合格!』だの、『ファイト!』だの、『六法全書を脳髄に叩き込め!』だのと達筆な筆で書かれた半紙がたくさん貼られている。

彼は大野智。弁護士を目指して日々六法全書と睨み合っている受験生だ。とは言え決して学生では無い。東大が駄目で早稲田大学法学部を受験し、どうにか頑張って卒業したまでは良かったが、司法試験に落ち続けて気付けばもう三十路になっていると言う、そこそこ大人のおじさん受験生だ。

智に取っては今年の司法試験が正念場である。短答式試験は合格した。論文式試験の合否は未だだが、手応えはバッチリである。問題は残る口述式試験だ。数字を覚えるのが苦手ですぐに噛んでしまう智にはここがいつも難解になる。

だが、今年の司法試験に合格しないと親からの援助が打ち切られ、父親が弁護士を務める法律事務所でパラリーガルとして一生こき使われると言う悲惨な未来が待っているのだ。今のマンションも引き払わなくてはならないだろう。兎に角六法全書をよどみなくスラスラと喋れる滑舌が欲しい。

さっきからランダムに開いたページの暗唱に取り組んでいるのだが、内容は上手く言えても第○条の○の数字を忘れてしまったりするし、その逆も然りなのだ。これが法廷なら致命的な失敗となる。

智の脳内は今や民法と刑法の第○条の○○的な文章がごちゃごちゃとせめぎ合い、段々と訳が分からなくなりつつあった。「はぁ~♭息抜きしよう…♭」大きな溜め息をついた智はノートパソコンを開き、イヤホンをつけると好きな動画配信サイトでお気に入りの弁護士ドラマを観始めた。

アメリカの有名な女優が事件を解決し、法廷に立って堂々と答弁をする姿を観ていると、男女の差はあれど、自分もあんな風になりたいと切に思う。だが、現実は父親の立つ法廷を羨みながら眺めるだけの体たらくだ。

アメリカと日本では法律の仕組みも異なるだろうが、このドラマの主人公は若い探偵を相棒にして事件を捜査し、推理して冤罪を暴いたり、法廷で真犯人を摘発したりする。この相棒の探偵がまた滅茶苦茶カッコいいのだ。

年下なのにちょっとツンデレで、主人公の女弁護士をまるで彼女の様に扱ったりする。弁護士はそんな相棒に反発しながらも、彼の事を憎からず思っていたりして何だかいい感じなのだ。

いつか弁護士になれば自分もこんなやり手の相棒が欲しい。別に男好きと言う訳ではないが、恋愛経験も殆ど無い智には、ドラマの探偵みたく、グイグイ引っ張ってくれる様なツンデレめの相方にちょっとした憧れがある。このドラマを観る度に智はそんな理想を頭に描き、法廷に立つ自分の姿を想像しては、それを糧にして勉強に取り組んでいた。

「良し、もうひと頑張りだ」ドラマを観終わった智はノートパソコンを閉じ、再び六法全書に挑むべく缶コーヒーでも買って来ようと、マンション近くのコンビニまで足を運んだ。いつもより明かりが煌々としているのは夜空が暗いからである。

「へぇ…。今日って新月なのか…」独りごちた智はスマホで月齢を調べ、ふと先程のドラマを思い出した。新月の夜に殺人事件が起こり、犯人だとされた女性が、実は殺人が起きた時刻にアリバイがあった事が無罪の決め手になったと言う話である。

その女性は迷信深い性格で、新月に願い事をすれば叶うと頑なに信じていたのだ。新月に願い事など初めは誰にも信じて貰えなかった女性だったが、主人公は彼女の言葉を信じ、その夜の目撃者を相棒と共に探し回って、遂に証拠を発見するのである。

本当に願いが叶うなら僕を弁護士にして欲しい…。ドラマみたいな優秀でカッコいい相棒がいれば尚いいけど…。そんな他愛も無い事を夜空に向かって願いつつ、コンビニの袋をぶら下げてマンションまでの通りを曲がった時、智は何かに躓きそうになって、慌てて体勢を立て直した。

「危っぶな♭何?♭」眼鏡のフレームを摘み、しげしげと足元を見ると、そこにあったのはニョッキリと突き出した2本の脚だった。細身のブラックジーンズに包まれた、そのスラリと格好のいい脚の主は、草臥れたスニーカーを履いて角の自動販売機にもたれ掛かり、ぐったりと項垂れていた。

襟足を覆った外ハネの黒髪と、ロックテイストの派手なTシャツに若さを感じるが、いかんせん顔が分からない。ただ男だと言うのだけは智にも理解が出来た。「ま、まさか死んでないだろうな…♭」オドオドしながら男に近づき、その首筋に指先を当てる。ゆっくりと脈打つ頸動脈と僅かに香る酒の匂いに彼が生きているのだと智に教えてくれた。

「ビ、ビックリしたぁ~♭酔っ払っいか♭♭」ホッとしてその場を立ち去ろうとする智の手首をその酔っ払いがいきなり強く掴む。ギョッとする智に酔っ払いは静かに顔を上げ、低い声で呟いた。「おいこら…。怪我人を見捨ててくんじゃねぇよ…」

頬は泥に汚れ、唇の端には乾いた血がこびりついている。よく見るとTシャツもジーンズも埃に汚れていた。だが、その双眸は長い睫毛に縁取られ、吸い込まれそうな程の深い輝きを湛えている。「え‥と…♭どうすれば…?♭」「取り敢えずシャワーと着替え、それからベッドだ。暫く寝かせろ」「えぇぇ~!?♭♭」

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どうしよう…♭拾ってしまった…♭♭バスルームから響くシャワーの音を聞きながら、智は己の優柔不断さに頭を抱えてプルプルと首を振った。脱衣所には替えのTシャツと未使用の下着、ジャージのパンツを置いてあるが、サイズが合うのかどうかもすこぶる不安である。

さっきは暗かったし、なるだけ目を合わせない様に努めていたので、どんな男なのか全く覚えていない。だが、智よりも背が高く、スリムに見えて意外とガッチリしていたような気がするので、サイズが小さいと殴られそうな気配の圧があった。

Tシャツもジャージも智の持つ服の中では1番大きい物を用意したつもりだが、怒られたらどうしようと気が気ではない♭あれは明らかに喧嘩で負ったと思われる傷だった。怖かったので思わず連れて来てしまったが、少し短慮に過ぎたのではないかと今更ながらに後悔している。

「あ~さっぱりした。なぁ、ビールねぇの?」バスルームのドアが空き、拾った男がタオルで髪を拭きながらリビングにやって来る。少しピッタリ目ではあるが、用意した服はどうやら体に入ったらしい。スマートな男だが、良く鍛えているのか、肩幅も広くて腰が締まり、スタイルは抜群だ。

「ビ、ビールはキッチンの冷蔵庫にあるけど…♭」もう飲まない方がいいんじゃないかとはとても言えない♭おどおどと顔を上げた智の目に、初めてはっきりと男の顔が映った。美形だ…。不覚にも暫し見とれてしまう。

殴られた痕跡は多少残っているものの、それでも智は生まれてこの方、これ程美しい男の顔は今の今まで見た事がなかった。はっきりとした目鼻立ちに白い肌。まるでモデルか映画俳優の様なその面差しに首元のペンダントが良く似合う、明らかに智とは別次元に住む人間だ。

だが、男の方は「あん?」とえらく胡乱気な顔つきで智を見つめると、スタスタと歩み寄って来て、腰を抜かしかける智の眼前にいきなりしゃがみ込んだ。「な、な、な、何?♭何?♭」ビビる智の顎を男は片手でおもむろに掴むと、無理矢理顔を上げさせて「お前さぁ…。コンタクトの方がいんじゃね?」と、一言言ってから立ち上がり、キッチンの方へと歩いて行った。

何なんだ一体…♭♭あんな美形に近距離で凝視されたドキドキと、殴られるかと思った緊張のドキドキで智の心拍数は爆発的に跳ね上がる。プシュッと小気味良い音が聞こえ、片手に缶ビールを持った男が再びリビングに戻って来た。

ゴクゴクと喉を鳴らし、缶ビールを飲む姿まで何だかサマになっている。しかし図々しい♭図々し過ぎる♭「あ、あのぉ…♭」遠慮がちに声を掛けると、男はチラリと智を流し見て「ところでお前誰?」と聞いた。いや、それはこっちの台詞だ♭激しく思ったが口には出来ない♭

「俺は松本、松本潤。北品川の『Good Luck 探偵社』って探偵事務所で私立探偵をやってる。正確、親切、迅速が俺のモットーだが、浮気調査でマルタイ張ってたらチンピラに絡まれてな、ボコられてこのザマよ。ま、連中は俺以上にボコってやったけどな」男は先に名乗ると智を心底驚愕させた。探偵だって?!♭♭先程新月の夜に願掛けした事が智の脳裏によぎる。

「どうした?舌が無くなったか?」「えっ?♭」「えっ?じゃねぇ、お前の名前だよ。名乗ってやったんだから答えろ」「あ、智…です♭大野智…♭司法試験の勉強を…♭」「へぇ~…」飲み終えた缶をグシャリと握り潰し、潤と名乗った美形の探偵は口元で薄く微笑った。

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と言う事で(何が?タラー)始まりました潤君ハピバ企画物語\爆笑/今『P・A・R・A・D・O・X』を書いておりますので、タイトルもその流れでアルバム『LOVE』から潤君ソロ曲の『Dance in the dark』となっておりますウインク

確かバンパイアな潤君の映像が流れる、ちょっとジャジーな雰囲気のカッコいいソロ曲だったと思うので、潤君のキャラ設定も多少ダークなやさぐれキャラにさせて頂きましたチョキグラサン

ドラマ『ラッキーセブン』の時多駿太郎君(字合ってる?アセアセ)を更にやさぐれさせた様なビジュアルイメージでやらせて頂いておりますサングラスニヤリ

勿論大ちゃんのビジュアルは同時期ドラマ『鍵のかかった部屋』の眼鏡男子榎本っちゃんですが、クールな榎本っちゃんと比べ、今回の大ちゃんキャラはだいぶ弱々しい感じなんで、ビジュアル榎本っちゃん&性格『もう誘拐なんてしない』の樽井翔太郎君的な?感じになるでしょうか?(爆音符)

お話を書く時は大体そうなんですが、なるだけ読んで下さっている皆様がイメージし易い様に、潤智の年齢が当時のビジュアルイメージとそう離れていない時期のドラマなりなんなりをチョイスして書かせて頂いておりますので、その辺りもふんわりとイメージ下されば幸いでごさいます照れ

今回の予定では起承転結と分けまして全4話の短編としたいと思っていますが、果たして潤君のバースディにまで終わらせる事が出来るのか?アセアセどうぞ見守ってやって下さいまし~お願いお願い