これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ下差し

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翌日。移築修繕され、今では3倍のサイズに巨大化した大仏が見守る森の城、『聖ヴィンセント学園』の朝礼で2人の臨時教員が学長によって生徒達に紹介された。

現在の学長であるアレクセイ・ゴールドは創立者ジェルマン・ゴールドの曾孫に当たる人物で、ハロウィーン時期に起こるかも知れないテロ襲撃の可能性について警視庁から注意換気を受け、急遽『FIVE STORM』の2人を臨時教員として、学園に受け入れた。

未だ40代位の若い学長は綺麗に整えられた短いブロンドに指先をくぐらせながら、彫りの深い端正な顔を心配げに曇らせて、「学園ハ協力を惜シミません。ドウゾ、生徒達ヲお守リ下サイ」と、流暢な日本語で長身を折り曲げ、2人に向かって丁寧に頭を下げた。

ただ、金塊の隠し場所については曾祖父のジェルマンから何も聞いてはおらず、学園の運営は2代目の祖父が残していた財産と、生徒達の保護者から支払われた入学金だけなのだと言う事であった。

ただ、ヨーロッパの城郭を模した学園は昭和初期に建設されているので、宿舎、校舎共に老朽化が進んでおり、もしその様な隠し財産が存在するのであれば、是非とも学園の修繕と改修に役立てて、生徒達を喜ばせたいと、櫻井や相葉にコピーされた紙片を手渡した。

「コレは私ノ祖父が金庫ノ中ニ仕舞っテいたノートのコピーデス。私ノ父はもし学園ノ経営ニ困っタラ、コレを解読セヨと祖父から伝エラレてイタのだそうデス。モシカしたらコレがその宝ノ地図ナノかも知れまセン」

テロ襲撃の理由について、原因が隠し財産にあると初めて聞かされた学長は、祖父から伝えられたその紙片が実は大切なものかも知れないとようやく気づいたらしい。アレクセイ学長は子供の落書きみたいな代物なので、何度も捨てようかと思ったと、申し訳なさそうに言った。

そこには鎌倉の地図に、数字や意味の分からぬひらがなが書き込まれており、成る程金塊の事を知らない者にしてみればいささか落書きめいている。

だが、櫻井と相葉は、これが例の日記の写しなのではないかと即座に見当し、それぞれスマホで紙片を撮影すると、待機中の二宮に送信して、我々も潜入中に出来るだけ色々と探してみますと学長に約束した。

かくして、無事臨時教員として、『聖ヴィンセント学園』の潜入に成功した2人は、櫻井が上級生の英語教師として、相葉が下級生の生物教師として、ハロウィーンパーティーまでの期間、学園内に滞在する事になったのである。


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一方、外部捜査担当のニノ始め、潤と智はJMI本部のコンピュータールームで待機しながら、次の行動に移る準備を着々と進めていた。ニノは先ず空港の入国管理データを入手し、この1ヶ月以内に入国した外国人渡航者から、10名の団体客をピックアップした。

渡航時間と照らし合わせた空港の映像を確認すると、それは男9名、女1名の団体だったが、それぞれ楽器ケースを持参した軽装をして、何が気に入らないのか、全員不機嫌そうに顔を強ばらせ、ゲートを通過している。

「こいつら今月の始めに来日したアメリカの管弦楽団のメンバーなんだけど、何だかおかしな連中だよ。空港の入国審査をパスしたんだから、よっぽど精巧な偽造パスポートを持っていたんだろうけど、

管弦楽団と言う割にはこいつらの持ってる楽器ケースの中身って分解した管楽器みたいなもんばっかで、弦楽器が1つも無かったんだ。それにこいつらやけに無表情でしょ?多分だけど、空港にある顔認証マシンを回避するためのマスクか何かを被ってんじゃないかと思うんだよね。

恐らくハリウッド辺りで盛んに使われている特殊メイク用の3Dマスクみたいのを作ってそれを着用しているんだと思う訳。空港の顔認証をパス出来るとなればハリウッドで使用しているリアルマスク以外考えられないからね」

真剣な表情でニノの説明を聞いていた潤は、険しい顔のまんまで深く頷いた。「成る程ねぇ。連中は展示会から兵器を盗み出した後、海外に逃亡したと見せかけて未だアメリカ国内に潜んでいたって事か…。警察関係者の裏を掻いたんだ」潤に続いて智が呟く。「幹部が元諜報部員だから当局の動きが読めるんだろうね。何だか手強そうだな」

「でも、そんな奴らの更に裏を掻くのがわたくしニノさんって訳♪これ見て♪」どんなやり方をしたのか、ニノは空港の荷物検査のマシンにある透視映像をちゃっかり手に入れていた。モニターにはこの怪しげな管弦楽団が持参していたとされる楽器ケースの中身の映像がかなり鮮明に映し出されている。

確かにニノの言う通り、モニターに現れた楽器ケースの透視映像には、クラリネットやオーボエ等の分解された管楽器らしき物が映し出されているが、それにしてはいささか部品が多い様に見えた。

「どう?これなんか一見、分解されたクラリネットが入ってるみたいに見えるけどさ、それにしちゃちょっとパーツが多い様な気がしねぇ?こいつらの持ってる楽器ケースって全部こんな感じで、明らかに余計な楽器のパーツが入ってる訳。

でも、予備のパーツだと言われれば納得出来そうな感じのやけに管楽器っぽいパーツなんだよね。ところが…」ニノは作戦会議で見せた『メガEMW』と言う最新兵器の写真を、モニターに透視映像と並べて映し出した。

「ほら、ここの銃口部分の小型のパラボラアンテナみたいなところ、クラリネットのケースに入っているこのパーツとそっくりなんだよね。実寸大にして比較検証してみたらこうなった」

ニノがポンとエンターキィを叩くと、クラリネットのパーツらしき部分と、兵器の先端部分のサイズが見事に一致し、潤と智は同時に「おお~~!」と感嘆の声を上げた。

「考えやがったな♭兵器は強化プラスチック製だからバラバラに分解すると銃の部品にゃ見えねぇ。管楽器のパーツに紛れ込ませれば楽器っぽく見せ掛けられるっつ~事か♭」悔しげな潤と違い、智の方は何処か余裕である。

「でも、結局この管弦楽団が、テログループの4人の幹部とサブメンバーの6人だって事はニノのおかげで判明した訳だし、俺達はこの管弦楽団の足取りを追って行けばいいんじゃない?」それを聞いたニノは待ってましたとばかりに超高速タイピングでキーボードをカチャカチャやると、コンピュータールームの大画面一杯に無数の映像を並べて表示した。

「ショウ隊長からの指令でようやくこの『スーパーエージェントニノミ屋』の実力が発揮出来る時が来た♪これは俺が独自に開発したプログラムで、日本全国の防犯カメラの映像と、顔認証や歩行認証ソフトを連動させて、ターゲットとなった人物を発見出来る追跡ソフトなんだけど、

この管弦楽団の連中をターゲットとして、追跡を開始したところ、空港のバス停から『DAIBUTHU-TOWN』行きのバスに乗り込んだ所までは既に判明したよ♪

今は『DAIBUTHU-TOWN』周辺の防犯カメラ映像を追いかけてる所♪未だ実験段階だけど、今度の事件でこいつが活躍出来たら警視庁に実用化を進言してみようかと思ってんだよね~♪」

複数の映像は絶えず入れ替わり、モニター上では警察官の制服を着た柴犬のアニメーションがトコトコと走り回っている。柴犬アニメの後ろでは『search』と言う文字が点滅し、ターゲットの足取りを追いかけている様子が伺えた。

「ニノすげぇなぁ~♪ホント天才だよね♪あの犬のお巡りさん可愛い♪ニノに似てる♪」智が嬉しそうに瞳をキラキラさせてモニターを見つめている。潤は「つくづくお前が味方で良かったわ~♭ニノの方がテロリストの100倍怖いぜ♭」と顔をひきつらせた。

やがて柴犬のアニメーションが立ち止まり、正面に向いて「ワンワン!」と可愛く鳴いた。二宮の開発したソフトはふざけているように見えてその性能たるや他に類を見ない程優れている。ニノが幾分得意げに胸を張った。

「ほら見つけた♪空港の顔認証ではマスクのせいで見つかんなかったみたいだけど、日本に入ってしまえばマスクはもう必要ない。素人目にはただの外国人渡航者に過ぎないからね。ところがどっこい♪この『スーパーエージェントニノミ屋』は一味違うよ♪

ペンタゴンから極秘入手したテロリスト達の顔写真も既に登録済みだし、歩行認証もあるからターゲットは漏れなく発見する♪因みに今モニターに映っている映像は『DAIBUTHU-TOWN』の防犯カメラと連動したライブ映像♪

これを見る限り、ペンタゴンの写真と歩行認証から、こいつらがさっきの怪しげな管弦楽団の連中と一致する。これで空港の防犯カメラ映像はテロリスト達がリアルマスクで別人に変装していたって事がはっきりしたろ?」

複数のモニターに映っているのはまさしくペンタゴンのテロ一味の写真にあった4人の幹部と他6人の主要メンバーの顔であった。

メヘッド・サーリムと、その愛人とされる元KGBの、派手な顔立ちをした赤毛の美女を先頭に、ナンバー2の元CIAが続き、次に元MI6の一際若い男と後続のメンバーが大きめのショッピングカート5台に、生活用品や食料を山ほど乗せて、駐車場とおぼしき広場を団体で歩いている。

若い男の後ろにいる6人の顔ぶれは様々で、白人の姿も、黒人の姿も、ラテン系も、そして東洋人の姿も見受けられた。6人の男達は皆大柄で筋骨隆々に鍛えており、軍人か、もしくは格闘技選手の様に見え、明らかにただ者では無さそうな様相を呈していた。

「ここは『DAIBUTHU-TOWN』の森から山裾を15キロ程下った、管制道路沿いのショッピングモールだ。多分買い出しだね。て事はこいつら、ホテルや旅館の宿泊施設じゃなくて貸別荘の様な場所を丸々一軒借りてそこに潜伏しているに違いないよ。

別荘地は『聖ヴィンセント学園』から山道を下って10キロ位の場所にある。何処を借りてるかはこれから調べてみるけど、大野さんとジェイはこの別荘地で捜査するといいんじゃない?」ニノの提案に「よし来た!♪任せろ!♪」と快諾した潤は、智の肩を抱くと、にこやかに声を掛けた。

「行くぞ智!♪先ずはミタゾノさんの所だな!♪」「うん!♪今回はどんなのがいいかなぁ~♪」「そうだなぁ~♪ショートボブのクールビューティーって感じはどうだ?休みを利用して『Ka-Ma WH』の別荘に遊びに来た新婚夫婦ってイメージで良くね?♪俺は青年実業家♪」「面白そうだね~♪」

そんな事をやいやいと話し合いながら潤と智は「ニノ!♪後は宜しく!♪」と言い置いて仲良くコンピュータールームから出て行った。「…ミタゾノさんって誰?♭」1人取り残されたニノは半ばポカンとして、2人の背中を見送っていた。

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更新が遅れてしまい申し訳ありませんショックここのところちょっとバタついておりましてアセアセなかなか仕上げられませんでした~(/≧◇≦\)

次はもうちょっとペースを上げてサクサクっと書いて行ければ良いな~と思ってますウインク