これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので、苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ




























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YOKO―Bay City『JMI』本部。班長の櫻井の号令により、コンピュータールームに集合した『FIVE STORM』の面々は、『未来予想クライム』が予測した近々に起こるであろう凶悪犯罪の内容に目を丸くした。
『未来予想クライム』が予言したのは、来月末のハロウィーンの時期前後に、鎌倉(現在の呼び名はKa-Ma WH。【WHはwere house(蔵の英訳)】の略)の全寮制ミッションスクールを外国人テロリストが占拠すると言う凶悪犯罪である。
このミッションスクールは毎年、ハロウィーンの時期になると、大々的な仮装パーティーを行うらしく、外国人テロリストはそこに漬け込んで襲って来ると言うのだ。
「ジェネラル・ゴールドの金塊?!♪」キーボードを叩く手を止め、ソッコーで食いついたのはニノである。その瞳には黄金色に輝く『¥』マークがはっきりと映っているみたいに見えた。
「胡散臭ぇ話だなぁ~♭っつ~かさ、そもそもフランスでめっかったって文献だっけ?江戸時代に蘭学医が書いたとか言われてるやつ、その文献が何だってそのジェネラル・ゴールドの金塊と繋がるのよ♭」
潤の疑問は最もだった。相も変わらず距離感ゼロで潤に寄り添っている智が、班長の櫻井に向かって素朴な質問を投げ掛ける。「その蘭学医の人はどうしてジェネラル・ゴールドの事を自分の文献に記したんだろうね。だって蘭学と金塊って全然関係無いじゃん」
「そこなんだよ智君♪いつもいいところに気がつくね♪」いつもながらに櫻井は智に甘い。相葉ちゃんが「アヒャヒャヒャ♪班長はおおちゃんの事となると何でも褒めるね♪」と笑った。
「どうやらこの蘭学医は当時の藩主の命令で、村に蔓延した疫病の事を調べていたらしい。幕府の命令で村が焼き払われた時に村人達の遺体も一緒に火葬されたんだけど、その時に宣教師達が隠れ棲んでいた山奥の小屋に行ってみたそうだ。
するとそこに宣教師の1人が書いたと思われるオランダ語の日記があり、蘭学医はそれをこっそりと持ち帰って翻訳したらしいんだが、その内容に金塊の事が書いてあったそうだ。この日記と言うのが曲者でね。
小屋の床下に穴を掘って埋めていたんだとかで、明らかに後に発見されるのを想定して隠されていた様だったと蘭学医は後に文献に書いてあるんだよ。
日記は村に疫病が蔓延し始めた頃まで書かれていたそうで、恐らくは村人達に『黄金将軍様』詰まりジェネラル・ゴールドとその仲間が惨殺された時に生き残っていた宣教師が居たんじゃないかと予測されている。
その生き残った宣教師の1人が村人達の悪行を世に知らしめる為に、隠し金山の事やジェネラル・ゴールドの悲劇を証拠として残したのだと蘭学医は記している。
その蘭学医、名前は周防龍元(すおうりゅうげん)と言うそうだが、彼の残した文献では村人達に蔓延した疫病は黒死病(ペスト)だったと結論されていたんだそうだ。ジェネラル・ゴールドの亡霊が自分達を殺した村人達に復讐したに違いないとね。
この周防龍元と言う蘭学医は後にオランダへと渡り、亡くなった宣教師の家族に、日記と自分の書いた文献を渡したとされている。手元に置いておくと幕府や藩主が真実を揉み消すかも知れないと危惧したからだろう。
それが巡り巡ってフランスの歴史学者の手に渡り、今まで厳重に保存されていたと言う訳だ。文献ではジェネラル・ゴールドから村人達が取り上げた隠し金山で採掘した金塊は焼け残った蔵の瓦礫から推察しても20戸程はあったに違いないと書かれてあったらしい。
蔵20戸の金塊が焼け跡からは全く見つかっていないんだ。村人達が鎌倉の山中の何処かに隠したに違いないその莫大なお宝がもし、件(くだん)のミッションスクールの敷地内に眠っているとしたら…?テロリストが狙うには充分な理由だと思わないか?」
「ええっ?!♭どうしてテロリストにそんな事が分かったの?!♭」驚く智にニノが嬉々としてキーボードを叩き始め、「それは多分こー言う事なんじゃないの?♪」と、とある新聞記事を正面の大型モニターに映し出した。
英字新聞を『未来予想クライム』に翻訳させたと思われるそのニューヨーク・タイムズの記事は、1770年代後半に書かれたと思われる貴重な古文書がフランスの博物館から盗まれたと言う物であった。
その博物館はフランス在住の歴史学者が、個人でコレクションした古い文献等を展示していた小さな博物館だったのだが、そこに展示されていた物の1つが周防龍元が書いたとされるジェネラル・ゴールドに纏わる文献だったのである。
このフランスの歴史学者は大の親日家で、浮世絵などのコレクションもしており、特に周防龍元の書いた文献は、江戸時代にオランダ人宣教師が金脈を掘り当てたとか、ヨーロッパで蔓延していたペストが当時の日本で流行したとか、歴史的に見ても大層興味深く、ヨーロッパとも強く関わりのある内容だった為に特に珍重していたらしい。
「『未来予想クライム』はこの盗難事件とテロリストに繋がりがある事を推測してんだよ。これ、その博物館周辺の監視カメラの映像を纏めたもので、盗難が起きたとされる先月の15日にこの男が映ってんだけど、こいつかなりの有名人だよ」
ニノは次に博物館の周辺で撮影された謎の男の顔写真をモニターに映し出し、エンターキィをトンと叩いた。「こいつぁ…♭マジかよ♭♭」潤が絶句し、相葉ちゃんが「嘘だぁ~♭」と、のけ反った。櫻井の表情が真剣になる。
モニターに映ったのは、30代後半から40代前半位の男だった。顎髭を生やした痩せぎすの、浅黒い肌をした男で、縮れた黒髪を持ち、アラブ系かイスラム系の特徴をその風貌に湛えている。
「メヘッド・サーリム…♭国際指名手配されているテロ組織『デスメタル・ゴッド』のリーダー…♭周防龍元の古文書を盗んだのはこの男だ。『デスメタル・ゴッド』はこの1週間後に米軍の主催する新型銃の展示会を襲撃し、一般客を含む45人を殺害した」
櫻井は険しい表情のまま、ニノに「例の資料、ある?」と聞いた。「勿論♪」ニノは答えてキーボードをカチャカチャと鳴らし、続いて見た事もない武器の画像をモニターに映し出した。
「これが展示会で盗まれた最新兵器の『メガEMW』このEMWって言うのはエレクトロ・マグネティック・ウェーブ、詰まり電磁波の略らしい。要するにメガサイズの電磁波を撒き散らす武器っつ~事だろうね。
見た目機関銃みたいだけど、強化プラステック製で、先端部分に超小柄のパラボラアンテナ的なモンがくっついてる。ここから物凄い量の電磁波を放出するんだってさ。
こんなもんで撃たれたら大変だよ♭人間が電子レンジでチンされたみたくなる♭軽量で組み立て式。金属探知機にもクリア出来る持ち運びに超便利な兵器だね。盗まれたのはこいつが四挺と、同じく強化プラスチック製の自動小銃六挺、強化プラスチック製のオートマチックが二十挺。計三十挺の最新兵器が強奪されてる。
要するに単純計算でもテロリストのメンバーは最低30人は居る筈だって事。これが恐らくそのメンバー。盗まれた兵器の資料と共に極秘扱いになってたよ。アメリカ政府は表向き単なる自爆テロとして発表してるから表沙汰には出来ない事案なんだろうね」
ニノは説明しながらクフフとさも怪しげな笑い方をして、次の資料をモニターに映し出した。「これがテロリストメンバー?随分バラバラなんだね。必ずしもイスラム系テロ組織って訳じゃなさそう」智の疑問に櫻井がたちまち目尻を下げる。潤が「ハイハイ♭説明する気満々っつ~事な♭」と肩をすくめた。
「そうなんだよ智君♪『デスメタル・ゴッド』はこれまでアメリカに反発するイスラム系勢力のテロ組織だと思われていた。でもこのリストを見る限り、人種は様々に見える。例えばメヘッド・サーリムの愛人とされるこの女性。元KGBのスパイだ。任務中に死んだ事になってるね。
それからナンバー2のこの男。元CIAの工作員だ。こいつも任務中に死んだ事になっている。それからこの若い男。この男は元MI6の情報部員でこいつも任務中に死んでいる。
さあ、ここで智君に質問だよ♪強奪された最新兵器、『メガEMW』は四挺だ♪でもって『デスメタル・ゴッド』の幹部はメヘッド・サーリムを含む4人だと言われている。その心は?」
「あっそっか♪メヘッド・サーリムがリーダーで、じゃあ死んだ事になってる元・スパイの3人を入れたこの4人が『デスメタル・ゴッド』の主要メンバーなんだ♪」「その通り!♪やっぱり智君は頭いいね~♪」智とのそんなやり取りで、やに下がる櫻井に潤が突っ込みを入れる。
「誰でも分かるっつ~の♭てか、そんな呑気な会話してる場合じゃねぇし♭少なくとも『デスメタル・ゴッド』の幹部は全員死んだ筈の元スパイって事だろ?詰まりはプロ中のプロだ。
ならその他のメンバーもド素人とは思えねぇ。もし、『未来予想クライム』が予測した通りなら今度の敵はかなりヤバいぜ♭てか、さっきから相当気になってんだけどさ、ニノはこんな極秘資料をどうやって入手したんだ?♭超嫌な予感しかしねぇんだけど…♭」
「それは聞かない方がいいんじゃね?」済まして答えるニノに相葉ちゃんがアヒャヒャヒャと笑う。「もしかしてペンタゴンとかハッキングした?♪」「やめなさいよ。アメリカ国防相なんかハッキングしたらただじゃ済まないって♪ムフッ♪」「やってる!♭こいつ絶対ぇやってる!♭」
ニノを指差し、ワナワナする潤を智が優しく慰める。「大丈夫だよ潤♪ニノならちゃんとハッキングしてる筈だからバレたりしないよ♪」「そ~言う問題じゃねぇ♭」「まぁ今回の一件に関してはある程度のグレーゾーンはやむを得ないだろうな♭」櫻井はそれ以上の追及はせず話を先に進めた。
「さっき松潤が推察した様に、このリストは襲撃された展示会の防犯カメラ映像を元にしてペンタゴンの顔認識ソフトが割り出した極秘ファイルだ。無論この資料が我々『JMI』が入手している事は警視庁のごく限られた人間しか知らないし、表沙汰にもされないだろう。
問題は周防龍元の文献にジェネラル・ゴールドが発掘した洞穴と隠れ家周辺の地図が記されていた可能性があると言う事だ。消えた金塊を村人が隠すとすればまずはあの一帯の何処かに違いないだろうからね。
そして関東地方の昔の資料と照らし合わせてみると、鎌倉のその一帯は現在、Ka-Ma WHの『DAIBUTHU-TOWN』周辺と一致しているんだ。中心部にあるのが『未来予想クライム』が割り出した、ミッションスクール『聖ヴィンセント学園』だ。
創立者はジェルマン・ゴールド。この人物は学園周辺の土地を全て買い取り、『DAIBUTHU-TOWN』の地主になっている。『聖ヴィンセント』の名前の由来は、昔鎌倉に住み、キリスト教を広めた人物からだそうだ。そう、創立者のジェルマン氏の先祖がジェネラル・ゴールドなんだよ」
一同が息を飲む。どうやら今までで1番の困難な任務になりそうだと『FIVE STORM』のメンバーは誰もが思っていた。
なかなかな大風呂敷を広げてみました~
『FIVE STORM』の面々はいよいよ国際的犯罪者と戦います(大丈夫なのか自分
)
例の如く『死なない、怪我しない、誰もやられない』の、徹頭徹尾ご都合主義的な展開になるであろうと思われますので、お気楽に楽しんで頂けましたら幸いでございます(〃^ー^〃)/