これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在の人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ




























15
「何だ?♭やけに騒がしいな♭平治来い。源三、お前は智を見張っていろ♭」中尊寺公丈は忌々しそうに声のする方向へ視線を向けると、嶺岡の叱責を恐れてか、仲間の一人を連れて様子を見に行った。横山はいつの間にか姿を消している。和室に残ったのは商人みたいな水膨れの源三唯一人だった。
源三は厭らしい目で嘗める様に智を眺め回すと、べしゃべしゃした水っぽい声で、誰に聞くでもなく「ちょっとくらいいいよな?」と呟いて、智に覆い被さろうとした。
だが、智だとてただ手をこまねいてはいない。縛られはしていたが、脚は自由に動くので、源三に押し倒される前に素早く立ち上がり、夜具から飛び退いた。「逃げるなよ~♪ちょっと可愛がってやろうとしただけじゃないか~♪」
夜具に飛び込んだは空振りで、布団の上に顔から落ちた源三は、赤くなった鼻を撫でながら、それでもニヤニヤ笑いは崩さずに、智を捕まえようと、手を伸ばして来た。
「やめろよ!♭お前気持ち悪ぃんだよ!♭」追いかける源三から逃れ、和室の隅に避難した智は、尚も飛び掛かって来る源三の腹を思いっきり蹴飛ばした。
ブヨンとした感触と共に、背後にひっくり返った源三は、流石に腹を立てたのか、「誰とでも寝る 淫 売 の癖に…!♭生意気に男を選びやがって…!♭」と憎々しげに叫ぶと、外に逃げ出そうとする智の背後から、上半身を縛り付けている縄を掴み、畳の上に引き倒した。
「ほら、捕まえたぞ~♪いい子にしてくれてたら痛くしないから暴れるなよ♪」小肥りの体で体重を掛け、もがく智を押さえつけた源三は、襦袢の裾を割って手を差し込むと、その太腿を撫で回した。
「細いけど張りがあって滑らかで…♪綺麗な脚だな~♪」「触んじゃねぇよ…!♭やめろ…!♭」不自由に縛られた上半身のせいで、体重を掛けられると、肩が軋んで痛む。それでも智は精一杯抵抗して、両足をバタバタさせた。
その時、「サトシ!!」と雄々しく呼ぶ声と共に和室の襖が物凄い勢いで蹴破られた。ーーーーー
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それから遡る事、四半刻前。嶺岡邸に到着した松本元・巡査長はゆっくりとした足取りで、門の前に到着した。恐らく横山が中から手引きしたものであろう。門は開け放たれ、松本は正面から堂々と庭に侵入した。
庭には嶺岡喜三郎に雇われたらしき数人の用心棒達が、いきなり庭先に現れた白装束の男に、ぎょっとして振り返った。その中の一人が松本を見知っていたらしく、顔色を変えて怒号を浴びせる。
「てめえ…!♭警察じゃねぇか!♭ここを何処だと思っていやがる?!♭財界の大物、嶺岡喜三郎さんの御自宅だぜ!♭一介の小役人ごときが簡単に入っていい場所じゃねぇ!♭怪我しねぇ内に尻尾巻いて帰ぇりやがれ!♭」
目付きの鋭い、がっしりとした体躯の、いかにも筋者と言った感じの男である。松本は突き刺す様な視線を男に向け、口元で薄く微笑った。
「…風雷会(ふうらいかい)の鬼馬嶋(きばじま)じゃないか…。貴様の様なヤクザを用心棒にするとは財界の大物が聞いて呆れる…。生憎だが、俺はもう警視庁を退職した民間人だ。
肩書きを捨てた人間には身分だとか、財閥だとか、そんな物は何も関係無い…。ただ邪魔する奴を片っ端から打ち倒すのみだ…!」
松本の腰に差された業物がスッと抜かれた。上段に構え、取り囲むヤクザ者達を隙の無い目線でぐるりと見渡す。その冴えざえと輝く刃先に鬼馬嶋が少し怯んだ。「そいつぁ真剣じゃねぇか…♭てめぇ本気か…?♭」
「…心配するな。峰打ちだ。だが、これは名刀正宗。しっかり鍛えた業物は峰打ちでも衝撃は大きいぞ…。申し訳ないが手加減してやる余裕もないのでね…」松本はカチャリと刀を返し、刃先を逆に向けると、爪先を一歩前に繰り出した。
「し…♭しゃらくせぇ…!♭やっちまえ…!!♭」ヤクザ者達がドスやナイフを手にして松本に向かって来る。バシッ!ドシッ!腹や背に峰が打ち下ろされる鈍い音とヤクザ者達の悲鳴が広い日本庭園に響き渡った。
松本の宣言通り、鍛え抜かれた鋼の剣は、例え峰打ちでもその威力は凄まじい。突き出されるドスを払い落とせば手首の骨が砕け、腹に一撃されれば呻き声しか出せないままに土の上へと崩折れる。
幼い頃から剣術を嗜んでいた松本は、正面からは言うまでもなく、背後からの攻撃にもまるで背中に目が付いてでもいるごとく瞬時に見切って後ろ刃にナイフを払い、向き直った時には敵の肩口に鋭い一打を浴びせかけていた。
たちまち嶺岡邸の日本庭園は土壌に倒れて呻くヤクザ者で一杯になり、残りは鬼馬嶋一人となった。「く、くそっ…!♭」自分の仲間が松本の着物の袂一つ切り裂く事なく、あっさりと打ち倒されて行く様を見て、完全に腰が引けた鬼馬嶋は、ドスを構えたままジリジリと後退し、とうとう廊下に続く縁側にまで追い詰められた。
「鬼馬嶋…。サトシは何処だ…?」鬼馬嶋を追い詰めながら、低い声で問う松本に鬼馬嶋は一瞬唖然とした顔つきになり、そして思い当たったのか、「ま、まさか…♭中尊寺さん達が拐って来たあの細っこいガキか…?♭お前…♭あいつの為にここへ…?♭」と大層意外そうに言った。
「お、俺は知らん♭!ありゃ中尊寺さんや手下が何処からか連れて来た小姓か何かだ♭!この屋敷の何処に居るのかさえも分からん…!♭」狼狽してわめきつつ、遮二無二飛び掛かって来る鬼馬嶋のドスを最小限の動きでかわし、上腕にバシリと一発。
「ぐわぁぁ!♭♭」思わずドスを取り落とし、腕を押さえてかがみ込む鬼馬嶋の背後に、クルリと回った松本は、容赦ない鋼の一撃をその背中に向かって斜めに振り下ろした。
バシィッ!!かがんだ姿勢のまま、鬼馬嶋が声も出さずに地面へ落ちた時、様子を見に廊下を歩いて来た中尊寺公丈と平治に鉢合わせる。「げぇぇ!♭おま、お前は紅薔薇楼の…!!♭♭」
庭先の惨状に悲鳴を上げた中尊寺公丈は、草履のまま廊下に上がった松本の、恐ろしい光を放つ真剣の刃先を見て完全に腰を抜かし、ガタガタと震え上がった。
平治に到っては公丈を見捨てて逃げ出そうとした所、松本に足払いを食らわされ、もんどり打って廊下から地面に転落して、そのまま昏倒している。
「ヒィィィ♭ひと…♭人殺しぃぃ♭♭」廊下を這いずり逃げようとする公丈の首筋に冷やりとした刃先が当てられる。だが、今度は人を斬る為に作られていない警官用のサーベルではなく正真正銘の本身の刀だ。その恐怖感たるや、サーベルの比ではなかった。
「中尊寺公丈…。サトシは何処だ…?正直に吐かねば首が飛ぶぞ…」怒りを含んだ松本の声に、公丈は縮み上がる。「こ、この廊下の一番奥にある和室に居る…♭ま、未だ何もしてねぇ…♭してねぇから命だけは…♭♭」恐怖に戦き、情けなく命乞いをしつつ、中尊寺公丈はペラペラと智の居場所を吐いた。
「…そうか……」松本は刀を立て、その柄で廊下に這いつくばる公丈の後頭部を思いっきり殴り付けた。公丈はキュウと言って廊下に昏倒し、松本はその背中を草履の裏で踏み越えてから「命は助けてやったぞ…」と呟き、廊下をズンズンと進んで行った……。
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バリバリと言う襖の破れる音と共にいきなり和室に飛び込んで来た白い影を見て、智に覆い被さっていた源三は仰天して飛び退いた。
上半身を縄で縛られ、襦袢の裾をたくし上げられた智の姿はそこで何が行われようとしていたか一目瞭然である。松本の顔色が一気に変わり、その相眸は沸き上がる憤怒にメラメラと燃え上がった。
「貴様…!♭サトシに何をした?!♭」一閃の光の帯を引き、白刃が翻る。尻餅をついたまま、畳の上を後退る源三の着物がバッサリと二つに分かれ、白膨れた腹が露になった。「ギャァァァァ!!♭♭」
何処も斬られていないのに、まるで斬り捨てられたかの様な断末魔の悲鳴を上げて、源三は恐怖の余り失禁しながら気を失った。
「サトシ!♭大丈夫か?!♭」「じゅん…!♭」智を縛り付けていた縄を切り、刀を鞘に納めた松本は、そのまま智の傍らに膝をつくと、その華奢な身体を愛しげに抱き締めた。
「未だ無事か?酷い事…されてないか?」「少し…触られただけだ…」「そうか…良かった…」ふっくらとした小さな頬を両手で包み、松本は熱っぽく智を見つめた。その黒く輝く大きな瞳は少し潤んでいるように見える。
「じゅ…おれ…迷惑掛けて…ごめん…」「…謝らなくていい…お前は何も悪くない…」…自然と唇が触れ合った…。じゅん…。駄目だよ…そんなに優しくしないで……。
閉じられた智の睫毛の隙間から、一粒の涙が伝い落ちる。智が初めて経験した接吻は心臓が弾ける程に嬉しくて、胸が締め付けられる程に切なかった…。
「行くぞ…サトシ…。立てるか?」「うん…」労りながら智を立たせた松本は、縁側に置いてあった草履をその足に履かせると、智の両脇をふわりと抱えて庭先に下ろしてやった。
「サトシ、俺の側から決して離れるな…。未だ敵が潜んでいるかも知れん…」松本は智を背中に庇いながら、注意深く周囲を見回した。
廊下に昏倒する公丈を始め、庭のそこかしこで倒れている用心棒達を見た智はびっくりして松本を見上げ、「こいつら全員じゅんが…?♭」と聞いた。
「…怖がらなくていい、峰打ちだ。誰一人斬っちゃいない…」智に振り向いた松本がその頭をくしゃくしゃと撫でたその時である。
「五月蝿いゴミ共め。ゆっくりとレコードも聴いていられん」冷たい声で書斎からゆっくりと歩み出て来たのは主の嶺岡喜三郎だった。嶺岡は手に短筒を持っており、まるで動かぬ冷酷な表情をして智の背中に狙いを定めた。
「サトシ危ない!!♭」いち早く気づいた松本が智の背後へと咄嗟に回り込む。ドゥ!ドゥ!二発の銃声が夜の日本庭園に響き渡った。「アカーン!♭間に合えへんかった!♭」そこに駆けつけて来た横山が嶺岡の持つ短筒を弾き飛ばし、その腹をしたたかに打ち据えた。
嶺岡喜三郎がぐぅ…!♭と呻いて廊下に倒れ込む。だが、それと同時に松本もグラリと庭先に崩れ落ちたのだ。「じゅーーん!!♭♭」智が悲痛な悲鳴を上げ、倒れる松本を懸命に抱き止める。「じゅん…!♭じゅん…!♭しっかりして…!♭」だが、その呼び掛けに松本が応える事は無かった。
「そん…な……♭♭」松本を抱き抱えたまま、地面に座り込んだ智は茫然自失となり、虚ろに見開いた相眸からは止めどない涙がただポロポロと溢れ落ちて行った。
「智君…♭」無念そうに俯く横山の姿など、智にはもう見えていない。見えていないから当然後ろに立つ何者かの姿にも、その足音さえも全く気づいていなかった。
不意に塞がれた鼻と口。布に染み込まされているらしい薬品の様なツンとした匂いに、智はたちまち意識を薄れさせていった。
「智君ごめん…♭少しだけ眠っていて貰うよ…♭」智に薬品を嗅がせて眠らせたのは風間である。風間はこんこんと眠る智をそのまま抱き上げ嶺岡邸から出ると、表に停めた馬車の中にその身体を横たえさせた。「可哀想にこんなに泣いて…♭御前様も酷な事を考えるよな…♭」
風間は涙に濡れた智の頬をハンカチでそっと拭ってやると、御者台に腰を下ろし、手綱を繰(く)って紅薔薇楼へと走り去って行った。
この展開にショックを受けられた読者の皆様
先に言って置きます
潤君死んでいませんからね~~~~!!!/(*>□<*)\
何と言ってもわたくしの信条は潤智ラブ&ハッピーエンドでございますから、大ちゃんも潤君も絶対に死なないし、絶対不幸にもなりませんので、どうぞご安心してください
それにつけてもムキーー!♭←(いきなり何(蹴♭)我ながらどーしてこげに激ムズな挿し絵を描こうと思ったのか♭♭
キル・ビルな潤君をどうしても描きたくて始めたはいいですが、えっ?♭ちょっと待って?♭たすき掛けの着物の袖って?♭袴ってどう描くの?♭日本刀を持つ手の形が良ぅ分からん!♭etc.
で、ムキーー!♭っとなった訳でございます(;^_^下書きの段階では大丈夫だろうかと思った今回の挿し絵🖌️色を着けたらどうにか見られるブツになりましたf(^^;)私の実力ではこれが精一杯
お見苦しい点も多々あるかと思いますが、どうぞお許しくださいまし~🙏
