これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在の人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ下差し

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「友紀子さんが智君の異変に気付いたのは智君が十四歳の時。友紀子さんがお座敷に呼ばれ、置屋を留守にしていた時に限って訪ねて来る、智君より少し年長の学生さんがあったそうです。

友紀子さん以外の芸姑さん達はその学生さんを智君の友人だと思っていたので、特に気にも止めていなかったらしいのですが、友紀子さんは智君から地元の友達の話など聞いた事が無かったので不審に思い、どんな友達なのかと智君に尋ねたらしい。

すると智君は悪びれもせずにこう答えた。「友達?違うよ母ちゃん。あの子はオイラにたくさん小遣いをくれるお金持ちのボンなんだよ。母ちゃんばかりに苦労させないでオイラも稼がないとね」と…。

友紀子さんはその言葉に心臓が凍りつく様な思いだったそうです。まさかと思い「稼ぐって…?」と聞くと智君はあっさりと白状した。

「何かさ、あの子に犬みたく 交 尾 させてやるとすげー喜んでいっぱいお金をくれるんだよね。初めはちょっと痛かったけど、ヌルヌルするもんがやけにいっぱい出てくるからさ、わりと大丈夫みたい。

あの子が言うにはオイラみたいのは珍しいんだって。オイラとするとすげー気持ち良くなって天国に行けるみたいになるんだってさ。

オイラもお金がいっぱい貰えて嫌じゃないし、貰ったお金はちゃんと貯金して引き出しに入れてあるから母ちゃんが困った時は使っていいよ」と…。

その時の友紀子さんの気持ちがどんなであったか…きっと絶望的な思いだったに違いありません。友紀子さんがずっと苦しめられて来た春水船の身体が、よもや男の子である智君に遺伝しているなんて…。

友紀子さんは智君に、もう絶対にその学生さんと会ってはいけないと懸命に説得したそうです。置屋の他の芸姑さん達にもその学生さんが来たら追い返す様にきつく言い置いた。

だが、智君に会えなくなった事でその学生さんは物狂いの様になり、ある日首を吊って自殺した…。智君に纏わる男の狂気はそれが始まりです。

そんな恐ろしい事が友紀子さんが相葉家に輿入れするまでの一年ちょっとの間に何度も起きている。

友紀子さんが常日頃から気をつけていたので、殆ど未遂に終わったらしいが、智君は同級生や先輩。果ては学校の先生にまで執拗に付きまとわれた事があったらしい。

だから友紀子さんは恐れた。智君のせいではない。まるで甘い蜜に群がる蜜蜂の様に男の方が智君に寄って来てしまう。例え智君が拒絶しても、力ずくで押さえ込まれ、関係を持たれてしまうと、相手の男は確実に智君に狂う…。

百万人に一人と言われる春水船の身体です。だが、それが男の身体に備わっていれば、百万人どころではない。この世に二人と居ない奇跡の様な身体だ。

もしこのまま相葉家に留まったとして、友紀子さんに言い寄っていた公彦伯爵の様に、血縁者の誰かが智君に誘引されてしまったらどうなりますか?それがもし血の繋がらない義弟の雅紀様だったら…。

それを聞かされた側近の者がどうして友紀子さんを止められますか?外に出すしかなかったのです。友紀子さんの為にも、息子の智君の為にも…いいや、何より跡取りの雅紀様の為にね…。

そして友紀子さんは相葉家を出て行った。友紀子さんと智君を呼び戻そうとした雅紀様は 側近の者からその話を聞き、一旦は思いとどまったそうですが、風の噂に友紀子さんが亡くなられたと知り、雅紀様は再び智君を探し始めた。

智君の居心地が悪くならぬ様、智君の春水船の身体を何よりも活かせる事の出来る施設…。相葉家の所有する山を切り開き、土地を開拓し、亡き父上の悲願でもあった遊郭を…。それも男娼専用の遊郭、この『紅薔薇楼』を建設したのですよ」

櫻井の長い話が終わった。あまりの事に松本巡査長は暫く声が出せず、石の様に固まったまま動けなかった。

「で、では…この『紅薔薇楼』はもともと御前様の雅紀公爵が義兄のサトシの為に建てた施設だと…?♭そう言う事ですか…?♭」松本の質問に櫻井は静かに頷いて答えた。

「ええ、その通りです。だが、見方を変えれば智君に取っての『紅薔薇楼』は世界一贅を尽くした快適な牢獄とも言える…。御前様が再び智君を探し始めた時、智君はさる大衆演劇の舞台役者をしていたそうです。

ここの座長は夭逝した智君の父親の友人だそうでしてね。友紀子さんが胸を患って亡くなった後、天涯孤独になった智君を親切にも引き取って芸の道を熱心に教えてくれた恩人らしいが…。

さて、本当にただの親切心だったのかどうか…。御前様が智君を見つけて引き取りたいと申し出た時、座長は泣いて嫌がったと言いますから、あるいは智君に懸想(けそう)をしていたのではないでしょうか?

この座長のその後は分かりません。ただ、御前様は智君を引き取る為にかなりの金子(きんす)を用意したらしいですから、無事であればいいと思いますがね…。

御前様は仰います。「この『紅薔薇楼』は江戸時代の吉原と同じ。この中でなら何が起きても治外法権であり、警察の介入は出来ません。その様に手は打ってあるのです」とね…。こちらに話を聞きに行くと貴方が言った時、そちらの部長さんは狼狽しませんでしたか?」

櫻井に聞かれ、松本は『紅薔薇楼』に聞き込みに行くと聞いた時の、今朝の部長の焦り様を俄に思い出した。「ええ、確かに慌てておられましたね。何度も私に「本当に行くのか?」と確認されましたから…」

「でしょうね」櫻井はちょっと微笑って言った。「櫻井敦盛(さくらいあつもり)。私の父で、帝国大学理事長。かつて相葉雅暁公爵の側近だった男です。

先ほどの話は全て父から聞かされた物ですよ。お宅の刑事部長さんは父の弟なんです。あの人は都築財閥のご令嬢と結婚しましたので名字は変わりましたけどね」

「ええっ?!♭」松本と知念巡査が同時に声を上げた。「うちの部長って婿養子だったんですか?!♭巡査長!♭」危うく焼き菓子を喉に詰まらせそうになった知念巡査が一気に紅茶を飲み干して目をぱちくりさせた。

「ちょっと待って下さい櫻井さん♭帝国大学理事長のご子息がどうしてここに?♭」松本の疑問は尤もである。櫻井は松本の驚愕を先読みして、少し不敵な笑みを浮かべた。

「無論自分から志願してここにいるのですよ。幸い私はピアノが弾けますのでね。良く舞台には上がらせて頂いています。この『紅薔薇楼』が出来てすぐに入りましたからここではかなりの古株です。

以前の父が雅暁公爵の側近だった様に、私も父の役目を引き継ぎ、今の御前様にお仕えしています。だからここに居る。御前様からはなるだけ智君から目を離さぬ様にと仰せつかっておりますのでね。

ですが、智君はいささか私の手に余る。うちでは三十路を過ぎたら基本的に男の客は取りません。ですから三十一歳の私より、一つ歳上である三十二歳の智君はもう男の客を取る必要はないんです。

ですが、智君は勝手にお客を取ってしまう。舞台役者の父親と芸姑の母親。智君にはご両親の芸術的な才能がそっくり受け継がれていますから、舞台に上がらせると天下一品です。

芸の才だけでも充分にお客様をもてなせる力があるのにあの人は簡単に男と寝てしまう。儲かるんだからいいじゃないかと悪びれる様子もない。

私の側近に会計係をしている二宮と言う者がいるのですが、彼などは智君の春水船の身体を大いに有効利用し、私の目を盗んでは筋のいい客を智君にこっそりとあてがったりしている様ですしね。

御前様も困ったものだと眉を寄せながらも智君の身持ちの悪さは半ば黙認している様な状態です。

まあ、ここでなら例え智君に誘引された男がいても商売柄、大した問題にはならないと御前様も考えられたのでしょうが、斑目少尉や鳥飼子爵の様な例もある訳ですから…。やはりもう少し見張りの目を厳しくした方が…」

櫻井は暫くの間沈黙し、松本巡査長の顔をじっと見つめていたが、やがて何かを思い付いた様に、「そうか…。ここが吉原と同じなら中に番所を置けばいいんだ…」と呟いた。

「松本さん。江戸時代の吉原遊郭には治安の維持の為に中に現在の駐在所、詰まり番所を置いてあったんですよ。中で起こる事は外に出さずに中で解決する。

その為に常駐する吉原遊郭専用の同心がいたんです。吉原で何か問題が起きた時はその同心が男衆と共に問題を解決した…。この『紅薔薇楼』にも専用の駐在所を置くべきだ。

どうでしょう?松本さん、知念さん、貴方達がこの『紅薔薇楼』専門の常駐警察官として勤務して頂く訳にはいきませんか?

毎日でなくても構いません。例えば交替制で週に二日づつ程で如何でしょう?日給で参円伍拾銭…いや、思いきって伍円お支払い致しますが…」

「ご、伍えぇぇぇぇん?!♭♭」知念巡査が飛び上がる。

(大正時代の通貨は米相場によって変動していて、現在の通貨で換算すると、約3300倍から5000倍位になるそうなので、このお話では間を取って4000倍と致します。1日5円は今だと1日約2万円位ですから、かなりの高給バイトですよね~♪)

「じ、じ、じ、巡査長~!♭これは破格の厚待遇ですよっ!♭僕の月給四拾伍円(約18万)ですから全っ然違います!♭♭巡査長の月給は幾らなんですか?!♭」「落ち着け♭知念君♭俺だって七拾円位(約28万)だ♭」「えぇっ?!♭巡査長そんな貰ってんですか?!♭ずるい!!♭」

破格の日給に大騒ぎする知念巡査を櫻井はクスクスと微笑って見ている。そんな時、支配人室の扉が勢い良く叩かれ、大層明るい調子で一人の可愛らしい顔立ちの青年がバタバタと入室して来た。

「流石は智さんですねぇ支配人♪さっきも石楠花の間で一稼ぎしてくれましたよ♪あの苦み走った中尊寺男爵がすっかり腑抜けてメロメロです♪一発何と参百円!♪」

青年はやや甲高い声でまくし立て、札の束を嬉しそうに櫻井に示し、「いつもの様に金庫に入れて置きますね♪」と、言ってから、「ささ…♭参百円?!!♭♭」と腰を抜かす知念巡査と困惑する松本に目を向けると、「いらっしゃいませ~♪二宮と申します」と頭を下げて、茶目っ気たっぷりに片目を瞑って見せた。




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今回も長い前振りでしたね~f(^^;)やっと次回には智君が登場しますニコニコ未だペン入れだけの状態ですが(駄目じゃんアセアセ)挿し絵がいささかエロいので(´▽`;)ゞ限定にすると思いますタラー

今回の挿し絵はお金大好きキャラのニノみぃ札束可愛くてちょっと狡い子ってイメージで書いて行こうと思いますφ(..)

次のお話から段々に潤智ストーリーらしい展開になっていくと思いますので、どうぞよろしくお願いいたしますo(^o^)o