これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ下差し

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その日の撮影が終わってから、潤と智は早速行動を開始した。野副亜久里(のぞえあぐり)。『鬼神同盟』のリーダーである崎山航が現在成り代わっているWebデザイナーだ。この男の動向、及びメンバーとの接触や友人関係を調査するのが潤と智の任務だった。

だが、智は人気俳優である。そのままでは顔バレしてしまうので、変装をする必要があった。以前解決したロックミュージシャンの事件の時、智は女装した形で初めてエスとして、『FIVE STORM』のメンバーの前に姿を現したが、どうやら智はエスとして活動する際、女装する事が割りと多いらしい。

なんでも女装するのが1番正体がバレ難く、仕事がし易いのだそうだ。「えっ?♭じゃあニノがあの時イベント会場で流したVIPルームの映像って智が撮影したのか?♭」

目的地に行くまでの車内でその事を聞いた潤は、ただでさえ大きな眼をさらに丸くして助手席の智を見た。運転中なのでそれはほんの一瞬だったが、結構な衝撃の強さで潤を動揺させた。

「んふふ♪そうだよ。サトコとして連中に接触してね、女性問題でやらかしまくってた連中だから、めっちゃあっさり引っ掛かったよ。胸はパット満タンの偽物だけど、ケツは俺のだからさ、揉まれたり撫で回されたりして気持ち悪かったけど、あいつら俺が男だなんて最後まで気づかなかった。

しかもクスリでハイだったから後で現場で接触してもボーカルのやつ気づかなかったでしょ?化粧の仕方も変えてたし、女装ってすげー便利なツールなんだよね。

ほら、ウチのチームって男の犯罪者に対応するハニトラ役っていないじゃんか?そ~言うのは今までもずっとエスの俺が女装してやってた仕事なの。女の子を口説くのは潤みたく上手くないけど、男は楽だよ。

ナンパなんてしてくるやつはたいていヤる事しか考えてねぇからさ、気のある素振りを見せてやったら鼻息荒くしてソッコーで釣れるんだよね♪ま、実際ヤっちゃったらさすがにバレバレだけど、股 間 さえガードしてたら他の場所は触られてもあんまバレないよ」

何だか単純に感心出来ない話である♭確かに今まで『FIVE STORM』が扱ってきた仕事の中には女がいないと確実に引っ張れないだろうと思われる証拠や情報がかなりあった。あれが全部エスとしての智の仕事だったかと思うと、潤としては穏やかではいられない。

潤自身も何度か女の犯罪者相手にハニー・トラップを仕掛けていたので、智の事を責められないが、大事な智が男の犯罪者にケツを撫で回されていたのかと思うと、あのロックミュージシャン連中を、もっとボコボコにしてやったら良かったと今更ながらに腹が立つ潤であった。

「でもさ、今回は潤とカップルを装う仕事だから、俺嬉しいよ♪女装すんのって面倒臭いし、ヒールで足は痛くなるしでちょっとキツイけど、潤が一緒なら楽しそうだよね♪」

そんな可愛い事を言う智に、潤の強ばった顔がたちまち柔和になる。潤の運転する4WDはYOKO―Bay city のインターナショナルアベニューに到着した。

立体駐車場に4WDを停め、2人は仲良く通りを歩いて行く。ここは国際的なYOKO― Bay cityに於いても、最も日本人が少ない繁華街で、まるでニューヨークのストリートを模した様な、華やいだ雰囲気に満ち溢れていた。

白人、黒人、ラテン系、行き交う人々も実に多種多彩で智の顔バレも少ないので、2人には比較的歩きやすい街でもあった。そんなインターナショナルアベニューで、2人が向かったのは、智が女装して任務に当たる時に必ず訪れると言うヘアサロンである。

ブティックやクラブ、飲食店が多い『ミタゾノビル』なる雑居ビルのオーナーが運営しているそのヘアサロンは、元、警視庁のキャリア組だった三田園薫(みたぞのかおる)がそれまで稼いだ資金を注ぎ込んで買い取った場所で、JMI御用達のヘアサロンだった。

何せスーツが嫌で警視庁キャリアを辞めたと言う変わり種である。JMIの任務についても理解している三田園だけに、潜入捜査の際に変装の必要がある時は皆このサロンを訪れ、別人に変身するサポートをして貰っている。

「ミタゾノさんこんばんは~♪」潤を伴い、サロンを訪れた智を、店長のミタゾノは穏やかな笑顔で迎え入れた。「いらっしゃいませ。大野君は今日もほんわかしていますわね」赤ちゃんみたいな無邪気な顔で、ミタゾノに抱きつく智の頭を優しく撫で撫でしながら、ミタゾノは潤に視線を向けて「あら?」と言った。

潤は暫く唖然としてミタゾノを見つめていた。かなり大柄な女性である。いや、女性…?なのか…?♭綺麗にメイクアップしたやや面長の顔に丸い眼鏡を掛け、詰め襟の白いレースのブラウスを身に付けている。

栗色のセミロングヘアは弛くウェーブが掛かり、黒いスカートも膝丈程で全体的にとても上品な印象があった。少し低めの声ではあるが、言葉使いはまるで教科書の様に美しく、サロンのオーナーと言うよりは学校の女教師の様に見える。

「は、初めましてミタゾノ…さん?俺は松本と言います。ここにいるさと…大野とは同僚でして、同じ部署に所属しています。どうぞよろしく」ミタゾノと握手を交わし、丁寧に自己紹介した潤は、

「ミタゾノです。松本さん、どうぞお見知りおき下さいませ」と返すミタゾノの、眼鏡の奥の、ただ者では無さそうな瞳の輝きにちょっと緊張した。

「そんなに固くなられる必要はありませんわ。わたくしもあなた方と同僚みたいなものですから…。JMIのお仕事ですね?どのようになさいます?」「俺はギャル♪潤はねぇ、ちょっとコワモテのチンピラっぽい感じ♪今からクラブに行って捜査すんの♪」

潤が答える前に智が張り切って変装メニューを注文する。基本的に無表情な感じのするミタゾノだが、智の事は可愛いと思っているのか、即座に穏やかな顔つきになった。

「あらあら、クラブだなんて大変ですわね。おかしな酔っぱらいに大野君が口説かれたりしない様に、松本さんには頑張って頂かないとなりませんわね。お代はいつもの様に『CRESET-co.』宛で宜しいですね?」

言いながらミタゾノは智を伴い、奥にあるメイクアップルームに連れて行く。「さぁ、今日はどんな可愛いギャルに仕上げましょうか?」メイクアップルームのカーテンがサッと引かれた。

潤は一抹の不安を覚えながらも、自分の番が来るまで、サロンにしつらえたソファーに座り、雑誌を読んでいた。やがて小一時間程過ぎた頃、メイクアップルームのカーテンが開けられ、ものの見事にギャルに変身した智がカーテンの向こうから飛び出して来た。

胸にショッキングピンクの英文字が刺繍された、ややダボッとしたサイズの黒いニットのパーカーに、スゥエードのホットパンツ。膝まであるロングブーツを履いて、縦巻きに弛く巻かれた茶色のロングヘアのウィッグを着けている。

ニットパーカーは襟ぐりが大きく開いているので、肩がむき出しになり、ショッキングピンクのキャミソールの紐がセクシーに覗いていた。

喉仏を隠す為か、首にはフワッと横巻きに、黒いリボン風のスカーフが巻かれており、アイメイクもバッチリ決まって、グロスたっぷりのプルプルした薄紅色の口紅も、ほんのりピンクのチークも、どこから見てもギャルそのものだった。

「マジかよ…♭お前すげぇなあ~♭オス要素皆無じゃね~か♭っつ~かマジ可愛いし…♭」女装した智にうっかり見とれた潤は、手招きするミタゾノに呼ばれ、おっかなびっくりメイクアップルームに入って行った。

こうして敏腕メイクアップアーティスト、ミタゾノの手により、すっかり変身した潤と智は意気揚々と捜査に向かうのであった。


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「確か、ニノの情報だと、野副亜久里には行き付けのクラブがあるんだったよな?どうやら『鬼神同盟』のメンバーもそのクラブには出入りしているらしい。怪しまれないように上手くやんなきゃな」

スマホのナビとにらめっこしつつ、潤は傍らの智を見て愛しげに微笑んだ。だが、そんな愛のある微笑みも、今の潤だと何処かニヒルに映る。オールバックの黒髪にゴツめの黒いサングラス。

黒地にシルバーのピンストライプが入ったスーツの中は、シルクサテンの派手な紫色のシャツと白地に黒い和柄模様の入ったネクタイを締め、明らかにカタギでは無さそうな雰囲気を全身から発散させていた。

見た目、若いヤクザの幹部とギャル彼女みたいで、いかにもクラブに出入りしていそうなムードである。「それにしてもお前ホント可愛いわ~♪俺のオンナって感じするぜ智♪いやサトコだな♪」

智ならぬサトコの腰を、グッと引き寄せて頬を寄せる潤に、サトコははにかみながら、いとも愛らしい笑顔を向けた。「潤も超絶カッコいいよ♪」

少し高めのトーンで話すサトコは、さすが俳優だけあって不自然な感じが全くしない。成る程ねぇ~♪これじゃ男が容易く釣れる筈だわ…♪潤はつくづく感心して、智のエスとしての実力の高さを改めて感じ取っていた。

野副亜久里が行き付けのクラブは、『シーサイド・アリー』の中心部にあった。「ニノは未だ仕事中かなぁ」ここの何処かにあるマジックバーで潜入捜査している筈のニノを気遣い、サトコが、申し訳無さそうに言った。

「何かあたし達だけ遊んでいるみたいで悪いわね」「ま、ある意味これも仕事だけどな♪」クラブのドアをくぐった途端、ものすごい爆音のダンスミュージックが耳に飛び込んで来る。

若い男女もいれば仕事帰りのサラリーマンや、OLらしき女性も、中にはちらほら外国人の姿も目に入り、このクラブが大層繁盛しているらしい事を物語っていた。

潤とサトコは恋人繋ぎでカウンターの方まで行くと、「おっ?新顔だね?」とサトコを見て顔を綻ばせるバーテンに、ウイスキーベースのカクテルを注文した。

「イカした彼氏連れてんね?♪君の名前は?♪」「サトコ♪この人はジュン♪あたしのいっちばぁ~ん好きな人だよ♪カッコいいでしょ♪」「確かに♪」バーテンはサトコとジュンの前にカクテルを置きながら「またいつでもおいで♪サトコちゃん♪」とキザなウインクを投げ掛けた。

本当にビックリするほどすぐ釣れる…♪ジュンは少し可笑しくなって、釣り名人なサトコの肩を小粋に抱き寄せた。その手慣れた様子は未だ24歳の若さにも関わらず、何処か大物めいた風格がある。

「なぁ、サトコ。『鬼神同盟』のメンバーの顔覚えてる?」いかにもイチャつく感じでジュンはサトコの耳元に唇を寄せ、ひそひそ声で囁いた。「うん覚えてる♪見つけたら合図するね…♪」サトコもジュンの耳元に唇を寄せ、密やかに囁いた。

カウンターの隅で寄り添い、時折囁き合いながら、2人は店内を見渡し、踊ったり、騒いだりする客の様子を忙しく監察している。すると、見覚えのある顔が店を訪れて来た。

「…ジュン…あれ…」「…ああ間違いないな…。本部のマルチ画面で見た顔だ…。あれは確か…」

「6年前のカップル襲撃強盗殺人事件…。犯人は16歳の高校生2人。殺害されたのは医学生の21歳の青年と看護学校生の女性19歳。彼氏はナイフでメッタ刺し、彼女の方は暴行されて絞殺。

どちらも財布が盗まれていた。クズにありがちの誰でも良かったって理由で…。犯人の名前は加賀亮介、そして徳山慎一。刑期は少年刑務所で懲役4年。

あいつら、成人式にはちゃっかり出席していたよ。殺された女の子は成人式に出られなかったのにね…」さすがの記憶力で、現在22歳となった元犯人達を憎らしそうに睨みつつ、サトコは呟いた。

そこに姿を現したのは野副亜久里だ。野副は店内を軽く見渡し、加賀と徳山の姿を見つけると2人に近づき、そのまま店外へと連れ出した。「…サトコ…」「うん、尾けてみよう」会計を済ませ、クラブを出たジュンとサトコは前方を歩く3人に気づかれないよう、付かず離れずの距離を保ちつつ、後を尾け始めた。

3人は『シーサイドアリー』の繁華街を抜け、今は誰もいない海浜サンポート公園の中に入っていく。大正時代のガス灯を模したお洒落な明かりが、公園の花壇や遊具、人工芝のドッグランなどをぼんやりと物寂しく照らしていた。

ジュンとサトコは3人から丁度死角になる辺りの銀杏の大木の影に潜み、じっと様子を伺っている。ジュンのサングラスには小型の暗視カメラが仕込まれており、ジャングルジムの近くにいる3人の姿をしっかりと撮影していた。

辺りに誰もいないと思ったのか、野副亜久里が後の2人に静かな、だが、鋭く尖った声音で言う。

「お前達は何をやっている?決行日は1週間後だ。クラブで浮かれている場合じゃないだろう?他の奴らは遊びも控えめに武器を調達したり、道具を揃えたり、準備に余念がないと言うのに…。

お前達のたるんだ態度をボスが知ったら処刑場行きにされるぞ。実際、飛島(とびしま)と中野(なかの)の2人は仲間に入れた途端にまた女を襲って問題を起こした為に処刑され、東京湾に沈められたんだ。これ以上仲間が減ると困る。あまりチョロチョロ動き回るな」

ボスだって…?♭サトコとジュンはハッとして顔を見合わせた。彼等の背後に『鬼神同盟』を操っている黒幕がいる…?♭野副が言った飛島と中野と言うのは、ポメラニアンの奥さんが見かけたと言う、女性誘拐、監禁、殺人事件の犯人達である。

どうやら再び女性を襲おうとしたらしい。反省の色など微塵もない2人には同情する気も起こらないが、ちょっとしたルール違反にも容赦せず、簡単に仲間を殺害するボスなる人物の冷酷非情さにもゾッとする。

「す、すみませんアニキ…♭すぐアジトに戻りますんで、ボスにはどうかご内密に…♭」加賀がのっぺりしたうらなり顔を青くして頭を下げる。徳山は無精髭を生やした四角い顎を片手で触って少し不満げに「すいません…♭」と言った。

「気に入らなそうだな徳山…」野副が声を低くして脅しをかける。「お前が嫌うのは勝手だが、ボスは怒らせない方がいいぞ。

それよりも毒ガスだ。俺の祖父の残した製法では点火しやすくて銃器の類いは使えないからな。少しアレンジを加えてやった。新しい毒ガスなら、近くに火があっても燃える事はない。

何せアミューズメントパークのオープンイベントだ、花火が打ち上がる可能性もあるしな。米村(よねむら)と島谷(しまたに)をイベントスタッフとして潜らせちゃいるが、ボスの狙いはあくまでも東山大臣だと言うことを忘れるな。

例え招待客を100人殺したとしても東山大臣が死んでくれないと失敗と見なされ、俺達はボス直轄の機関の連中に皆殺しにされるんだ。ぬかるんじゃないぞ」

野副がそこまで言った時、ジュンとサトコが潜む銀杏の影から一羽のカラスがバサバサと飛び立った。マズイ!♭野副の「誰だ?!♭」と言う声と同時に、ジュンは咄嗟に傍らのサトコを銀杏の後ろに押し倒した。

「じ…」言い掛ける唇をキスで塞ぎ、サングラスを外したジュンはそのままサトコの首筋に唇を滑らせる。「んんっ…」 艶 かしく 身 悶 えたサトコはすぐにジュンの意図に気づき、ジュンの背中に両手を回すと、ホットパンツの 太 腿 をその腰に絡めた。

「フフン…あんな所でお熱くヤっていやがる…あれじゃ話を聞く暇もないな…」野副が馬鹿にしたように嘲笑する。加賀は「うらやましい…」と小さく呟き、徳山は「結構いい女っぽいぜ…たまらねぇ太腿してやがる…」と生唾を飲み込んだ。

3人はサトコとジュンをそのままに、そそくさと公園から立ち去って行き、サトコとジュンは抱き合ったまま、ホーっと大きなため息をついた。

「今ヤバかったな智♭もうちょっとで3人まとめてぶちのめすトコだったぜ♭」「ホント♭でも今ヤっちやったらこっちの計画台無しだもんねぇ♭あいつらがやり過ごしてくれて良かった♭」

サトコを起こしてやったジュンは、茶色のウィッグにくっついた草っ端を取り除けてやりながら、「女装したお前とヤんのもいいもんだな♪結構コーフンするぜ♪」などと言って、ニンマリした。

ジュンが外して放り出したサングラスから、「お二人さん、聞こえてるよ~♭さっさと本部に戻って~♭」とぼやく櫻井の声が聞こえる。ジュンが眉を吊り上げてサングラスを睨み、サトコは「翔くんってムッツリだよね♪」とクスクス微笑った。

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いよいよテロ組織の計画の全貌が見えて来ましたニヤリそれにしてもまさかミタゾノさんが登場するとは…ゲラゲラ

いえね、潤智の活躍をどう描いて行こうかと思案していたら、何故だか急に『嵐にしやがれ』のギャルサトコちゃんを思い出しましてf(^^;)面白いかもと書きましたピンク音符

で、女装つながりと言う事でミタゾノさんにも出演して頂いた次第でございます(*^▽^*)影の黒幕については現在誰にしようかと考え中です♪どうやら東山さんは大臣みたいですしウインク

そろそろ色々とまとめて行かなくてはなりませんのぅアセアセ