これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ下差し

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JMI YOKO―Bay city本部。無人のコンピュータールームでは、AIが日本国内で発生した凶悪犯罪をリサーチし、それに伴って未来に起こり得るであろう凶悪犯罪事件を予測するシステムが常に機動している。

『未来予想クライム』と言うそのシステムはこれまでにも数々の凶悪犯罪を予測し、事件が大きくなる前に全国のJMIチームによって未然に防がれて来た。

そして冬の寒さも終わり、桜の花がそろそろ開花し始める頃、この『未来予想クライム』がコンピュータールームをチェックする櫻井の目に、近々に起こりうるであろうとあるテロ事件を予測し、そのデーターを本部のマルチ画面に映し出した。

櫻井は直ちに『FIVE STORM』のメンバーに召集指令を出し、本部では緊急の作戦会議が行われていた。

「『鬼神同盟』?またえらく時代錯誤な名前だなぁ♭」目にも止まらぬ高速のタイピングで、データーを解析しながら鼻で笑うニノに、相葉ちゃんが「何か昔懐かしの暴走族みたいだね♪」と明るく言った。

「だけどさぁ、班長。この『鬼神同盟』って連中。メンバーが何人なのか、どんな連中なのか、未だ全然分かってないんだろ?♭そんな奴らの事、どうやって調べんだよ?♭『未来予想クライム』ってのもあんま使えねぇなぁ♭」

潤が不機嫌そうにブツブツと文句を垂れる。実は恋人の智がオフだったので、今日は2人でデートに行こうと予定していたのだ。どうやら智ラブの櫻井が、智のスケジュールを知ってわざと邪魔したんじゃないかと勘繰っているらしい。

だが当の智は皆と一緒に会議出来るのが嬉しいのか、潤の隣にピットリと寄り添って、ニコニコと無垢な笑顔を浮かべ、おっとりとした口調で「せめて『鬼神同盟』のメンバーに共通点でもあればねぇ」と言った。

櫻井が「さすがは智君♪目の付け所がいい♪」と満面の笑みで相づちを打ち、眼鏡のフレームを指先でちょっと持ち上げた。潤がケッと言って下唇をつき出している。

智が『FIVE STORM』の正式なメンバーに加わった事で、チームの機動力は格段に上がったが、班長の櫻井を始め、ニノも相葉ちゃんもすっかり智が大好きになり、みんなして智の事を甘やかすので、2人っきりでいられる時間が少なくなってしまったのだ。

智を独り占めしたい潤にしてみれば、それだけが悩みの種である。なので、任務を遂行している時以外はなるだけ智を自分の側に置いて置こうと、ラブラブモード全開で常にくっついている。結果潤が誰よりも智を溺愛し、甘やかしまくっていた。

「確かに『鬼神同盟』についての詳細は未だ判明していないが、『未来予想クライムは』過去20年に遡り、1つの可能性を導き出した。未成年者犯罪だ。

『少年法』によって僅か数年で少年鑑別所を出所した凶悪な少年達が、ここ数年の間に15人も行方不明になっている。もしかしたらそんな行方不明の元少年犯罪者達と『鬼神同盟』は何らかの関係があるかも知れないんだ」

「はいよショウ隊長。データー解析終了」どうやらニノは『未来予想クライム』が導き出した『鬼神同盟』と少年犯罪者の関係性について、詳細なデーターを解析していたらしい。コンピュータールームのマルチ画面には解析されたデーターの内容が大きく映し出されていた。

「これは…♭」相葉ちゃんが息を飲む。櫻井がウウムと唸って目を凝らした。「こうして見ると良く分かるな♭どれも過去20年間に起こった少年犯罪でも特に凶悪な事件ばかりだ…♭」

「このオヤジ狩り事件なんて俺も良く覚えてる。犯人は14歳2名と15歳1名の中学生3人だよな?確か10年前位の事件だったと思うけど、犯人が俺と同世代だったからえらく衝撃的だった」画面を指差してニノが話し始めた。

「初めは良くある小遣い稼ぎの犯行だって思われてたらしいけど、実は違った。犯人達はわざわざ弱そうなオッサンに目星を付けて面白半分で暴力を奮っていた。金を奪ったのはついでみたいなもんでね。

あのオヤジ狩り事件では3人のサラリーマンが死に、5人は重症。重症者の中の2人は今でも植物状態だと。こいつら取り調べで、悪びれもせずぬけぬけとほざいたらしいよ。

俺達みたいなガキに殴られたり蹴られたりして、大人の男が惨めったらしく泣きながら死んで行くのが楽しくて仕方がなかったんだってね。なのに、判決は未成年者である事が考慮されて、懲役はたったの6年だった…全く胸糞が悪くなって来るよな♭」

話していて気分が悪くなったのか、ニノは心底嫌そうな顔つきをして「ふざけやがって…♭」と吐き捨てた。

「ああ全くだ♭少年法ってのは実に厄介な法律でね。あの頃は未だJMIも無かったから、被害者遺族の感情なんてのは完全に蚊帳の外さ。未成年者ってだけで更正の可能性が考慮される。

だが、俺の経験上、面白半分で人を殺す様な凶悪犯罪を犯す未成年者で、ちゃんと更正出来るのは僅か一握りだ。そんな奴は大人になってもクズのまんま。

下手すりゃ少年法を逆手に取って、未だ未成年だから大した罪にはならないと髙をくくり、十代の内に悪い事をやり尽くそうなんて考えてる様な、どうしようもない輩もいる。だが、我々警察も手をこまねいていた訳じゃない。だからJMIが設立されたんだ」

櫻井の言い分は少し言い訳めいていたが、その気持ちはここにいる全員が良く理解出来た。法が加害者側に有効に働いた場合、それは時折理不尽な裁決となる場合がある。「未成年者だから」「初犯だから」「1人しか殺害していないから」「精神病者だから」等々。

例え未成年者でも、殺害されたのが1人でも、その犯罪の内容によっては酸鼻を極める程に惨たらしく、残忍な場合があるのだ。それを一括りにして、罪が軽減されたのでは、被害者遺族はたまらないであろう。

そこを考慮して作られたのがJMIなのだから、警視庁上層部の思いきった決断はある意味犯罪加害者と犯罪被害者の間のバランスを上手く調節出来ているのかも知れない。

「それにしても、ここに出ている事件はどれもこれも酷い物ばかりだなぁ♭『誰でもいい』なんてとんでもない理由で凶悪犯罪を犯し、しかもその殆どが未成年者ってだけで罪が軽減されてる♭

しかも全員がすでに保釈済みだよ♭まさかと思うけど、ここに名前が出ている未成年犯罪者って全員行方不明なの?♭」相葉ちゃんがニノに聞いた。

「どうもそうらしいよ♭こんな獣みたいな連中が野放しってどう考えても怖すぎるだろう?♭『未来予想クライム』はこの行方不明になっている元未成年凶悪犯罪者達が大人になってから『鬼神同盟』を組織し、

水面下で何か恐ろしい事件を計画していると推察している。これを見て」ニノがエンターキィをクリックし、また別のデーターをマルチ画面に映し出した。

「これは今SNSで拡散されまくってる。『鬼神同盟』と名乗る組織の犯行声明と思われる動画だ。何百もの海外のサーバーを経由して色んな裏サイトなんかにアップされている。ま、だからっつって俺の敵じゃないけどな」

得意げに胸を張るニノが示す映像には、一昔前のホラー映画に出てくる様な、黒づくめのホッケーマスク姿の男が、変声機を使った薄気味の悪い声音で、予言めいた奇怪な言葉を偉そうに話している様子が映っていた。

『我々は鬼神同盟だ。この世界を破壊する為に地獄から蘇って来た。この国には弱くて、くだらない人間が多過ぎる。我々はそんなくだらない人間共を全て抹殺し、我々の様な強く、賢い、選ばれし者達だけでこの国を再構築したいと考えている。

愚かな人間共よ。お前達にもう用はない。今こそ暗黒の力でこの世を支配し、本物の王者とは誰なのか思い知らせてやる。音と光と花吹雪に満ちた新しき場所の、異形の人形達が狂った様に舞い踊るいかれた祭典で、人間共は己の愚かさを後悔する事になるだろう』

最後にカメラに向かって指差す辺りなど、まるで戦隊ヒーロー番組に登場する、悪役のラスボスみたいで妙に芝居がかっており、何だか子供じみていた。

「お前の敵じゃねぇなら当然こいつの出所(でどころ)を突き止めたんだろうな?ニノ。この映像は何処から発信されてたんだ?」潤がさも当たり前の様に尋ねる。智が「潤、だめだよそんなに先回りして問い詰めちゃ」と穏やかに言った。

「大野さん優しい♪どっかのトゲトゲ大魔人とはえらい違いだ♪」「あん?そりゃ俺の事か?♭」「もう潤ってば♭とりあえずニノの話し聞かない?」デートの恨みは恐ろしい。ムッツリ潤を側で智がフォローしていて、相葉ちゃんの苦笑を誘っていた。

「突き止めたに決まってんじゃん♭俺を誰だと思ってんのよ♭この映像が撮影されたのはこのYOKO―Bay cityの海浜工業地帯の半径1キロメートル付近。恐らくは何らかの施設的な場所だね。

この映像の隅っこに写り込んでいる窓だけど、拡大したら、常夜灯と案内板みたいのが微かに見えるだろ?さすがに小さ過ぎてこれ以上鮮明化は出来なかったけど、今でもちゃんと運営している施設だと思うよ」

「OKニノ、流石だな♪」櫻井は満足そうに親指を立てて、『FIVE STORM』のメンバー、一人一人に視線を移すと、また眼鏡のフレームを指先で押し上げた。癖らしい。

「では、みんなの役割分担を言う。それぞれが聞き込みをして、随時報告して欲しい。海浜工業地帯から半径1キロの施設だ。この犯行声明がイタズラではないのなら、このジェイソン野郎の言うとおり、何らかのイベントで『鬼神同盟』がテロを起こす危険がある。『FIVE STORM』活動開始だ」

櫻井の合図で、メンバーは一斉に「了解!」と声を上げた。

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またまた始まりました『Bad★boy』第二章♪今度の敵はテロリストですびっくり私の事ですから今度もきっとご都合主義にお話は進んで行く事と思います(´▽`;)ゞ

ハードなアクションストーリーに潤智の甘~いLOVEもちょくちょく挟みつつ、またやって行きたいと思っていますので、第二章もどうぞ宜しくお願い致しますm(__)m