術後の体力が安定してきたので、数日遡ってブログを書いています
1月26日。ついに手術の日がきた。
今回受ける「広汎子宮全摘出術」がどんな手術なのかについては前のブログを読んでね。
子宮や卵巣ともこれでお別れだというのに、あまりに入院準備バタバタしすぎて、マイ子宮と卵巣にお別れを言い忘れたわ
マイ子宮や卵巣よ、いままで生理や排卵、ほんとうにおつかれさまでした
さて、今回の手術にそなえて、事前にいろんな準備がありました。
2週間前くらいに歯の検査やお薬制限の説明を受けたり、全身麻酔のやり方などについての動画を見せられたり。
あとは、手術が受けられなくなっては大変なので、前の週からはできるだけ外出を減らして、コロナ対策をして過ごしてた。
そうしてついにこの日をむかえたけど、あいかわらず実感がない
手術室に行く直前に、付き添いとして来てくれた母にチラッと会えたよ。
ほんとは長く話したかったけど、コロナ禍の制限で、家族には貴重品入れの鍵をわたす一瞬しか話せないんです、と看護師に厳しく言われて
母に手を振って別れ、わたしはそこから看護師と一緒に手術室に向かい、手術室に入って台にのって、あれこれ準備が始まって。
いよいよ手術するのか...という実感がわいて緊張してきた瞬間
そこからプツっと記憶が途絶えて。
ハッと目が覚めたら手術が終わっていた
わたしにとっては一瞬だったけど、実際の手術は7時間半に及び、途中で輸血もしたらしい。
輸血はしない確率のが高いと聞いていたけど、けっこう出血もしたようで。
たいへんな大手術、先生本当にありがとうございました
母は取れた腫瘍も見せてもらったとのことで、「大きくて驚いた」と言ってた。
4センチ超えの腫瘍が完全に子宮の入り口を塞いでいたそうな。
わたしも検査の時には撮影した腫瘍を見せてもらったけど、ヤツ、本当に悪魔みたいな見た目だったしな...
ヤツがもうわたしのなかから消えていると思うと、それだけですごくうれしい。
ちなみに子宮も卵巣も卵管も取ったというのに、その感覚はまったくない。
下腹部あたりが軽くなった感じするのかな違和感あるのかしら
とか想像してたけど、まったくないの。
しかしそれもそのはず、子宮や卵巣の重さを調べたら
子宮は40〜50g
卵巣は5〜6g
って...軽っ感覚あるはずないわね
さて、麻酔から覚めたときのはなしに戻るのですが...
バチっと目が覚めた直後は
ここはどこ?わたしはだれ?
の、眠り姫状態。 しかしその5秒後には
ここは手術室。わたしはサーニャ....
はっ!わたし手術してたんだった!え!? 秒で終わった!?(実際は7じかん)
と気づいたそのとき
猛烈な悪寒がぶわーーーーーーっっっと押し寄せてきて
そこからはこれまで経験したことのない寒気
たとえるならば北極に裸で放り投げられたかのような(北極行ったことないけどね)
そのくらいの寒さで
歯が超高速メトロノームのようにカチカチカチカチ鳴り始めて、コントロール不能。
この寒気は麻酔の影響でよくあることらしい。(個人差もあるみたい)
電気毛布であたためれば戻るから大丈夫ですよと言われながらも、そこから温かさを取り戻すまでがほんとうにほんとうに辛かった...
さらには喉がめちゃくちゃ痛くなってて、これも麻酔中、喉に管を通した影響みたい。
お腹の傷についてはというと、全身麻酔の効果が残ってるのか、痛み止めをいれているおかげなのか、この時点ではほとんど痛みも感じなかった。
だけど、点滴などの針が手の甲や手首にいれてあって、そこの部分が、耐えられないくらい痛み出して、痛い痛すぎる
と大騒ぎしてしまった
(なんであんなに痛かったのか謎)
手術室から病室に運ばれる途中で、母の顔が見えた。
そのとき、心の底からホッとしたのを覚えてる。
あとから聞けば母の待機時間は9時間にも及んだらしい。(手術時間に麻酔とかの準備時間あわせるとそのくらいになったみたい)
コロナ禍の制限で手術の前と後にちらっと顔を見られただけなのに、9時間も待たせてごめんね。
病室に戻って電気毛布にくるまれながら、あいかわらずとんでもない悪寒と闘っていたけど、気づけば寒気もおさまっていた(かなり時間かかったけど)
熱が9度くらいあったものの意外と元気で、夜にはスマホで親友たちに生還報告。
母にも連絡したら「もうスマホ触れる体力あるの」と驚かれた
2年前におなじ手術した友人に今回のことをいろいろ相談していたので、彼女にも手術終了のLINE。
彼女からも「わたしのときは手術当日は辛すぎてLINEなんてできなかったよ!サーニャすごい」といわれた
たしかに、大手術した当日にもうこんなに元気にスマホ触れるなんて、もしかしてわたし、このまま術後もサクッと回復できるのでは...
と、今思えば完全に自分の体力を過信していた
ここから地獄の三日間がはじまる...
というわけで何はともあれ、手術が終わりました。
腫瘍は綺麗に取れて、あとは病理検査の結果次第です。
切除した組織を調べて、がんの広がりがないかを検査するのだけど、結果が出るまでしばらくかかるようです。
どうか広がっていませんように。
けど今は、先への不安よりは、まずはこの大変な手術を無事終えたことへの達成感に満たされてる。よくがんばったよ、わたし。
おまけ: 手術直前に病室の窓の外をみたら、富士山が見えました。
母に話したら、亡き父が富士山好きだったから、パパが見守ってくれてるのよとのこと。
ん? 父、富士山好きだったことなんてあったっけ...(ちなみに母はすぐ記憶を美化する)と思ったけど
パパが見守ってくれていたことはまちがいない、とわたしも信じてるよ