いよいよ最後です。

 

こうして2022年の試験に申し込みをしました。その時点で1次試験は全て免除になることが分かっていたので、2次試験の対策を早速始めました。

 

余談ですが、試験の申し込み時に、去年の受験番号がないと去年の合格科目が免除になりません。私はうっかり受験票を捨ててしまっていて冷や汗をかきました。結局事務局に電話をして教えていただき、事なきを得ましたが、受験票は合格がわかるまで保存しておくことをおすすめします。

 

2次試験のためにやったことを書いていきます。

まず、英会話学校です。

この時はベルリッツはやめて、会社の近くの英会話教室に通っていました。マンツーマンではなく、基本的には同じくらいのレベルの日本人と話し、時々ネイティブの先生とも話すという方式です。マンツーマンも良かったのですが、やはり日本人同士だと発音が明確に聞き取れるので、言い回しなどを真似したいときにとても役立ちました。1レッスン90分で、週に1〜2回通いました。

 

さらに、オンライン英会話も始めました。私が入会したのはネイティブキャンプです。このスクールのいいところは、時間が空いているときにいつでも接続することができ、その時空いている先生と即レッスンできるところです。しかも回数制限はありません。

基本はフィリピンの先生が多かったですが、日本人もいましたし、ヨーロッパや南アフリカの先生ともよく話しました。英語圏に住む先生のレッスンを受けるには追加でコインを支払うか、ネイティブ受け放題オプションというのをつけなければなりません。試験の2ヶ月前くらいからネイティブ受け放題オプションもつけてみましたが、今となっては特にいらないかなと思います。むしろノンネイティブの先生の方が熱心でわかりやすいことの方が多かったです。1レッスン25分で、週に3〜4回受けていました。

 

また、面接では歴史や日本の文化に関する知識が不可欠ですので、日本史のテキストや、観光名所がまとまった本などを毎日何かしら読んでいました。歴史検定の問題集も時々解いて、毎日何かしらの歴史の知識には触れているようにしました。その時に読んでいた本です。

本郷先生の本は読みやすく面白いので、日本史が全く初めてという方のとっかかりにはおすすめです。

 

また、都内の観光ボランティアにも登録しました。

日本に来た外国の方を英語で案内するというもので、2時間半くらいみっちり話さないといけないので、英語の瞬発力はかなり鍛えられました。また、ボランティアには通訳案内士試験を受ける方も多く在籍していたので、情報交換をしたりもできました。こちらは月に1回ほど参加していました。

 

試験の3ヶ月前からは、過去問をさらったり、2次試験専用の問題集を解いたり、言い回しを覚えたりしました。

これはもっと早くやっておけば良かったなと思います…。

結局最後までできた問題集はありませんでした。2次の半年くらい前から始めることをお勧めします(ということは1次試験が終わってから始めるのでは遅いですね…)。

 

その時使っていた問題集です。

ハロー通訳アカデミーの2次試験予想問題もプリントして読んだりしていました。

上記の中で役立ったのは「通訳案内士試験英語二次口述パーフェクト対策」と「英語で伝えたい日本紹介きほんフレーズ」です。

この2冊をやりこむだけでもいいかなと思います。

 

2次試験は、3つのお題の中から1つを選んで2分間解説するスピーチとそのスピーチについての質疑応答、日本語を聞いて英語に訳す逐次通訳、観光客に扮した先生と会話をするロールプレイングの3つから成っています。

 

スピーチは、まずお題に合わせてスピーチをする練習をしました。必ず2分測り、終わった後解答例を見て、2分で読めるかやってみて、その後何も見ないでもう一度言ってみる、というのをとにかく繰り返しました。朝晩3題ずつくらいやっていました。

そのスピーチに合わせて試験官から質問が来るのですが、それは本番に任せてとにかく2分スラスラ言えるように訓練しました。最初は全然時間が足りず(つっかえつっかえ喋るので時間がかかる)すごく焦りました…。

YouTubeなどで日本の観光情報を英語で紹介しているものを電車の中で見たり聞いたりしてフレーズを増やしていきました。

 

逐次通訳は、過去問や問題集の日本語を夫に読んでもらったものを録音し、それを聞いて通訳していくという練習方法を取りました。問題集の方はCDがついているものもあるので、CDを聞いて訳せるかどうかを練習しました。

 

ロールプレイングは、基本的に観光客の問題解決です。これは過去問を一通りさらうだけにしました。相手がいないと練習できないので、それ以上の対策はできませんでしたが、ボランティアをしていたので、それが対策といえば対策だったかと思います。

 

こうして試験当日を迎えました。前述の通り、問題集を最後までできなかったので、自信は全くありませんでした。とりあえずハキハキ明るく話すことを心がけました。

 

試験の時は、かなり待ち時間がありましたが、問題集などを見てはいけなかったので、とても暇でした…。頭の中でずっとお題を出してはスピーチをする練習をして過ごしました。

 

そしていよいよ順番がやってきました。私の時は、スピーチのお題が「大安吉日、うどん、豊洲市場」でした。観光名所や歴史についてばっかり対策していたので終わった…と思いましたが、とりあえずいちばん簡単そうなうどんを選び、うどんの特徴と食べ方、日本人はよくうどん派か蕎麦派かという会話をする、関西はうどん文化だが関東は蕎麦文化だなどと話しました。質問は、うどんはどこで買えるか、調理方法は、というものでした。逐次通訳は日本のコロナ規制について、ロールプレイングは、コロナ禍に美術館に入りたい観光客がどうしてもマスクをしたくないがどうしたら良いか、というものでした。

 

逐次通訳はとにかくわかりやすい英語でゆっくり言うことを心がけ、ロールプレイングはすごく迷いましたが、鑑賞中に話さなければマスクをしなくても良い、ということにして進めました。もし誰かに何か言われたらどうするのかと言われたので、私が説得するので大丈夫です!と自信満々に言って乗り切りました…。この時は知りませんでしたが、美術館では話さなければマスクをしなくて良い、というガイドラインが政府から出ていたようで、結果的にこれで正しかったようです。

 

およそ10分ほどで終わりましたが、ものすごく緊張していたので長く感じました。ですが、もし落ちても英語のスキルアップには確実に役立っているし、日本のこともとてもよく知ることができたので満足だと思いました。落ちてしまったら来年は日本史と地理以外はまた1から筆記も受けなければなりませんが、それもいいかなと思いました。

 

そして迎えた翌年2月の発表の日、ボランティア仲間からのラインで合格していることを知りました(官報に載るので)。合格発表の日を1日間違えていてまだ見ていなかったのです…。何が良くて受かったのかは分からないのですが、2022年は例年より合格者が少し多かったようなので、それに救われたのかもしれません。

 

ともあれ、試験のために勉強したことが実をむすんで良かったと思います。まだ会社を辞めるつもりもないので、ボランティアを続けながら良いガイドになれるようにマイペースに努力していきたいと思います。

 

長くなりましたが、35歳を超えていても、英語が苦手でも、予備校に通わずとも通訳案内士試験には合格するということをお伝えしてみました。2024年の試験をお考えの方、頑張ってください。