【あらすじ】
蒲原宿(かんばらしゅく)の宿きくやで、牛若丸は病に伏してしまう。先を急ぐ吉次兄弟は心ならずも、牛若丸の看病を宿の主、与一(よいち)に頼み、砂金百両、巻絹百疋(ぴき)を置いて先に発つ。
【驚きと感動】
第7巻や第8巻は、友の会会報をはじめ、絵の部分が全くと言っていいほど紹介されないが、僕の意見では、ここほど、人物の動きが敏感で又兵衛の才能の見せ場であるところはないと考える。馬や家来の表情など、本当にエグい!
蒲原宿に吉次一行が到着する前に、与一が吉次一行を迎える準備をする場面が克明に描かれている。詞書が始まる前にこの絵が描かれているところが渋い!
魚を包丁で切る姿、天井のクモの巣を払う姿など、当時の生活ぶりを表す資料でもある。
さて、吉次一行が到着する。吉次の家来たちは、酒を飲みながら戯れ、宿の女中に後ろから抱きつき、おっぱいをさわっている者もいる。そして、上機嫌の吉次。
しかし、その奥には、病に伏した牛若丸の姿が・・・
一方、病の牛若丸のすぐ外(下側)には、池があって、鯉だったか鴨だったかが泳いでいる。
牛若丸の左側には、病の牛若丸とは対照的に、極めて健康な馬が餌を食べ、極めて健康な御者が水に布を浸して、汗を拭いている。
吉次兄弟が牛若丸を心配そうに見舞う場面だったか?
吉次が砂金百両、巻絹百疋(ぴき)を置いて、与一に牛若丸の看病を頼む場面だったか?
左側では、御者たちが、ふんどし姿で相撲をとっている。
家来たちの平和な光景の裏で、牛若丸の病という憂うべき事態が進行していることを、又兵衛はこのように巧みに表現している。
そして、吉次が牛若丸に別れを告げているところを、与一の女房がこっそり覗いている。すでに、女房は、自分の娘を牛若丸に嫁がせたい、という下心が芽生えているのだろうか?これほど映画っぽいリアルな表現をした絵巻が江戸時代に他にあったのだろうか?又兵衛が奇才と言われる所以もこの辺にあるのかも知れない。
蒲原宿(かんばらしゅく)の宿きくやで、牛若丸は病に伏してしまう。先を急ぐ吉次兄弟は心ならずも、牛若丸の看病を宿の主、与一(よいち)に頼み、砂金百両、巻絹百疋(ぴき)を置いて先に発つ。
【驚きと感動】
第7巻や第8巻は、友の会会報をはじめ、絵の部分が全くと言っていいほど紹介されないが、僕の意見では、ここほど、人物の動きが敏感で又兵衛の才能の見せ場であるところはないと考える。馬や家来の表情など、本当にエグい!
蒲原宿に吉次一行が到着する前に、与一が吉次一行を迎える準備をする場面が克明に描かれている。詞書が始まる前にこの絵が描かれているところが渋い!
魚を包丁で切る姿、天井のクモの巣を払う姿など、当時の生活ぶりを表す資料でもある。
さて、吉次一行が到着する。吉次の家来たちは、酒を飲みながら戯れ、宿の女中に後ろから抱きつき、おっぱいをさわっている者もいる。そして、上機嫌の吉次。
しかし、その奥には、病に伏した牛若丸の姿が・・・
一方、病の牛若丸のすぐ外(下側)には、池があって、鯉だったか鴨だったかが泳いでいる。
牛若丸の左側には、病の牛若丸とは対照的に、極めて健康な馬が餌を食べ、極めて健康な御者が水に布を浸して、汗を拭いている。
吉次兄弟が牛若丸を心配そうに見舞う場面だったか?
吉次が砂金百両、巻絹百疋(ぴき)を置いて、与一に牛若丸の看病を頼む場面だったか?
左側では、御者たちが、ふんどし姿で相撲をとっている。
家来たちの平和な光景の裏で、牛若丸の病という憂うべき事態が進行していることを、又兵衛はこのように巧みに表現している。
そして、吉次が牛若丸に別れを告げているところを、与一の女房がこっそり覗いている。すでに、女房は、自分の娘を牛若丸に嫁がせたい、という下心が芽生えているのだろうか?これほど映画っぽいリアルな表現をした絵巻が江戸時代に他にあったのだろうか?又兵衛が奇才と言われる所以もこの辺にあるのかも知れない。