冒頭から仲睦まじそうでスミマセン。ケ、ケースに入れて撮影しないと18禁で捕まるって??ジョン・レノンとヨーコ・オノみたいなものですよ!!
 
 
この2本のクラシックギターを弾いていて、左のYAMAHA No.G-120=フルアコのGIBSON ES-175、右のSHINANO LG130=同じくフルアコのGIBSON L-4 CESみたいな気がしてならない。何がというと音色がである。
 
クラシックギターとフルアコの音色が似ているなんて!馬鹿も休み休みいいたまえ!生音どうしを比較するにせよ、ギターの構造として音が出てくる仕組みが違うではないか!
 
いやいや、そういいなさんな。音楽の世界はアナログでつかみどころのない話の積み重ねで語られてきたようなところがある。そういう突飛な話があったっていいじゃないか。最近触っていてとみにそう思うんだよ。
 
即ち、左のYAMAHA No.G-120はシンプルで素朴で、自分が弾いた以上の音では鳴らないのに対し、右のSHINANO LG130は豊潤でゴージャスで、どう弾いても良い音に聴こえる。その感じが、ちょうどES-175とL-4 CESの比較の場合と重なるのだ。
 
と、いうことでこの2つのギターについてまとめてみました。何のために発信するのかといわれても困るのですが、こういった木の材からくる音の違いなどを考えているのが私的幸せタイムなんです(笑)。
 
Photograph
Specifications Sound
メーカー/型番 YAMAHA/No.G-120

下記画像をクリックで動画が開きます。

"over the rainbow"

【7MB】[0:35]

 

"georgia on my mind"(SHINANO/LG130との比較)

【14MB】[1:18]

年式 1968年5月
製造 NIPPON GAKKI CO.,LTD.(浜松市天竜工場)
トップ 最高級特選松2piece
サイド マホガニー
バック マホガニー2piece
ネック マホガニー
指板 ローズウッド
その他

・スケール:655.5mm

・サドル:ローズウッド

寸評

評価[70点]

よく言えばJapanese Vintage、悪く言えばボロギターになります。Yamahaは年代毎にシリアルナンバーの桁数が違ったり、付番のしかたを変えているので、このギターの製造年を特定するのに一苦労でした。

6枚目の写真を見ての通り、「87」から始まるシリアルNo.が刻印されているものの、1987年にG-120モデルはYamahaのラインナップにない訳です。とりあえず「8」を1968年の「8」としても、それより右の数字に「0」がないのでmm月dd日の特定に無理がある。結果として6桁のシリアルNo.は全ギターの通し番号と結論付けました。決め手は、ぎたー'ズさんのHPのDG一覧 【ダイナミックギター(DG)シリアル一覧】コーナーです。

 

ダイナミックギターというと、クラシックギターのボディーに鉄の弦を張ってみよう、の発想で初めて世に出てきたスチール弦のギターです。このNo.G-120はダイナミックギターの末期と時を同じくしているのですね

 

型番が「120」なので定価12,000円、というと現在ならエントリーモデルのお値段なのですが、1968年当時の大卒初任給が25,000円ということを考えると中堅モデルの位置付けでしょうか。エントリーモデルは「No.G-100」やそれ以下の数字のモデルが担当していたようです。ちなみに「No.」が印字されていない黒ラベルの「G-120」もありますが、本モデルとは微妙に年代と作りが違うので、「No.」付きでの紹介とします。

 

オーナーなのに調査しないとこのギターのことを知らない理由は、拾ったギターになるからです。勤めていたところが建て直しで引っ越しすることになったのですが、引っ越しのお手伝いの時に捨てられているギターケースを発見。中を開けたら、まあ処分するのもわかるな、という状態だったのですが、当時のふじ少年?青年?は大変ふびんに思い…家に連れて帰ったのです。

 

音は正直、ベニヤ板が鳴っているような有様で、1987年に初めて買ったクラシックギター・YamahaのGC-10とは比べようもないです。本コーナーでも「40点」の評価を付けるつもりでいたのですが…。ところがですね、折角なのでお手入れしたり弾いたりしているうちに、何か生き返ってきて、それなりに鳴りだすようになってしまったのです。やっぱりギターって愛情なんだな、と痛感。細胞壁から水分が飛んで~とはよく言いますが、野暮なことは言いますまい。丹念に気持ちを込めて、愛でて、でいいじゃない?ね。

 

 

Photograph
Specifications Sound
メーカー/型番 SHINANO/LG130

下記画像をクリックで動画が開きます。

"over the rainbow"

【6MB】[0:34]

 

"georgia on my mind"(YAMAHA/No.G-120との比較)

【18MB】[1:41]

年式 1969~1976年辺り
製造 SHINANO MUSICAL INST. CO.,LTD.
トップ スプルース2piece
サイド インディアン・ローズウッド
バック インディアン・ローズウッド(単板かも)
ネック マホガニー
指板 ローズウッド
その他

・スケール:632mm

・サドル:ローズウッド

・ナット幅:47~48mm

寸評

評価[70点]

ある年代のかたには懐かしいShinanoのギターになります。信濃楽器工業(株)は諏訪市の会社で、楽譜で有名な全音の下請けから独立、1960年代終わり頃から70年代にかけてギターを量産していたようです。その後はYamahaに吸収されたという噂です。

 

このギターの製造年の特定も、シリアル番号からは解読不可能で、かなりの調査を要しました。参考情報は皆無に等しかったのですが、1969年1月にLGシリーズが出ており、1977年には型番が一新されていることから、1969~1976年辺りに製造と推察されます。

 

入手は浦安に住んでいたころ、浦安鑑定団というリサイクルショップにて。2005年頃になるでしょうか。サイドとバックのローズの木目を見て、「おっ、いいんじゃない?」⇒「どれどれ、弾いてみよう」⇒「おお、ローズとスプルースのいつもの安心な音だ」で購入。9,800円也。

 

年代物のいいギターなのに前オーナーが手放した理由は、サイド板の上部にあるこの位の大きさの⇒●打痕でしょうか。結構派手目に凹んでいるのですが、穴が開いている訳ではないので、音に影響はないのですがね。全体としてはきれいで、しっかり保管されていたことがうかがわれます。

 

LGシリーズは女性向けモデルとのことです。中高生のお子さんが使っていたのか、買ってしばらくはサウンドホールから女の子の香水のにおいがしたものです。女性向けとあって、弦長、ナット幅とも通常のクラシックギターより気持ち短め、ボディーも小ぶりです。弾きやすいのかと問われたら、私は弾きにくいかな。押弦・弾弦とも窮屈になってしまうので自由に弾けず、気持ちまで窮屈になってしまいます。大男になった気持ちがちょっぴりわかりました。

 

ギターそのものはかなり良いギターです。使っている材が違います。ザ・ギターという音がします。今同じ材で制作すると10万は下らないかもしれません。弾き手次第だと思うので、そのうち姪っ子にあげようかな。

 

録音は良いコンデンサマイクで音を拾いましたが、機材の設定がいろいろと甘く、正直違いがわかりにくいものとなりました。“Georgia”の方は1Verse毎にギターをとっかえて録音しましたが、とっかえなくてもよかったかも(苦笑)。音色の違いがわかりやすければと思ったのですがね。

 

 

PS…また空きましたが、元気にしております。オドメーターは43025.5km。引っ越してから2か月半で900km以上走りました。

 

 

斎宮調整池のジョギングも行ってますよ。くろやまんロードの緑はますます濃いです。

 

 

調整池も変わらず気持ちいいです。

 

 

走破タイムもちょっとずつ上がってきました。これでもまだ半分歩いているんですがね。

 

 

以上になります。