12弦ギターを皆さんご存知だろうか?
「フーン、ふじねこさんは千手観音のごとく片手の指10本の持ち主なのね」と思ったアナタ、ブッブウです。「あ、ジミー・ペイジのダブルネックギターの片方にペグがやたら付いてたな」と思ったアナタ、正解です。
画像は私のARIA ADW200Tになります。
下図を見てわかるかと思いますが、北斗千指殺や百裂指の使い手ではありません。弾き方は6弦ギターと変わりません。2本の弦を1セットとみなして、6弦ギターのように弾いていきます。
ちょっと弾いてみましょう。かの伝説のブルースマン、盲目のゲイリー・デイビス牧師による「Buck Dance」風ですが、どうぞ。
6弦ギターよりも一音一音はぼやけた感じになりますが、全体として音像が横にシャラーンと広がり、きらびやかになるのが特徴です。
この曲は黒人カントリーブルース以前の匂い、曲調だけならミンストレル・ショー(※)的なコミカルな感じがしますね。
※【参考】《wikipedeiaより抜粋》
ミンストレル・ショー(minstrel show)とは、顔を黒く塗った(Blackface)白人(特に南北戦争後には黒人)によって演じられた、踊りや音楽、寸劇などを交えた、アメリカ合衆国のエンターテインメントのこと。
ミンストレル・ショーは、そのステレオタイプ的でしばしば見くびったやり方で黒人を風刺した。
黒人のゲイリー・デイビス師がミンストレル・ショー的な音楽をやるのは、白人に媚びているようで複雑な感じがします。が、彼は南北戦争に出陣する兵隊の行進もコミカルに歌っています。特に白人・黒人分け隔てなくコミカル・ソングを歌ったのではないでしょうかね。
個人的に、音楽には2つの側面があって、ひとつは「祈り」、もうひとつが「踊り」だと思っています。上記「Buck Dance」はタイトル通り「踊り」の曲になりますが、Youtubeに踊りのほうの「Buck Dance」がありました!!なんと1894年の黒人ダンスです!
黒人のストリートダンスの起源は1960年代と言われますが、いやいやどうしてどうして。ルーツを遡り切れば、アフリカから連れてこられた黒人が、線路の杭をハンマーで叩き、歌った様がダンスの起源だと思うんですね。
ミンストレル・ショーは白人の文化ですが、この映像は黒人による黒人のための踊りでしょう。記憶が定かではないのですが、確か中村とうよう氏のブルース史の著作本によると、この頃(19世紀末)のアメリカには黒人たちが集う酒場があって、挙って狐や狼などの獣を模した踊りを踊り、酒を飲み、よろしくないクスリを手に入れたりしていたのだとか。
以上から推察するに、「Buck Dance」は黒人文化としての楽曲ではないかという所感です。
【当時の黒人酒場を作ってみた】
《RPGツクールで作成しました》
ステージ上のななちんにダンサー役をお願いしましたが、スライム大先生君がななちんに興味津々のようで、頭をペシリとしないといけませんね!
さて、もう一曲行きましょう。こちらは、20代前半の力がありあまっている時期の録音です。ブリッジぎりぎりのところで弦をむしり取るように弾いているので、弦がピキピキ言ってます。それだけ元気だったら、ザ・ジャムとかのタテ乗りの音楽をやれば良いのにね。
タテ乗りどころか、強力なカニさんが(どんなカニだ?)勢いよく横歩きしているようなブギブギ・ピアノロール風ナンバーです。
12StringsStrat!どうぞ。
余談ですが、これは思い出深い曲で、結婚式で弾いて新郎新婦に泣かれました。新しい門出に際して、シャキーンと心引き締まる曲に聴こえたのかな?イメージとしては1920年代黒人ピアニストの奏でるノリノリのピアノロールなんですが(苦笑)。
他の来場者とは毛色の違う、しかし唯一自分たちと同じ匂いのする人間からの贈り物だったので、琴線に触れてしまったんじゃないかと思います。いっしょに遊んだ仲間でしたからね。なぜか私も泣いた(大苦笑)。
以上になります…ん、ブログの記事としては今ひとつなので。
音楽に余分な力は不要だと思うけれど…
時には気合を入れてBig Bang Bombすべし!!そこに力がこもっていなければ、力を抜くことができないではないか!!
禅問答のようになっちまいやしたが、これで締めといたしやす(笑)。