今回はバイク以外の番になりますね。
仕事にかまけていてブログどころかネットもあまり見ていなかった2021年、ストーンズのドラマー、チャーリー・ワッツが亡くなったというニュースを耳にした。
左よりチャーリー・ワッツ、キース・リチャーズ、ミック・ジャガー、ロン・ウッド。年をとったらチャーリーが一番男前に見えたのは私だけだろうか?
個人的にロック・バンドの要は1にドラムス、2にベースと思っているので、とうの昔に脱退したビル・ワイマンにチャーリー・ワッツまでいなくなっては、ストーンズもこれで終わりだと思ったものだ。
2年遅れだが、素晴らしい音楽をありがとうのお礼とともに、ここに深く追悼の意を表したい。チャーリー、ありがとう。天国でブライアンと半世紀ぶりの(もっとか?)旧交を温めてください。
左よりキース・リチャーズ、ミック・ジャガー、チャーリー・ワッツ、ブライアン・ジョーンズ、ビル・ワイマン。初期の頃はブライアンの顔に才を感じる。キースとミックは若い頃特有の揺りかごの中にいるような、まだ自分の正体を自分で認識していないような顔をしているように感じる。
時を遡り私事になるが、学生の頃バンドを組んでいた。「レッドツェッペリンの天国の階段をどこどこで演るから、歌ってくれないか?」と誘われたのだ。相手は「どこどこの高校に乗り込み、一人で十何人をしばき倒した」などという逸話のある…要するにいつ退学になってもおかしくない奴だった。確か校庭での朝礼後すぐに声を掛けられたので、肩を抱かれ倉庫の方に行くところを皆が「うわっ」という…気の毒そうな顔で見ていたように思う。
声を大にして言っておくが、当時の私はクラシックギターを持ってて、釣りをして、お気に入りの女の子の家に遊びに行っては生姜焼きなどをご馳走になって、「美味しい、美味しい」言ってたおよそ"不良"とは縁がない少年でしたよ。当然、彼ともそれまで接点なし、実質初対面です。
ところがですね、嫌な感じは一瞬だけでした。友好的で、チャキチャキ建設的で、カツアゲされるんじゃないかだとか、みぞおちにパンチが飛んでくるんじゃないかなどの不安は一切なし。喧嘩太郎どころか今振り返ると社会人としての才を感じる程で、人は見かけによらないと、これまでで一番感じたシーンだったかもしれない。授業受けずにバイクで校庭を走り回ってた男なんですが…。「接点なしなのに、なぜ俺におはちが?」という疑問に対しては「ルックスで」という答えで、何だかよくわからないがバンドマン?バンド小僧?ぽく見えたんでしょう。
いけね、長くなるし、これでは身の上話になる。
結局、彼は程なくして転校、ドラマーがいなくなり、残ったメンバーでやることに。この辺で切ります。
天国の階段を歌う筈が、クラシックギターとストラトキャスターを物々交換し、いつのまにやらメイン・ギタリストに。髪も上記2枚目の写真のブライアン位に伸びました。
今回紹介するのが、例によって「細かいことは気にしない」シリーズで(それでもかなーり恥ずかしいですよ)、バンド「ガソリンアレイ」の演奏です。ドラマー脱退直後、ベーシストもサボりもしくは悪童でしたので事情により不在です。パートは以下。
Vocal&Rhytm Guitar:あっちゃん
デッデ、デッデのシャッフルリズム
Lead Guitar&Rhythm Guitar:ふじねこ
3箇所のギターソロ&ボーカルパート時リズムギター
※他にもうひとり、メンバーでない人間を呼んでたかも
皆さん、芦原すなおの「青春デンデケデケ」という小説をご存知でしょうか?そんなワンシーンです。「Going down to Chicago Baby Blues」、どうぞ。
使用ギター:Fernandes Stratocaster(型番不明)
文法的になってないタイトルで、歌詞もあっちゃんに聞いてくれという感じで不明です。「俺はシカゴに下って行って、ブルースに溺れるんだ」のような意味だったかな(大汗)?
このようにリズム隊がいないと、特にドラムスがいないと指揮者のいないオーケストラのごとくで、めいめいが別の方向に行ってしまいそうで不安です。聞いててもぞわぞわしますね。ブルースのシャッフルビートであることが救いかな。
今回ローリング・ストーンズの話題を出したので、キース・リチャーズのブルースの演奏も紹介しておきます。同様にリズム隊なしで、ギター2本とピアノの演奏です。Youtube様様でこんなの初めて聴きましたよ。キースは流石にカッコいいですね。
曲は「Key To The Highway」、1978年の録音のようです。
最後にストーンズの女と言われたアニタ・パレンバーグのことを。
彼女も2017年に亡くなってしまった。魔性の女だとか、よくあるグルーピーのような言い方をされるが、楽器を弾かないだけの話で、彼女もストーンズだと思う。ファッションに無頓着そうなキースの衣装係のような役割も果たしていたそうで、どれだけ心の支えになったことか。
この二人は恋人で、後年夫婦同然の生活(正式には結婚していない)もしたが、若い頃特有の揺りかごの中にいるようなキースに、生姜焼き…は英国にないだろうから(苦笑)、ローストビーフを作ってあげていたのだろうか?
詳しくは書かないが奔放な女性で、眉を顰める向きも多いと思うが、一歩足を踏み出すハートと楽しむ余裕があるという点で大変魅力的。こんなアクの強い、女王陛下が顔を顰めるような男連中の中に単身で身をおき、いっしょにノッてくれて、プラスαまで与えてくれる訳ですから、敬意を表したい。でも素顔は写真の通りごく普通の可愛い女性で、同時代にいたら生姜焼き(スミマセン、こだわってる訳ではなく、今食べたいだけです)を食べさせてほしいものです。妄想するのはこんな会話。
ふじねこ『ごめんな、俺の悪趣味にこんなにつきあってもろて。とーちゃんかあちゃんにボロクソ言われとらん?』
あにた『ええっ!?アタシが好きでやってんのよ!』