「しおり……」

「ん?」

「そろそろ離れてくれないかな?」
「やだよっずっとこのままがいいっ!!!」

「だって10分間もこの格好…」


わたしは泣いた顔を見られるのが恥ずかしいので

ずっと圭一くんの胸部に
巻き付いています。

だって、ブサイクなんだもん。


「今、ベッドの上だし、先生きたら誤解されるぞ??」

「いやっ先生なんてこないっ!!!」


当時は中1だったもんで
先生を甘く見てました。


ガラガラ


先生キタ————————!!!!!!

「ちょ、離れろっ」

圭一くんに頭を無理やりぐいっと押され、やっと離れるわたし。


「あら。まだいたの??」

「は、はい~、まだ圭一くんの調子が良くなくて…」

「いやっ、でも俺もう帰れますよっ。」

「え、圭一く…——」

「ほら、しおり行くぞっ!!!」

手首を捕まれ思いっきり
引っ張られた。


何。
そんなに恥ずかしかったのかな?圭一くん、かわいいな音符






続く



ガララッ!!!


保健室のドアを開けて
圭一くんの寝ていたベッドに
近づく。


「け、圭一くん…?」

「ん…ぁ、しおり??」


どうやら、さっき
起きたみたい。


「ぁっ、あのさ、カバン…誰が持ってきてくれたかわかる??」

「あー、わかんね…ごめん。」


圭一くんは下を向きながら言う。


「えっ、なんで圭一くんが謝るの???」


わたしが首をかしげると


「だってお前、今日お昼から変じゃねーか。」

「え……」

「お前の事だから、どーせ早紀と俺の関係を気にしてんだろ??」

「やっ…なっ…そんなことっ…」

「嘘言うな。ごめんな。黙ってて…俺、早紀と付き合ってたんだ。」


やっぱり…
そうだったんだ…。


わたしがそう考えてると
続けて圭一くんが

「大丈夫だよ。俺と早紀はお互いに興味ないし、まさか早紀も親友の恋人とるとか性格悪いやつじゃないだろ。」

「うん………ひっく…!!そう…だよね……」

「おいっ?!!何泣いてんだよっ」


だめだ。
安心したからかな?

涙が止まんないよ…

いっぱい溢れて来ちゃうよ…


もしかしたら安心とかじゃなくて、
早紀と圭一くんを疑った自分にあきれてるのかな?

2人を少しでも疑った自分が
恥ずかしいよ……






続く



「ん…んん…??」


いつの間にか寝てたのか
目が覚めると、教室に1人だった。


「あっ……寝ちゃったんだ…!!?」

あわてて時計を見ると
時刻はもう5時を回っている。

外では部活をしている子だけが残り、練習をしている。


「…圭一くんのカバンが無い…」


六時間目の最初の方までは
ちゃんと横にかけてあったのに…

なんで?

「あっ……」

わたしははっと気が付く。


「早紀……??」


そうだとしたらやばい。
早紀は私より可愛いし、
なんたってスタイルがよい。

あんな子に迫られたらっ……


「はぁっ…!!!圭一くんっ!!!はぁ、はぁっ!!!無事でいてねっ…!!」

わたしは全力で走った。







続く