まあこの忙しい師走に
刺激的なDVDを2枚も
よりによって暴力&殺人の連続展開![]()
1:『殺人の追憶』
監督ポン・ジュノ 2003年作品
実際に起こった華城連続殺人事件を下敷きに描かれた作品
(華城連続殺人事件…86年から91年にかけて、
ソウルから離れた農村で起きた10件に及ぶ連続強姦殺人事件)
事件の犯人は捕まらず 未解決事件となっている
まず この映画で特徴になっているのは
ソンガンホ演じるパク・トゥマン刑事と
キム・サンジョン演じるソ・テヨン刑事の
対比だと思う
犯人は淡々と猟奇的殺人を繰り返していく
ソウルからやってきたソ・テユン刑事は冷静に事件を分析し
犯人に近づこうとする・・・
地元署のトゥマンはいい加減な強引さで
犯人を追い詰めようとする・・・
しかし どちらも犯人を追いつめておきながら
決定的な証拠をつかめず
逮捕には至らない
そのもどかしさといら立ちから
この対照的な刑事達が交錯し
いつのまにか反転していく
2003年ポンジュノ監督作品「殺人の追憶」は
数々の賞を受賞し
その後の「グエムル」「母なるj証明」の成功へと続く
ここで印象的なのが3人の犯人役![]()
いいんだわこれが~(*^▽^*)
パク・ヘイルの他の作品も見たくなったわ~
2:『チェイサー』
2008年公開
長編映画初監督のナ・ホンジン
当時若干35歳である
デリヘル派遣の仕事をする元刑事の
ジュンホ(キム・ユンソク)は
二人の女が行方不明になり探し始める
俺の女を(商売道具を)返せということか??
幼い子供を抱えるミジン(ソ・ヨンヒ)が
病気でふせっているのに
仕事にいけと言い切るジュンホ
この男が必死の形相で犯人を追跡し
まだ生きているかもしれないミジンを
助け出そうとする
韓国の夜の町並みには多くの十字架が
浮かび上がる
そんな光景の下で
助けを求める事も出来ず
殺されていく女達
この犯人が理不尽に殺人を続ける理由は何なのか
ジュンホが必死で追い続けるのは何故なのか
そもそも理にかなった二人ではないからか
この監督は敢えて明言はしない
ハッキリしているのは
過剰ともいえる大量の血
ナマナマしい暴力
容赦なく殺人を繰り返す男の不条理
この映画も「殺人の追憶」同様
2003年に実際にあった事件を
下敷きに作られている
21人殺害したとなっていたが
実際には31人とも言われている
ホラー映画のような不気味さと
ハイスピードな展開にツイツイ引き込まれてしまう
本当に今後が楽しみな新人ナ・ホンジン監督
ポン・ジュノが平凡に思えるような
新しい息吹を感じる
しかし
内容は?
監督はどう解釈するかは
観客の自由だと言うが・・・
半端なく容赦ない暴力シーンは
世界的潮流なのか?
韓国映画の特徴なのか…が今一つ分からず
自分の知識不足がもどかしい(-。-;)
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理不尽に容赦なく女を殺し壊し続ける男達
残虐に殺されていく女達
こういう作品が数々の賞を受賞し
多くの観客を集めるのは何故なのか…
これを観た多くの人々の心の底に残るのは何なのか
殺される女達はただ目線で訴えるのみ
男達はやたら走り回り・暴れまわり・破壊する
私の心に届くのは
この両作品が実際にあった事件をもとに
作られているという事実の重さだけ
女や子供達・一般市民が残虐に殺される・暴力をふるわれる作品は後を絶たない
弱きもの・無防備なものに力をふるう非道は
たいへん刺激的かつ印象的
映画・小説に重みや深みを加える
格好のネタということだろうか
魅力的ではあるけれど
あくまで男性の視点で作られた
女性は置き去りの2作でした。




