料理ができる管理栄養士であること
——私が「美味しい食」にこだわる理由
管理栄養士は、一般的に
「健康な人から傷病を抱える人の両者を対象に、
高度な専門知識に基づいた栄養・食事指導や給食・栄養管理を行う【食の専門家】」とされています。
国家資格であり、4年間専門的に学び取得する資格です。
ただ、正直なことを言うと日本では管理栄養士の社会的地位は高いとは言えません。
その理由は、なぜなのだろう?
と、私はずっと考えていました。
こんにちは。
care deli主宰/“食=愛”を届ける管理栄養士 ゆうです。
そして、私なりに出した答えは
「管理栄養士て何?」
「管理栄養士て何ができるの?」
が、世の中にきちんと伝わっていないのではないか。
という思いです。
これは、世間の捉え方が悪いのではなく、
管理栄養士の働き方や表現がうまく世の中に伝わっていないのだと思うのです。
栄養の知識があること、これは大切です。
でも、机上の栄養学や数値だけでは、
人の健康を守ることはできないんですね。
人は、実践したことによって、何かしら変化を感じなければそこに価値を見出しません。
正しい知識など【正しいから】ではなく、
【美味しいから】、【無理がないから】、
【心地良いから】、【続けられるから】
これがあってこそ、食べる行為に変化をつけられるようになるからです。
人間の心は「正しいから」だけで動かせるほど簡単ではないと思うんですね。
「栄養が高い」「○○にはこの食材」は、暮らしの中で使えてこそ意味がある
どれだけ【栄養バランスが整っている」と言われても
「こういう食事が、いいんです」と言われても
美味しくない食事、作れない食事、続かない食事であれば
結局、1度や2度で続かなくて日常から消えていきます。
健康にいいはずの食事が、
「我慢」や「制限」、「義務」になってしまうと、
本末転倒になってしまうんですよね。
管理栄養士が担う世の中の役割の中では、
この「義務」や「制限」が多すぎるなと感じます。
楽しみや対象者に寄り添う独自性がなく、
どこの誰が担当しても【同じ】なんです。
教科書やテンプレートに沿ったような当たり障りのない内容を伝えているということが…。
美味しく食べられる、けど健康にもいい食材
日常に取り入れやすく、我慢や制限とも感じない食
こういうものを研究したり、勉強して伝えることこそが、管理栄養士の役割だと私は考えています。
だからこそ、「美味しく食べられる」ことは絶対条件。
そして、日常で無理なく取り入れられるような工夫を自分自身が実践してお客様へ伝える。
こうして結果的に、栄養や健康を考えた食や情報を提供できると思うのです。
管理栄養士の可能性、役割は本当はもっと広い
管理栄養士は現在の世間で必要とされていることの
何倍、何十倍の幅広い価値提供ができると思っています。
ただ、その価値やできることが伝わっていないだけで…。
その中で、私は
「料理ができる管理栄養士」
「美味しい食が考えられる管理栄養士」
という強みを世の中に提供していきたいと思っています。
理由はシンプルで、
料理ができる=栄養を現実の食事に落とし込める力
だからです。
そう、栄養の知識を活かすのは料理という実践の場。
知識はあるけど、それを活かせないのは料理ができない・苦手であるからだと感じるのです。
知識を知識のままで終わらせず、
実際に作って、食べて、味わい
「これならできそう」
「また食べたいな」
そう思えるようになれば、自然といつでも続けられるようになると思うんですね。
栄養の知識や栄養素が豊富な食材や体のことを知り、
その食事を再現性がある料理という形にまで落とし込む。
これこそが、私が管理栄養士という立場で
それを必要とする方に提供できることだと思っています。
美味しいは体と心をつなぐ力
「美味しい」と感じられない食事を
みなさんは継続して食べられますか?
「病院食は味気がなくて美味しくない」
という印象を持つ方、多いですよね。
そして、その献立を考えているのは管理栄養士。
結構この印象は強烈で、
管理栄養士は美味しい食事とかけ離れてしまっている方も多いのかもしれません。
美味しいと感じる食であることは、
単なる嗜好ではないのです。
安心したり、ほっとしたり、
作り手や思い出を思い浮かべたり、
自分自身を大切にしていると感じられたり。
食べて、美味しいと感じることにより
心と体が同時に満たされていくものです。
だから、私自身は日々のお料理はもちろん
お菓子作りやパン作りなどの「手作りの食」を
美味しく作るということをとても大切にしています。
特別な日だけではなく、
暮らしの中に自然にある「美味しい」という価値。
そんな食の中に、体や心を労る栄養が込められたら
どれだけ心が豊かになっていくかを身をもって体感しています。
食には、それくらいの力があるのです。
目指すのは、知識だけの専門家ではない
「正しいことを伝える人」と
「知識を実践に落とし込めるように伝える人」。
この差はとても大きな差だと知識をもってみるとわかります。
知識を振りかざすことは簡単なんです。
知識を身につけるということができれば、誰にでもできるからですね。
生活に寄り添い、
その人のペースや好みに合わせて、
実践に落とし込めるようにすること
これは、知識をつけただけではできません。
一緒に相手の「心地良い食」を見つけていく必要があるからです。
ここには必ず、相手に寄り添うことが必要になるんです。
自分自身の経験や技術を踏まえた上で。
私が目指す管理栄養士、
料理ができる管理栄養士とは、
知識と現実の橋渡しができる人。
健康を管理するというよりも、
その人が、健康を自然と実生活の中で育てていく土台を、食を通して整えていく人でありたいと思っています。
管理してできても、
そこから離れたらできなかったら、それはその人のためにはならないんです。
自立と同じですね。
どこまでいっても、相手に寄り添い、その人が1人でも同じようにできるようになること、したいと思えること。
食の力で変化をつけたいと思っている方が、
1人でも自立してできるようになるように導くことこそが、私の管理栄養士としての役割だと思っています。
食は、才能やお金持ちなどに関係なく誰もが取り組める人生の支え
食は毎日のこと。
決して派手で高級なものだけが食の素晴らしさではありません。
そして、誰もがいつからでも取り入れられる人生の支えともなるものです。
食べたもので人はできている。
という考え方がありますが、本当にそれは大げさではなく正解だと私は思っています。
何を食べるのか。
どう食べるのか。
誰と食べるのか。
毎日の食で、私たちの体も心もつくられていきます。
食は特別ではなく、誰もが取り入れていることですよね。
だからこそ、多くの人の希望にもなると思うんです。
料理の技術を磨き、
美味しさまでも探究し、
「無理なく、心地よく、続けられる食」
これをいつまでも研究し続けご縁のある方々へ届けられたらいいなと思っています。
この記事を読んで下さるみなさまの食がすこしでも豊かになりますように。













