卿卿(きょうきょう)日常 #8 初めての口づけ あらすじ

 

 

宣旨を見た尹崢いん・そうは、意図が分からず丹川主たんせんしゅに尋ねた。

丹川主たんせんしゅは初めての恋心だと答えた。

尹崢いん・そうは妻を裏切れないと断ったが、丹川たんせん主は”李薇り・び尹崢いん・そうのことを好きではない”と指摘した。

 

丹川主たんせんしゅ尹崢いん・そうが結婚すれば和親は保たれ、上官婧じょうかん・せい李薇り・びは自由の身となれる。

丹川主たんせんしゅはそう言った。

 

すると尹崢いん・そう李薇り・びの手を取り隣に立たせ、「私は妻が好きなので相愛でなくても構わない」と言った。

李薇り・びは、「いい方なのでこのまま一緒にいてみます」と丹川主たんせんしゅに話した。

 

せいがやってきて、2人の仲を引き裂かないで欲しい、自分は新川しんせんに帰ると申し出た。

尹岐いん・きにいい所はないが、いい人だし穏やかな日々が送れる、新川しんせんには友達もいると言うと、丹川たんせん主は理解を示した。

 

丹川主たんせんしゅは、せいを笑顔にしたら連れ戻すことを許可すると尹岐いん・きに言った。

 

部屋へ帰る間、李薇り・び尹崢いん・そうは手をつないだままだった。

尹岐いん・きに指摘され我に返った李薇り・びは、婿入りを断る口実として好きと言ったのだと分かっていると尹崢いん・そうの行動に理解を示した。

尹崢いん・そうは胃痛に襲われ、尹岐いん・きからは李薇り・びが追い詰めたからだと言われてしまった。

 

尹岐いん・きせいを笑顔にするため変臉へんれん(四川省の伝統芸能)を身につけることにした。

 

尹岐いん・きを待っている間、李薇り・び尹崢いん・そうと話をした。

家が恋しいか、家に帰ったら何をしたいかと問われた李薇り・びは、もちろん恋しい、家に帰ったら嫁いで両親のような夫婦になりたい、お互い心から愛し合える人と結ばれたいと答えた。

 

尹岐いん・きせい変臉へんれんを披露したが、大失敗だった。

去ろうとするせい尹岐いん・きは引き止めた。

唐辛子餡の月餅を作ったのは、遠い場所に嫁ぎ家族に会えないせいは寂しいだろうと思い 故郷の味を作って喜ばせたいと思ったからだと尹岐いん・きは話した。

 

前に話したことを覚えているか?とせいに問われ、尹岐いん・きはどの話だか分からなかった。

だからこれまでせいに聞いたことを片っ端から話した。

するとせいは笑顔になった。せいの笑顔を見た尹岐いん・きは、全身で喜びを表現した。

 

せい新川しんせんに帰ることになり、送別会が開かれた。

尹崢いん・そうは河川を視察し まとめた防災策を丹川たんせん主に献上した。

丹川主たんせんしゅは、妾を作れば不能の体にすると尹岐いん・きを脅した。

 

尹崢いん・そうは1杯飲んだだけで酔いつぶれ、皆に部屋まで送ってもらった。

酔った尹崢いん・そうは、李薇り・びに 自分のことをどう思っているのか尋ねた。

 

李薇り・びは、経営者と店員の関係で愛は生まれないが嫌いではないと答えた。

尹崢いん・そうは、嫌いでないならほんの少し好きになって欲しいと言って李薇り・びに口づけた。

そして倒れるように寝てしまった。

 

翌朝、起きてきた尹崢いん・そうは口づけのことを覚えていなかった。

李薇り・びは、あれは夢だったのかと自問自答した。

証拠がなく、本当はどっちなのか結局分からなかった。

 

李薇り・びは妹の話として、せいに相談した。

「妹は嫌がってるの?」と聞かれた李薇り・びは、困ったことに嫌じゃないみたいと答えた。

せいは、主に対してどんな感情を持ってるか考えてみるよう助言した。

 

新川しんせんは九川の安定のために巨費を投じている。

その資金は豊かな金川きんせんから借りている。

今回返済の時期なのに、国庫は空だった。

どうするべきか、新川しんせん主は朝臣に意見を求めた。

 

開戦を主張する者もいたが、川主せんしゅとしては一部だけでも返すため努力したいという考えだ。

尹嵩いん・すうは徴税すべきだが、民の負担を考え熟考する必要があると言って時間をもらった。

 

帰って早々、尹崢いん・そう戴笛たい・てきに呼び出され借金返済問題を相談された。

皇帝は信用のため借金を返済する意向だが、徴税はしたくないという考えだ。

 

尹崢いん・そうは官吏の貸倒金を回収するという案を思いついた。

先代の代から、官吏の中には戸政司こせいしから大金を借り豪遊しつつ借金を踏み倒すものがいる。

今までに回収できた者はいないが、試す価値はあると戴笛たい・てきは言った。

 

李薇り・びは何をしても口づけの記憶を思い出してしまい、悩んでいた。

そんな中 尹崢いん・そうに呼ばれた。

行ってみると、近々借金を取り立てに行くので頼み事や贈り物は断るようにとの話だった。

 

李薇り・びはついつい尹崢いん・そうを避けてしまい、尹崢いん・そうもそのことに気づいていた。

 

宋舞そう・ぶは1か月の禁足を解かれた。

 

金川きんせん新川しんせん同様黛川たいせんに炭を頼っている。

趙芳如ちょう・ほうじょの父は黛川たいせんで有名な鉱山主だ。

尹嵩いん・すうは、趙芳如ちょう・ほうじょの実家から石炭を金川きんせんに融通してもらい返済に代えるという案を思いついた。

 

少主夫人たちは、今日も内苑書堂ないえんしょどうで講義を受けている。

浮かない表情の李薇り・びに、郝葭かく・かは声をかけた。

せいは、尹崢いん・そう李薇り・びに下心を持ち李薇り・びが悩んでいるのだと大きな声で言った。

 

尹崢いん・そうは覚えていないのだし、自分も忘れようと李薇り・びは思うのだった。

 

 

 

 

感想

 

丹川主たんせんしゅ尹崢いん・そうを婿にしたいなどと言い出し驚きました。

しかも理由は恋心!?

 

丹川主たんせんしゅとしては、せい李薇り・びも望まない結婚をしているのなら、自分が尹崢いん・そうと結婚すれば2人を開放してあげられると思ったようです。

でも半分本気じゃなかったんでしょうね。

李薇り・びせいに考え直すよう言われると撤回してくれました。

 

尹崢いん・そうは一世一代の告白をしたのに、李薇り・びは”婿にならないための方策だと分かってますよ”なんて言ってナチュラルに尹崢いん・そうを傷つけました。

尹崢いん・そうは精神的ダメージを受け胃痛に(笑)

 

李薇り・びは、一夫一婦制の恋愛結婚の国霽川せいせん出身なので、”愛する人と結ばれたい””両親のような夫婦になりたい”などロマンチックな言葉を連発します。

そのくせ本人は、恋愛感情に疎いというアンバランスな感じが面白いです。

 

変臉へんれんせいを笑顔にしようと頑張った尹岐いん・きですが、まるでダメでした。

変臉へんれん自体はダメでしたが、せいを追いかけてかけた言葉には不覚にもジーンとさせられました。

まさか尹岐いん・きにジーンとさせられる日が来るとは…。

悔しい気持ちでいっぱいです。

 

でも、月餅を作ったのはせいを笑顔にしたいという気持ちもあった、とか、せいの言葉を全部覚えてたりするのには、やっぱりジーンとしてしまいました。

あのシーン好きです。

 

そして問題の、送別会の夜です。

丹川たんせん編の尹崢いん・そうは、髪形(ポニーテール?)のせいもあってか可愛く見えます。

そしてこの夜、1杯飲んだだけで泥酔し頬を染めた尹崢いん・そうは、さらに可愛かった。

 

そんな激カワな尹崢いん・そうから「嫌いでないなら、ほんの少しでいい好きになれないか?」などと言われキスされるなんて!!!!

しかも割とがっつり慣れた感じの奴。

もっと可愛い感じの奴でもよかったと思ったり思わなかったりしました、と妹が供述しております。

 

この日から李薇り・びはキスのことが忘れられなくなってしまったのでした(笑)

一番笑ったのは、天使の李薇り・びと悪魔の李薇り・びによるキスしたか、してないか論争でした。

尹崢いん・そうはキスのことを覚えていない様子で、証拠もないので夢ではないかと考えた李薇り・び

夢だという自分と夢じゃないという自分が戦っていて面白かったです。

 

確かに証拠ないですもんね。

あれ?口紅は?付けてないんでしょうか?

 

新川しんせんに戻ると、借金返済問題に直面させられることになりました。

尹嵩いん・すうvs尹崢いん・そうの嫡子争いも裏で巻き起こりつつありそう?

尹嵩いん・すう尹崢いん・そうを意識して行動しつつあるようですね。

 

尹嵩いん・すうの策(妻の実家から金川きんせんに石炭を贈り、返済の代わりにする)では、ちょう家から不満が出る可能性がある。

尹崢いん・そうの策(借金を踏み倒している官吏から回収する)は、今まで成功した者がいない。

さて、どっちが今回手柄をあげるでしょうか。

 

恋愛方面もですが、両親の愛を得られず病弱(フリ)な尹崢いん・そうがどうやって次期川主せんしゅの座を勝ち取るのか(勝ち取りますよね?)にも興味津々です!