夢華録 第39話 決死の直訴 あらすじ

 

 

 

高鵠こうこくは、盼児ふんじのために皇帝に直談判した高慧こうけいを叱った。

高慧こうけいは、辛い時に黙って手を差し伸べてくれた盼児ふんじの情に応えたい、出会って日は浅くとも盼児ふんじは自分の心の友だと訴えた。

 

皇帝は顧千帆こせんはんを釈放させ官職も以前のままとした。

顧千帆こせんはんはすぐに盼児ふんじに会いに行ったが、盼児ふんじはいなかった。

 

皇帝の疑いを顧千帆こせんはんから欧陽おうように移すため、盼児ふんじ欧陽おうよう開封かいほう府に訴えた。

”婚約を破棄され妾になれと言われ、断ると恨まれ中傷された”

と訴えられた欧陽おうようは、盼児ふんじが勝てば斉牧せいぼくの裁判でも自分の証言が無効になることを恐れた。

皇后の使者は、欧陽おうようのため裁判を非公開にする手はずを整えた。

 

裁判当日、盼児ふんじの訴えは管轄違いで却下された。

婚姻に関する訴えは盼児ふんじの籍のある銭塘せんとう欧陽おうようの籍のある新州しんしゅうで訴えなければならないそうだ。

 

開封かいほう府から盼児ふんじたちが出てくると、外で待っていた野次馬たちは中でのことを知らないくせに

盼児ふんじの誣告だったのだ”

探花たんかが酒楼の女将を娶るはずない”

盼児ふんじ銭塘せんとうで妓楼にいた。妓女ぎじょなら婚約破棄されて当然”

と囁き合った。

 

顧千帆こせんはん開封かいほう府の外で待っていて、盼児ふんじと無事を確かめ合った。

 

盼児ふんじは必ず欧陽おうようを訴えると決意を新たにした。

顧千帆こせんはんが無事なのに訴える意味があるのか、三娘さんじょう盼児ふんじに尋ねた。

 

野次馬たちは盼児ふんじが賤民の女子だというだけで、欧陽おうようの側についた。

これからは顧千帆こせんはんのためでなく自分の名誉挽回のために訴えるのだと盼児ふんじは話した。

 

顧千帆こせんはん盼児ふんじを応援した。

陳廉ちんれんは皇后を敵に回すことになると言って止めたけれど、皇帝の信頼を回復するためには欧陽おうようこそ裏切り者だと しらしめ 皇帝の疑いを晴らさなければならないのだと顧千帆こせんはんは語った。

 

登聞鼓院とうぶんこいん越訴おっそ(正規の手順を経ない訴え)すれば、皇帝に訴えが届く。

そう聞いた盼児ふんじは、登聞鼓院とうぶんこいんに設置された太鼓を打ち鳴らした。

すると官吏が現れ盼児ふんじの訴えは受理された。

 

皇后は皇帝に、”欧陽おうようを陥れたのは斉牧せいぼくだと大理寺の調べで分かった、盼児ふんじ欧陽おうようを訴えたのは盼児ふんじ顧千帆こせんはん簫欽言しょうきんげんが清流派と結託した証しだ”と訴えた。

 

越訴おっそを受理してもらうには、杖刑じょうけい20回を受ける必要がある。

盼児ふんじは審理開始前に杖刑じょうけいを受けることになった。

 

しかしそこで行われたのは杖刑じょうけいではなかった。

杖刑じょうけいならでん杖(臀部を打つ)のはずなのに、刑吏はせき杖(背中を打つ)を行っていた。

顧千帆こせんはんは途中で止めに入り盼児ふんじを退廷させた。

 

せき杖20回なら流刑になる者の罰だ。

話を聞いた濁石だくせきたちは、登聞鼓院とうぶんこいんも朝廷も不公正だと上申した。

 

宮女が噂話をしているところに通りかかった皇帝は、話の内容を宮女に詳しく聞いた。

そこで皇帝は、盼児ふんじ趙謙ちょうけんの娘であることや、顧千帆こせんはん盼児ふんじのために刑場破りをしたこと、市中では登聞鼓院とうぶんこいんも朝廷も不公平だと噂になっていることを知った。

 

皇帝は皇后の所に行き、斉牧せいぼくの罪状をでっちあげ欧陽おうように証言させれば民は納得するのか、盼児ふんじを殺せば欧陽おうようを守れるのかと問いかけた。

 

顧千帆こせんはんは皇后の寝所に忍び込んだ。

皇后が欧陽おうようを守るのは、斉牧せいぼくに対抗するためだろうが、自分は簫欽言しょうきんげんの実の息子で機密を握るため斉牧せいぼく皇城司こうじょうしに入れられたため欧陽おうようよりも大勢の官吏の秘密を握っている、皇后の手駒になり忠誠を誓うので盼児ふんじを助けて欲しいと頼み込んだ。

 

すると皇后は盼児ふんじに訴えを取り下げさせるよう言った。

欧陽おうようを死罪にし盼児ふんじの名誉を回復させたいと言って、顧千帆こせんはんは断った。

すると皇后は力になれないと言って立ち去ろうとした。

顧千帆こせんはんは小刀を皇后の首に突きつけ…?

 

 

 

 

感想

 

皇后に対抗するため、人目の多い所で勝負しようと決意した盼児ふんじは、顧千帆こせんはんを守るため欧陽おうようを訴えました。

裁判なら公開されるから安全だろうと考えましたが、皇后派に先回りされ裁判は非公開に。

欧陽おうよう側の管轄違いという訴えが認められ盼児ふんじの訴えは差し戻されました。

 

中で何が行われたか、外で待っていた野次馬たちは知らないのに、盼児ふんじが負けた様子なのを見て取ると、野次馬は欧陽おうようの味方をしました。

そんな野次馬たちにカチンと来た盼児ふんじは、自分の名誉を回復するために欧陽おうようを訴えることを決意。

登聞鼓院とうぶんこいんに訴えました。

 

登聞鼓院とうぶんこいん越訴おっそするには20回の杖刑じょうけいを受けなければならない上、勝訴しても”欧陽おうようは結納品を返還しろ”という罰くらいしか裁判官は与えられない。

盼児ふんじはそう説明を受けましたが、それでも自分が軽薄な女ではないこと、欧陽おうようこそエセ君子だと証明するために裁判することに決めました。

カッコよかったです。

 

やっと裁判を受理してもらえて、盼児ふんじたちの顔色は明るかったですが、登聞鼓院とうぶんこいんの長官に皇后が手を回し盼児ふんじは●されそうになりました。

 

裁判官の独立、というのが大切だということが、すごくよく分かりました。

長官の人は盼児ふんじせき杖を受けている間、苦しそうに顔を背けていました。

だから彼だって本当はこんなことしたくないけれど、皇后の圧力に屈したのだと思われます。

そしてその結果、市中に不満が蔓延しました。

裁判官の独立を保つことは、国を保つことなんだと思いました。

 

お尻を棒で叩かれるのと、背中を棒で叩かれるので、かなり違うんですね。

でん杖とせき杖という違いがあると、今回初めて知り驚きました。

盼児ふんじせき杖6回で●にそうになっています。

大変な目に遭っているヒロイン。

 

ですがその裏で高慧こうけい濁石だくせきたちが盼児ふんじの味方をしてくれるのを見ると、盼児ふんじ東京とうけいで頑張って来たことが実を結んでいるのを感じられ、嬉しくなりました。

 

そして盼児ふんじせき杖を受けているのを見ながら「打て」「いいざまだ」「●せ」と言っている欧陽おうよう、怖すぎました。

いつから君は、そんな感じなの?

 

皇后は自分を目の敵にし悪評を流す清流派・斉牧せいぼくをこの機会に倒すつもりです。

欧陽おうよう斉牧せいぼくが自分を殺そうとしたと証言させることで斉牧せいぼくを処刑しようとしているようです。

盼児ふんじたちはそんな皇后の計画を邪魔する形になっているので、敵対することになっています。

皇帝は皇后に深い愛情を向けながらも、皇后がやろうとしていることに気づき、たしなめました。

 

そして顧千帆こせんはん盼児ふんじを助けるため皇后に接近。

皇后に断られると皇后の首に小刀を突きつけました。

一体どうなるんでしょう!?

 

実のところ、ちょっと前までは皇后は盼児ふんじたちの味方的な存在なのではないかと思っていました。

盼児ふんじは元賤民&婚約者に裏切られたけど頑張っていて、三娘さんじょうも離縁を乗り越えて頑張っていて、引章いんしょうも2度男に裏切られたのを乗り越えて頑張っているじゃないですか。

 

夢華録は、どん底に落ちた女性たちが再起を図るドラマだと思っています。

妓女ぎじょだった過去を持ちながらも皇后にまで上り詰めた皇后も盼児ふんじたちと同じ境遇(先輩)なのかな、と思っていたので皇后は味方だと思っていました。

 

けれど皇后が黒幕のような展開になっています。

皇帝にたしなめられた皇后は、一体どう動くんでしょうか?

 

次回が最終回なので、今回で欧陽おうようとの対決は終わり、最終回は大団円な感じになるのかな、と前回見終わった後 勝手に想像していました。

ところが、「本当に次回で最終回!?」と言いたくなるほど何も解決していません。

これ、最後どうなるんでしょうか!?

 

WOWOWの番組紹介ページには、

「最終話の配信直後には「夢華録2周目」というタグがSNS上を席巻!」

という気になる一文がありました。

 

最終話を見た直後に2周目を見たくなる…ということは、もしかして大どんでん返しでもあるんでしょうか?

最終回、すごく楽しみ!

見てきます!