蒼蘭訣(そうらんけつ)~エターナル・ラブ~ #16 あらすじ
猟師の集落の女性たちは、髪に霜鹽花という白い花を飾っていた。
それは男に死なれた女性がつけるものだった。
東方青蒼に気づいた集落の人々は跪いた。
けれど長老の女性だけは跪かず、3万年間戦に苦しむ月族の民を放ってどこに行っていたのかと質問した。
長老は命を捨てる覚悟で東方青蒼不在の間の不幸を語った。
長老の息子は戦で死んでしまったが、孫は3万年前封印されたままだ。
孫を連れ戻すと約束してほしいと長老は訴えた。
東方青蒼は何も言わず立ち去った。
小蘭花に父親のことを尋ねられた東方青蒼は、幼い頃父に遊んでもらった日々を思い出していた。
小蘭花から、なぜ長老を殺さなかったのか尋ねられた東方青蒼は、老婆を殺すのが忍びなかったと言った。
同情や哀れみの心を、七情を失ったはずの東方青蒼が持っている。
2人は七情の木を見に行った。
東方青蒼の七情の木には新芽が出ていた。
それ以来、東方青蒼は毎夜夢にうなされた。
東方青蒼は怒りっぽくなった。
責め苦に耐えて七情の木を枯れさせたのに木が蘇れば苦しみが無駄になる。
「お前が現れるまで苦しみなどなかった」
と東方青蒼は小蘭花に言うと、二度と顔を見せるなと命じた。
霊宝閣に忍び込んだ結黎は、宝を盗み出した。
しかし捕まり東方青蒼の前に連れて行かれた。
小蘭花に見せれば喜ぶと思って宝を持ち出しただけだと結黎は言い訳をした。
すると東方青蒼は、小蘭花に与えるよう命じた。
咎め無しで済みそうだった。
ところが、持ち出した宝の中に木彫りの鹽女像があることに気づいた東方青蒼は顔色を変えた。
鹽女臓は子供の頃、東方青蒼が彫ったものだった。
東方青蒼は、結黎を斬ろうとしたが、小蘭花が庇った。
小蘭花は結黎の代わりに自分を殺すよう訴えた。
東方青蒼は木彫りを燃やすよう命じ、出て行った。
小蘭花は三界一の馬鹿者だと結黎は言った。
東方青蒼は海市と組み操られた巽風に、愚かの極みと吐き捨てた。
巽風はなぜ実の父を手にかけたのかと、東方青蒼を責めた。
父とは思っていないと東方青蒼は言い、3日後巽風を雷刑に処すよう命じた。
3日後は父親の命日だった。
結黎は、自分を庇って怪我をした小蘭花に無料で傷薬を贈った。
觴闕によれば、木彫りの鹽女像は、東方青蒼が乳母と彫ったもので、乳母は先代の月尊に殺されたそうだ。
巽風のことを聞いた小蘭花は、減刑を嘆願しに行った。
先の月尊は巽風を愛したのに、なぜ東方青蒼を愛さなかったのか、小蘭花は疑問を口に出した。
先の月尊は東方青蒼に業火を操る才があると知ると”なぜお前が”と言った。
東方青蒼は、忌まわしい息子が地位を奪うと思っての発言だろうと話した。
しかし小蘭花は違うと思った。
東方青蒼の強さは、月族にとっては安寧を守る希望だ。
東方青蒼も、蒼鹽海も、水雲天にいた頃聞いていた話とは全然違う。
父殺しには何か裏があると考え、小蘭花は觴闕に当時のことを質問した…。
感想
魔王様不在の3万年の間、月尊の座を巡って争いが絶えず、多くの人が不幸になったのだと長老の言葉で語られました。
月族兵を封印したのが赤地女子だったので、この世界では女性も戦うのかな、と思っていましたが、赤地女子がレアケースのようです。
女性たちは男に死なれ苦しみながら生活していました。
魔王様が戻ったことで、戦はピタリと止みました。
「月尊の威厳は水雲天にとっては脅威だが、月族にとっては安寧を守る希望」と觴闕は言っていました。
その通りなんですね。
魔王様の七情の木は新芽をつけるまでに回復していました。
1話で小蘭花が触れた瞬間よみがえり、小蘭花の感情を通してリハビリをし、ここまで回復したという感じかなぁと、今の所解釈しています。
七情の木の回復を、実際に目で見た魔王様は毎晩父親との夢を見てうなされました。
そして不機嫌に。
小蘭花と見に行くまでは、自分の七情の木は枯れていると思っていたのに、新芽がつくまでに回復していると知った戸惑いと、回復してしまったら今までの犠牲は何だったのかという怒りゆえの不機嫌さでしょうか。
小蘭花に「二度と顔を見せるな」と言いつつ、小蘭花を喜ばせたい気持ちはある魔王様。
可愛いですね。
今回は、先代月尊と魔王様についての謎に取り組む回でした。
魔王様は"父親に愛されていなかった"と小蘭花に言いました。
けれど実際は優しい時もあったのが、魔王様の回想から分かりました。
魔王様には父親と一緒にボール遊びをしたり、剣の稽古をつけてもらった思い出がありました。
けれど、いつからか父親の様子が変わってしまった。
巽風のことは溺愛し、魔王様は愛さなくなった。
そして魔王様に業火を操る才能があると知ると、”なぜお前が”と言った。
魔王様は、この発言は”忌まわしい息子が己の地位を奪うと思っての発言だろう”と推理しています。
けれど、そうだとするとおかしいことがあります。
14話によれば、業火を会得するには愛と七情を完全に捨てる必要があり、東方青蒼を三界一の強者にするため、父親は東方青蒼の情を根絶やしにしました。
父親は、魔王様が業火を会得するのを助けました。
地位が奪われると思ったのなら、業火を会得するのを助けずに才能を見殺しにすればよかったのに、そうしなかった。
だから魔王様の推理はおかしいと思うのです。
ここから妄想炸裂の大胆推理しまーす。
私には、ボール遊びしてくれた父親と、うなされる魔王様の夢の中の父親が、表情からして別人のように見えました。
だから、あの父親には、何かが憑いていたのではないかと思いました。
そして、今まで出てきた中で人に憑きそうな人(?)が1人だけいました。
凶神です。
なので、父親には凶神が憑いていたのではないかと思いました。
15話を見た限り、凶神は たぶんすごく強い人で、自分と同じように強い人が大好きな性格のようです。
強い人をみるとわくわくするタイプの人間(?)のように感じました。
凶神は東方青蒼に業火を操る才能があると知って、東方青蒼を自分に対抗しうる強い者に育てるため、七情を奪う等したのかな、と思いました。
”なぜお前が”という発言については、”なぜ(○○でなく)お前が”と省略されているのではないかと考えました。
()に入るのは何なのか。
それは業火を操ったもう1人の人物。
鹽女ではないでしょうか。
なので父親のセリフは、業火を操れるのは鹽女だけのはずなのに、”なぜ(鹽女ではなく)お前が(業火を操れるのか)”という意味かなぁと。
そう考えると、自然と凶神は鹽女を知っているということになってしまい、そうだとすると、凶神の真の姿は重華ではないかと。
ここまで妄想しました。
多分、前回出てきた鹽女と重華の話が意味深な悲恋で心に残っていたから、こんな妄想をしたのだと思います。
この説だと、父親が巽風を溺愛し続けたことが説明できないので、多分違うと思います。
けれどせっかく妄想したので、書いておきました。
結黎は、2回にわたって小蘭花に命懸けで守られました。
そして無料で小蘭花に傷薬を贈りました。
守銭奴が無料でプレゼントするなんて、相当デレてますよね!?
このドラマにはツンデレ魔王様が出てくるという情報に釣られ見始めましたが、結黎もツンデレですね。
予期せぬ収穫です。
次回、父親の謎が解けるでしょうか?
楽しみに待ちます!