夢華録 第36話 黄色い花に託す想い あらすじ

 

 

 

欧陽おうようは、助けてくれなければ嫁ぎ先まで付きまとうと言って高慧こうけいを脅した。

そして、皇帝に会わせるよう要求した。

 

盼児ふんじは、池蟠ちはんが頼み通り絹の手巾を手配してくれたことに対し、礼を言った。

盼児ふんじは邸報(朝廷の布告や動静を記した官報)を読み、調べ事をしていた。

 

子方しほうは、金を騙し取られつつも2か月かけて三娘さんじょうに会いに来たのだと話した。

杜長風とちょうふうは、遠くから2人の様子を見守っていた。

 

盼児ふんじは、”左司諫さしかん 簫欽言しょうきんげん趙謙ちょうけんを弾劾する”という一文を過去の邸報から見つけた。

顧千帆こせんはんが馬車から出てこなかった理由を、盼児ふんじは知った。

 

他店が永安楼えいあんろう対策を講じ始めたと報告に来た引章いんしょうは、盼児ふんじが泣いているのに気づき散歩してはどうかと声をかけた。

 

盼児ふんじはお寺に行き、和尚様に知恵を借りた。

縁に良し悪しなどなく、何事も自分の考え方次第なのだと和尚様は言った。

 

雷敬らいけい顧千帆こせんはんに会い、顧千帆こせんはんの読み通りにすべて丸く収まったと話した。

欧陽おうようは苦境に立たされることになるだろうと雷敬らいけいは語った。

 

池蟠ちはんは、蘇合鬱金そごううっこん酒や蟹醸橙かにじょうとうの製法を真似し格安で売り始めた王楼おうろうに殴り込みをかけ怪我をして帰ってきた。

 

盼児ふんじたちは、茶坊での経験から蘇合そごう鬱金うっこんも、蟹醸橙かにじょうとうに不可欠な江南こうなんの蟹も買い占めてあるので心配はいらないと池蟠ちはんをなだめた。

盼児ふんじたちは、近く丁香琥珀ちょうこうこはく酒を売り出す予定で、その材料も買い占めていた。

 

引章いんしょうは、池蟠ちはんの求婚を断るのか盼児ふんじに尋ねた。

池蟠ちはんは金持ちだ。

盼児ふんじは、本気で愛している人には自分が与えられるものは何かと考えるものなのだといった。

愛している者には、”自分の殻を破らせ、わたしのもとに導く”。

盼児ふんじはそう言った。

 

顧千帆こせんはん皇城司こうじょうしから出ようとすると、黄色い花がたくさん咲いていた。

 

盼児ふんじが嵐で荒れ果てた半遮面はんしゃめんで待っていると、顧千帆こせんはんが来た。

 

「まだ私を娶る気はある?」と盼児ふんじは尋ね、全て知っていると話した。

 

自分に盼児ふんじを娶る資格はないと、顧千帆こせんはんは言った。

 

家族の不幸は、父の選択によるものなのだと盼児は話した。

趙謙ちょうけんは最期、母と盼児ふんじに謝りつつも後悔はしていなかったと、盼児ふんじは父の部下から聞いていた。

 

しかし顧千帆こせんはんは、この重すぎる事実は2人の間に わだかまり として残り続けるだろうと考えていた。

 

欧陽おうように捨てられた時は死のうと思わなかったけれど、顧千帆こせんはんに捨てられて、嵐の日、汴河べんがに身を投げようと思ったのだと盼児ふんじは語った。

 

盼児ふんじは、全ての過去を忘れてやり直すか、顧千帆こせんはんに決断を迫った。

3つ数える間に顧千帆こせんはんが決断しなければ、珊瑚の簪を粉砕するつもりだ。

 

「やり直そう」と言って、顧千帆こせんはん盼児ふんじを抱きしめた。

 

招娣しょうてい陳廉ちんれんは、隠れて2人の成り行きを見守っていた。

 

盼児ふんじたちが仲直りしたことを知った引章いんしょうは、珊瑚の指輪(?)を川に捨てた。

 

欧陽おうようは皇帝に、悪人に陥れられたのだと訴えたが、皇帝は聞く耳を持たず立ち去った。

 

皇帝は西京せいけいで出会った欧陽おうよう斉牧せいぼくが皇后を陥れるために手を組み、夜宴図の贋作を作ったのだろうと思っていた。

皇帝は欧陽おうようを小さな州の通判つうはんにするよう命じた。

 

顧千帆こせんはん盼児ふんじを顧家に連れて行った。

 

皇后は皇帝側近の宦官を、人質を取り操っていた。

自分を守れるのは自分だけだと皇后は思っていた。

 

 

 

 

 

感想

 

よかった!本当に良かった。顧千帆こせんはん盼児ふんじが過去を忘れてやり直すと決めてくれました。

 

陳廉ちんれんから話を聞いた盼児ふんじは、父親たちの過去について調べ始め、顧千帆こせんはんが許されないと考えている事実を知りました。

すぐに父親たちの事情だと気付き邸報を調べた盼児ふんじ、すごいです。

 

泣いていた盼児ふんじが、引章いんしょうから「見える風景がひどくても、動かないよりいいはず」と言われ散歩して向かった先はお寺でした。

和尚様から言葉を授かった瞬間、盼児ふんじの表情が晴れたのが分かり、和尚様の偉大さを実感しました。

その後、和尚様が半遮面はんしゃめんのお客さんだと分かり笑いました。

 

「黄色い花に託す想い」というタイトルを見た時、前回盼児ふんじに花を捨てられてしまったけれど、めげずにもう1度顧千帆こせんはん桂花巷けいかこうに花を飾って、盼児ふんじが会いに行くという流れになるのかな、と想像していました。

けれど、皇城司こうじょうし盼児ふんじが花を飾る展開になって、さすが盼児ふんじ!となりました。

 

引章いんしょうに言った、”愛する人には自分の殻を破らせ、私のもとに導く”という言葉が、印象的でした。

盼児ふんじはこうでなくちゃ!と思わせていただきました。

 

盼児ふんじが全て知っているし深い恨みなどないと言ったのに、顧千帆こせんはんがそれでも うだうだ していたのにはちょっと驚きつつ、けれど最後も盼児ふんじらしくカッコいい感じで顧千帆こせんはんの考えを変えさせてくれてよかったです。

 

子方しほうは2か月歩いて三娘さんじょうに会いに来たそうですが、1人で!?と、すごく驚きました。

私は子方しほうよりも少し年上ですが、スマホなしに遠く離れた目的地に行けと言われても行けない自信があります。

どうして子方しほうが家出してきたのか、そのあたりも気になります。

 

蘇合鬱金そごううっこん酒や蟹醸橙かにじょうとうが真似され、他店で安値で提供され始めたと聞いた時は心配しましたが、半遮面はんしゃめんでの経験が永安楼えいあんろうの経営にばっちり役立っていて、とっても頼もしかったです。

 

前回、雷敬らいけい簫欽言しょうきんげんに操られていたと結論付けましたが、本当に雷敬らいけいを操っていたのは顧千帆こせんはんだったようです。

簫欽言しょうきんげんに騙されたことで、成長した様子の顧千帆こせんはん。末恐ろしいです。

 

今の所、皇帝は欧陽おうよう西京せいけい斉牧せいぼくと組み皇后を陥れるために「夜宴図」の贋作を作ったと思っています。

けれど、これは結構危ういと思いました。

欧陽おうようたちが「夜宴図」が本物だと証明することができれば、皇帝の信頼を完全回復することもできそうです。

 

欧陽おうようは、小さな州に飛ばされてしまうみたいですが、例えばそこで画業をやめ隠棲中の王靄おうあい(「夜宴図」の作者)がいたりして、王靄おうあいが「夜宴図」を本物だと証言したら…。

とか、考えてしまいました。

34話で盼児ふんじは、王靄おうあいが画業を辞めたと言っていましたが生死については言っていませんでした。

なのでまだ生きている可能性もありそうです。

 

盼児ふんじ顧千帆こせんはんが仲直りしたことを知り、引章いんしょうは珊瑚の指輪(?)を川に捨てました。

あれは何でしょう?

26話で沈如琢しんじょたく引章いんしょうが珊瑚を好きなのだと考え家中の珊瑚製品を引章いんしょうに贈りました。

実のところ、機嫌の悪かった引章いんしょう盼児ふんじ顧千帆こせんはんからもらった珊瑚を思い出し「珊瑚がいい」と言ったわけですが。

今回捨てたのは、あの時にもらったものの1つでしょうか。

分かりませんが、完全に引章いんしょう顧千帆こせんはんのことを諦めたという意味なのだと、受け取りました。

 

最初の頃心配していたような、女同士の血みどろの戦いにならなくて、本当に良かったです。