永楽帝~大明天下の輝き~ #12 皇子たちの軍才 あらすじ

 

 

 

胡惟庸こいようを訪ねていた朱亮祖しゅりょうそは、密偵を警戒する必要はないと笑った。

検校けんぎょうの長は楊憲ようけんだったが今活動している密偵の長は皇帝なのだと胡惟庸こいようは話した。

 

胡惟庸こいようは、数日中に迷惑をかけることになるというそう国公への伝言を朱亮祖しゅりょうそに託した。

 

涂節とせつ胡惟庸こいようが昇進し権力を独占したことを祝福した。

胡惟庸こいようは、”恐らく陛下は私の心の内を探ろうとしている”と話した。

 

胡惟庸こいようは、皇帝が親軍を持つことと、年長の王を就藩させることを進言した。

 

皇帝は胡惟庸こいように心の内を読まれたことに感嘆した。

皇后は、決して魏徴ぎちょうは太宗の歓心を買う話はしなかったことを挙げ、胡惟庸こいようのしていることは皇帝に合わせているだけだと話した。

 

皇帝はしん王、しん王、えん王に武試を行うよう勅令を出した。

 

しん王は精衛を集め始めた。

しん王は、王妃病の報せを受けた。

 

しん王妃は見舞いに来た伯雅倫海別パヤルンハイベに、諸王が就藩すれば公侯は全ての兵権を失うことと、自分もしん王について西安に行かなければならないことを話した。

しん王妃は、鳳陽ほうようへ行き各王の能力を見てくるよう伯雅倫海別パヤルンハイベに命じた。

 

太子は5~12番目の弟たちと息子を連れ鳳陽ほうように向かった。

伯雅倫海別パヤルンハイベ雄英ゆうえいについて鳳陽ほうように向かった。

 

張武ちょうぶは、田植えの時期に軍の訓練をするしん王に文句を言っていた。

そこに太子からの伝令がやってきて千の兵を率いてしん王・しん王と演武を行うよう命じた。

張武ちょうぶは、朱棣しゅていの正体を知った。

 

妙雲みょううんは、自分の宝飾品を抵当に入れ銭にし、えん軍に従軍する者に銭を配り、負傷した際は責任をもって養うと話した。

 

演武当日。

朱棣しゅていしん王軍を降し、次はしん王との戦いだ。

太子の隣で戦いを見守る李文忠りぶんちゅうは、軍の後方にいるしん王ではなく、先頭で兵を率いる朱棣しゅていが勝つだろうと予想した。

予想通り朱棣しゅてい率いるえん軍が勝った。

 

演武のあと、祝宴が開かれた。

太子は朱棣しゅていを立たせ”えん王に祝福を”と杯を挙げた。

場は一時凍り付いた。

 

しん王は面白くない様子で宴席を去った。

 

妙雲みょううんは祝宴中も負傷兵を見舞った。

負傷兵が誰の配下だろうと同じように声をかけ労わった。

 

朱棣しゅていが勝ったという報告を受けた皇帝は、配下の前ではクールに装っていたものの、皇后と2人になると喜びはしゃいだ。

 

文武両道で誇り高いしん王は朱棣しゅていに負けたことの怒りが収まらず鳳陽ほうようを去ろうとした。

太子の追手は追いかけ捕まえると50たたきの刑にした。

 

太子は朱棣しゅていを連れ田畑を見に行き、様々な話をした。

都や中都は豪華絢爛だが、それは外面でしかないこと。

外面を整えることも使節に見くびられないためには重要であること。

 

太子は妙雲みょううんの働きを褒め、自分の周りには妙雲ほど気の回る者はいないと話した。

農業が繁忙期の今演武を行うべきではないと朱棣しゅていは話し、官吏の不正のことにも話は及んだ。

 

 

 

 

感想

 

そう国公=李文忠りぶんちゅう(字・思本しほん)/息子 李景隆りけいりゅう(字・九江きゅうこう

国公=徐達じょたつ(字・天徳てんとく

てい国公=常茂じょうも

そう国公=馮勝ふうしょう

韓国公=李善長りぜんちょう

長興ちょうこう侯=耿炳文こうへいぶん

潁川えいせん候=傅友徳ふゆうとく

永嘉えいか侯=朱亮祖しゅりょうそ/息子 朱暹しゅせん

誠意伯=劉基りゅうき(字・伯温はくおん

北元ほくげんせい王=王保保おうほうほう拡廓帖木児ココテムル

(●は悪事を働いた人物)

 

開始早々名前の出てきたそう国公の顔が浮かばず、爵位を持つ人の名前をまとめました。

そして気づきました。

宋国公はまだ名前しか出てきていないと。

顔がまだ出てきてないから思い浮かばないのも当然でした。

今の所、淮西わいせいの件で悪事を働いていた一味のボス的な人物という印象です。

 

今まで名前が出てきた場面は…

・侍衛親軍のここ2年での百戸ひゃっこ以上の新入り43名中35名が淮西わいせいの子弟で、近年親軍の管理は馮勝ふうしょうがしていると太子が話していました。(3話)

・4話で妙雲みょううんに婚礼祝いを送っていました。

・5話で兵糧を横領していて李景隆りけいりゅうに斬首にされた官吏は「私の推挙人はそう国公です」と言っていました。

・妙雲に婚姻祝いを届けたのは公爵家ではそう国公だけだと太子が話していました(5話)。

そう国公は鉄鉉てつげんを捕らえるため開封かいほうの検問強化を命じていました(5話)。

・戦地にいる傅友徳ふゆうとく耿炳文こうへいぶんそう国公から伝達が届きました(7話)。

そう国公は家人が民田を略奪するのを黙認したと胡惟庸こいようは皇帝に奏上しました(7話)。

・9話、涂節とせつ胡惟庸こいようの話の中で、胡惟庸こいよう朱亮祖しゅりょうそを来させたのはそう国公で、その狙いは胡惟庸こいようが自分たちの船に残るかを探らせるためだと話していました。(仲間を集めて皇帝が思い切った手を打たないよう対抗)

胡惟庸こいよう馮勝ふうしょう…は聡明」(9話)

 

思っていたよりも、暗躍していました。

 

 

謎の人物”保児ほうじ”について。

(謎と言っていますが、この記事を書いた翌週になって、1話で保児ほうじ李文忠りぶんちゅうの幼名と注釈ついていることに気づきました…真顔

保児ほうじという人がたまに皇帝と皇后の話の中に登場し、今まではまだ出てきていない人だろうとスルーしていたのですが、どうやら李文忠りぶんちゅうのことらしいと12話まで来てやっと理解しました。

 

例えば7話で皇后は、身内である保児ほうじ淮西わいせいの件に関わっていないと言っていたりと、たまに出てくる保児ほうじさん。

 

今回皇帝は「北平ほくへいから保児ほうじを呼び戻し武試を仕切らせよう」と言っており、そして演武の場に現れたのが李文忠りぶんちゅうだったので、やっと謎が解けました。

 

李文忠りぶんちゅうのことを朱棣しゅていが「従兄上」と呼んで李景隆りけいりゅうに嫌がられていた(5話)ことや、親族から允炆いんぶんの兵法の教師を探すと言って李景隆りけいりゅうが選ばれた理由(10話)がやっと分かりました。

(1話で妙雲は、李文忠りぶんちゅうが皇帝の甥だと言っていました。)

それにしても、1人の人が名前持ちすぎーっ!

 

 

胡惟庸こいようは皇帝の考えを読んでいるので、皇帝の思惑通りにはなかなか動きません。

 

朱棣しゅていが演武で勝ったのは、従軍する前から他の科目はそっちのけで熱心に研究していたことや、実際に従軍経験を持つことからも当然のような気がします。

 

ですので、文武両道が売りのしん王が負けたことを必要以上に悔しがる必要はないし、偉い人なんだから、軍師を招けばいいと思うのです。

なので、お願いだから心を病んで魔王化しないでください。

 

建国したばかりの国だからか、皇帝一家が普通の家族に近い雰囲気で接しているのが好きでした。

兄妹や親子、夫婦の中が近い感じが良かったので、どうか穏便にお願いします。