永楽帝~大明天下の輝き~ #4 飴と鞭 あらすじ

 

 

 

皇帝の相談役である李善長りぜんちょうは、藍玉らんぎょくが太子妃の唯一の叔父であることから、処罰に手心を加えるよう皇帝に意見した。

皇帝・朱元璋は藍玉らんぎょくの処遇について太子に意見を求めた。

太子は外戚だからこそより賞罰を明確にすべきであり、還暦を過ぎ李善長りぜんちょうは分別を失い始めていると話した。

 

徐達じょたつが将軍に戻ったことで中書右丞相の地位が空いている。

太子は劉基りゅうきを推薦した。

 

徐妙雲じょみょううんは、太子に手伝ってもらい連日届く婚礼祝いの品を、建設中の朱棣しゅていの屋敷に移した。

余計な物を挟み込まれないようににするためである。

太子からこの話を聞いた皇帝は、どうやって徐達じょたつはこれほど賢い娘を育てたのだろうかと言って笑った。

皇帝と太子は、朱棣しゅていは恐妻家になるだろうと冗談を言った。

 

伯雅倫海別パヤルンハイベは、藍玉らんぎょくの所業を皇帝の耳に入れてくれた朱棣しゅていに恩義を感じ、世話をしていた。朱棣しゅていは悪態をつき、伯雅倫海別パヤルンハイベを追い払った。

 

徐達じょたつ伯雅倫海別パヤルンハイベの処遇について朱棣しゅていに相談した。朱棣しゅていは都に送り、しん王府でしん王妃に任せることを提案した。しん王妃は伯雅倫海別パヤルンハイベの叔母なのだ。

 

胡惟庸こいようが中書左丞に抜擢された。

 

太子は劉基りゅうきに会いに行き、胡惟庸こいようが選ばれたのは戦の間淮西わいせい派をなだめる為だと話した。劉基りゅうきは、今の中書省は大きな棺も同然と語った。

 

皇帝は太子に、胡惟庸こいようを選んだ理由を語った。淮西わいせい派であることと、開国の功臣の中で最も経験の浅い胡惟庸こいように経験を積ませるためであること。

 

乃児不花ナルプファ徐達じょたつに面会し、明兵3千と伯雅倫海別パヤルンハイベの交換を申し出た。

 

耿炳文こうへいぶんらは、拡廓帖木児ココテムルが約束を守らないことを理由に反対したが、徐達じょたつは応じた。

 

約束の期日は3日後である。

裏があると考えた徐達じょたつは、大営を攻めることにし、翌朝出陣した。

拡廓帖木児ココテムルの軍勢は待ち構えており、戦闘となった。

朱棣しゅていの属する部隊は壊滅状態となったが朱棣しゅていは生き残った。

 

拡廓帖木児ココテムルは徐達が来る前に大営に戻った。

 

盛庸せいようは、拡廓ココ遼東りょうとう開元かいげん王と不仲であると徐達じょたつに教えた。

 

拡廓ココ開元かいげん王に援軍を頼んでいたが、一向に届かなかった。

 

拡廓ココ乃児不花ナルプファは、撤退を勧めた。

都の貴族はげんの復興など求めておらず明に迫られれば半数は投降するだろうからだ。それに戦が続く限り拡廓ココの身は危険にさらされる。

 

しかし拡廓ココは、だからこそ戦うのだと話した。

江南を失ったげんの民は、中原からも追い出され、大都に戻り、大都も追い出されて上都に戻り、上都も失い漠北に追いやられた。

漠北も失えば行く場所はないのだ。

 

拡廓ココは、伯雅倫海別パヤルンハイベを失っても、あの時耿炳文こうへいぶんを倒しておけばよかったと後悔した。

 

 

 

 

感想

 

今回も宇宙猫状態での視聴となりました。

 

妙雲の所に届く婚礼祝いは太子に目録作りを手伝ってもらい、すべて新婚夫婦の居所(建築中)に移しました。

妙雲がこれをした理由は、何かを挟み込まれると困るから、というもの。

このことで、皇帝陛下は妙雲の賢さに感嘆していました。

 

最初見たときは、妙雲の賢さが描写されているということは把握できたものの、どこがどうすごいのか分かりませんでした。

 

しばらく考えて気づいたのは、妙雲の行動には一貫性があるということです。

 

前回、妙雲は軍の遺児リストを皇帝に差し出し、彼らに職を与えて欲しいと頼みました。

そして今回は、婚姻祝いにどんなものが贈られたのかを皇室に届け出ました。

(実際は届け出たわけではないですが、太子に手伝わせたので、皇室は妙雲のところに誰がどんなものを贈ったのか把握できました。)

 

前回と今回の共通点は、どちらも”透明性”だと思います。

徐家は、これらの軍の遺児を預かっていますよ、と届け出て、こんな贈り物をもらいましたよ、と届け出て、徐家の預かっている人員・財産について情報を皇室とシェアしました。

 

1話の最初、徐達じょたつは将軍職を外されていました。

それは、兵権を1人に任せ続けるべきではないと皇帝に側近が進言したからでした。

徐達は歴戦の英雄として長く軍を掌握していたので、もしも徐達が謀反を企てれば軍は徐達の味方に付くかもしれず、それを警戒して側近は皇帝に進言しました。

 

そして、皇帝は徐達をまもるために、徐達を将軍職から外しました。

皇帝は、徐達が謀反を企むわけはないと知りつつも、徐達のアンチたちが”徐達が謀反を企んでいます”という形で徐達を陥れることがないように将軍職から外したのだと思います。

 

ところが、北伐が上手く行かず、徐達は将軍職に返り咲き、再び兵権を預かることになりました。

 

今、徐家に求められているのは清廉潔白だとアピールすることなのだと思います。

 

妙雲は、そんな徐家の状況を分かっていたからこそ、軍の遺児を皇帝に預けたり贈り物の内容を皇室にシェアしたのだと思います。

 

妙雲がしていたのは、徐家は謀反のための人員や財産を蓄えていませんよーというアピールなのかな、と思いました。

そして皇帝が妙雲の賢さを褒めていたのは、妙雲が徐家の置かれている政治的状況を分かって行動していたからかもしれないと思いました。(個人の感想です)

 

 

皇太子の側室りょ氏が息子の朱允炆しゅいんぶんに厳しく教育している姿は2話でも描かれており、今回も描かれていました。

繰り返し描写されているのを見ると、これからこのりょ氏がキーパーソンになってきそうです。

今のところキツそうな女性というイメージですが、一体どんな方なのか、どう物語に関わって来るのか気になります。

悪役としてかかわって来るんじゃないかと想像してしまっています。

 

増寿ぞうじゅは、徐達が朱棣しゅていを前線に送るわけないと言っていましたが、朱棣しゅていはばっちり前線に送られており、あと少しでお亡くなりになるところでした。

本物の戦争の恐ろしさの洗礼を受けています。

 

特に皇帝周辺の政治的駆け引きみたいなものは( ゚д゚)ポカーンとしながら見ている状態なのですが、いつか分かるようになることを祈りつつ、見続けてみようと思います!