赤い袖先 第17話(最終回) 瞬間は永遠 あらすじ

 

 

 

 

1786年(正祖チョンジョ10年) 麻疹が流行し、世子セジャであるドギムの子も亡くなった。 

ドギムは妊娠中だったため、会わせてもらえなかった。

 

ドギムの悲しみは深く、何も食べられない日が続いた。 

しかし、お腹の子を守れるのはドギムにしかできないとサンに説得され、気力を取り戻した。

 

元気なったドギムは、近頃ヨンヒ・ボギョン・ギョンヒの3人組を見ていないことに気づいた。 

命じるとボギョンとギョンヒはやってきたが、ヨンヒは来なかった。 

ヨンヒは役人と密通して捕まり、死罪になることが決定した。 

ドギムには秘密にするようにとの王命が下っていたが、ボギョンは話した。

 

ドギムはヨンヒに会いに行った。 

ヨンヒは結末を分かっていても、自分の望む通りに生きてみたくて選んだ結果だと話した。

 

ドギムはサンになぜ隠したのか尋ねた。 

サンは隠すのが一番だと思ったと話し、法は万人に等しく適用しなければならず、例外は作れないと言った。

 

かつて、王宮を出たら老後は貸本屋の近くに家を建てて4人で住んで小説を思う存分読もうと語ったことがあった。 

ヨンヒはきっとそこで待っているのだと みんなで慰め合い、絶対に先に逝かない約束をした。

 

ドギムはサンを訪ね、子を失いひどい態度をとったことを詫びた。 

サンも態度には表せないが、悲しかったはずだと。 

春になり、離れの花が咲いたら、サンがまだ東宮トングンで平穏だったころのように一緒に花を見たいとドギムは話した。 

しかしその木はもう花を咲かせない。

 

流刑になっていた大妃テビの兄が亡くなった。 

報告を受けた大妃テビだったが、大妃テビである以上王宮から一歩も出ることはできず、兄の弔問にも行けない。

王宮は華やかな牢獄なのだと大妃テビは語った。

 

サンが風邪をひき、ドギムは看病に行った。 

妊娠中なのだから早く帰れというと、ドギムはもう少しいるという。 

自分は生来の天邪鬼なのだとドギムは話した。 

ところが、触れてみるとドギムの方が熱く、ドギムは倒れた。

 

3日間眠り続けたドギムは、目覚めると枕元にいたソ尚宮サングンに、ギョンヒとボギョンを呼ぶよう頼んだ。 

しかしソ尚宮サングンはサンを呼びに行った。 

サンが来たが、再度ドギムは2人を呼ぶよう命じ、逝く前に会わなければならないと話した。

 

自分には会いたくなかったかとサンが問うと、ドギムは自分には2人しかいないのだと語った。 

サンは、自分が無理やりドギムを側室にしなければ、こうならなかったと語った。 

ドギムは来世でもし自分を見かけても、通り過ぎ、望むように生きさせてほしいと頼んだ。

自分を少しも恋慕しなかったのか、とサンが問うと、もし望まなければ遠くに逃げていたはずだと答え、息絶えた。

 

サンは新しく側室を迎えなければならなかった。 

サンが自ら選んだ側室はドギムだけだったので、候補者はどことなくドギムに似た者が選ばれたが、サンは激怒し選び直しとなった。 

新しく選ばれた側室は少しもドギムに似ていなかった。

 

サンは王としての義務を果たすため、ドギムのことを忘れて生きようと決意した。

 

かつてないほどの太平の世になった。 

サンは禁衛営クミヨンの訓練風景を視察し、目をつけた兵に声をかけた。 

その兵はドギムの兄の子だった。 

ちょうど5日後は、ドギムの命日だ。 

サンは久しぶりにドギムのことを思い出し離れに向かった。 

離れはなに1つ手をつけず、残されていた。

 

サンはドギムのことを覚えている者を探させた。 

すると、提調チェジョ尚宮サングンとなったギョンヒがやってきた。 

ボギョンも一昨年亡くなり、残ったのはギョンヒだけだという。 

 

ギョンヒはドギムの遺品をサンに渡した。 

サンは、ドギムが最期に友を呼んだことや、来世では声をかけないでほしいと頼んだことを話した。

それはドギムの せめてもの強がりだとギョンヒは話し、ドギムもサンのことを心から愛していたのだと話そうとしたが、サンはギョンヒの口からドギムの想いを聞くつもりはなく言葉を遮った。

 

遺品を見ながら、サンはドギムと過ごした日々を思い出した。

 

月日が経ち、サンは病になった。目覚めるとドギムの膝の上で居眠りをしていた。 

サンは決して祖父のようには愛さず、必ず守るとドギムに誓った。 

 

2人は離れの庭で共に花を見て、サンはドギムに愛を請うた。

 

 

 

 

 

 

感想

 

 

スピーディーに駆け抜けた赤い袖先、遂に完結です。

 

開始早々、ドギムの産んだ世子セジャが亡くなりました。 

どうやらドギムは最初の出産で無事に男の子を生んでいたようです。 

けれど亡くなってしまい、気の毒に思っていたら、今度はヨンヒが密通の罪で死罪。

 

はぁ?死罪って重すぎだろ!?もちろん相手の男も死罪にしてくれたんですよねぇ? 平等に罪を科すっていうんなら、もちろん相手の男も死罪ですよねぇ? 

と悲しみと怒りでぐちゃぐちゃになりながら見ていたら、まさかのドギムも死んでしまいました。 真顔

歴史を知らないと、こういう不意打ちを食らうので怖いです。

 

前回、ドギムがサンの側室になったと判明して4人で集まった時、ギョンヒが男に心を許してはいけないとアドバイスしたのに対して、ヨンヒは受け入れて最善を尽くしていれば小さな幸せがあるとアドバイスしていました。 

家計のために嫌いな宮女になったけれど、その中で小さな幸せを見つけようとしたヨンヒが行きついた先が密通。

しかも露見して死罪。

 

ヨンヒは生きたいように生きて後悔はないと話していましたが、やるせない気持ちになりました。 

どう考えても死罪は重すぎると思います。 

(ちょっと調べたら、密通が罪だったのは捨てられた方の女性は1人で生きていけないからだという説明を見つけました。女性が1人で生きていける時代ではなかったから、不倫したら不倫相手の奥さんを殺すくらいの罪の重さがあったと言うことのようです。)

…この刑を使って悪役がライバルを蹴落とすドラマとかありそう!? 殺したい相手を葬るのに使えそうですね。

 

ドギムの最期の言葉には衝撃でした。

来世では素通りしてほしい、望むように生かしてほしいという言葉。 

後からギョンヒがフォローしてくれましたし、今までドギムがサンを好きなんだ、というのはドラマを見てきて分かっていましたが、私の知らない後宮生活で辛い思いをたくさんしたのかなと心配になりました。

サンも“宮女のままだったら、こうはならなかった。”とドギムを看取りながら後悔するような言葉をかけていたので、側室になったことで毒を盛られたり殺されかけたりたくさんしたのかもしれないと思ってしまいました。後宮で生きる人の寿命は外界と比べて短いと別のドラマで見たので心配です。

 

ドギムが亡くなってからは、太平の世を築くためにドギムのことを忘れてサンは生きました。 

そして実際に世の中は良くなり、ずっと文句しか言わなかった臣下が褒めてくれて(この場面、よかったですね)、そしてサンは病になり…。

 

もう最終回なので、調べたかったことを調べることにしました。 

サン(正祖チョンジョ)は1752年生まれで、没年が1800年。

在位期間は1776年(24歳)から1800年(48歳)でした。 

 

 

ドギム(宜嬪)は、1753年生まれで、1780年(27歳)に嫁ぎ、1786年(33歳)にお亡くなりになっています。 

 

 

ドラマで描かれていた通り、ほとんど同い年の2人。 

最初の出会いは9歳くらいで、大人になって再会したのが20歳ころなのかなぁと想像しています。 

 

ドギムが早く亡くなってしまったのには驚きましたが、サンも48歳で亡くなってしまうんですね。 

英祖が長生きだったので、孫も長生きだろうと思っていましたが、違ったようです。 

 

そうだとすると、最後の方でサンが病になり、目覚めるとドギムの膝で寝ていた場面は、あれはサンが亡くなったことを意味していたのかもしれないと思いました。 

この膝の上で目覚める場面は、前話に同じ場面がありました。

臣下が派閥争いばかりしているので、ドギムのところに癒されに来た場面。 

ドギムの膝の上で寝てしまったサンは、ハッとしたように目を覚まして「ドギムここに居たか」と言うのです。

 

前話では、“急にどうした?怖い夢でも見たか?”と不思議に思いましたが、最終回を見て繋がりました。 

亡くなった(?)サンが、これからの2人に起こる全てを見てきたうえで、あの場面を迎え、そのうえで「私は決して祖父のようには愛さぬ。必ず守り抜く」という言葉を言ったのだとしたら…震えます。

 

前回は、言葉を伝えると、サンは政務に行ってしまうのですが、今回は、未来のドギムが望んだお花見に2人で行きます。

ほんの少し未来が変わっているんです。 

 

未来では、もう離れの木は花を咲かせなくなってしまったことがほのめかされていました。 

けれど、今はまだ咲いている。 

 

ドギムを早く死なせてしまった未来を見てきたサンが、ドギムを早死にさせない未来を得るために何度もタイムリープしてるのだとしたら、面白いなと思いました。 

サンが亡くなってリセットされると、ドギムの膝の上で目覚めてドギムが幸せになるまでやり直しです(笑)

 

最終回、泣きましたー。