尚食(しょうしょく)~美味なる恋は紫禁城で~ #21 天命に抗う者 あらすじ

 

 

 

姚子衿ようしきんが持ち帰った絵を広げてみると、そこには猿の親子の絵が描かれていた。

シミができてしまっていたのを、姚子衿ようしきんは修復し皇太子に返した。

 

皇后は、皇太子妃の侍女を新しく送り込んだ。

未だ跡継ぎのできない皇太子が彼女たちの誰かを気に入れば世継ぎ誕生につながると期待してのことだ。

 

皇太子は新しい侍女達を送り返したが、皇后は皆が世継ぎ誕生を心待ちにしていることを話した。 

世継ぎができなくて責められるのは妃嬪達だと、皇后は分かっているのだ。

 

皇太子は若い自分はいつでも世継ぎを望めると皇后をはねつけたが、皇后の頭の中には姚子衿の姿があった。

 

姚子衿ようしきんは皇后から夜食を持ってくるよう言われ届けた。

 

かつて、姚子衿ようしきんが皇太孫妃候補から外れた時、当時皇太子妃だった皇后は、姚子衿ようしきんを皇太孫嬪にしようとした。

 

その時、姚子衿は自分が後宮に入れば災いを招くと言って嫁がなかった。

 

皇后は、宮仕えをして皇宮の富と栄華を知れば、姚子衿ようしきん自ら嫁ぎたいと言ってくるはずだと言った。

 

姚子衿ようしきんは実際に宮仕えをし、皇宮の栄華を見、皇太子のことも好きになったと皇后に話した。

 

皇后は、2人は天命で結ばれていると言い、姚子衿を皇太子嬪にすると宣言した。

 

姚子衿は、愛と自由は両立しない、妃にはなりたくない、頑固で愚かな自分は皇太子にふさわしくないと言って拒絶した。

 

皇后は、姚子衿ようしきんがどこまで天命に抗えるか見守ることにした。

 

 

胡善囲こぜんいは、密かに皇太子妃・胡善祥こぜんしょうに会い、やさしい言葉をかけた。

皇太子妃はいつもと違う胡善囲こぜんいの様子に気づいた。

 

殷紫萍いんしへいは宮中で梅少淵ばいしょうえんの姿を見かけ、行雲草舎こううんそうしゃ(皇太子の住処)に盗み見に行った。

後をつけた姚子衿は、梅少淵ばいしょうえん殷紫萍いんしへいの想い人なのだと思った。

 

梅少淵ばいしょうえんは宦官の不正について皇太子に訴えに来たが、皇太子は皇帝のお気に入りの宦官を糾弾すれば自分が陥れられると言って話を聞くに留めた。

皇太子はむやみな弾劾は恨みを買うと言って、清廉すぎる梅少淵ばいしょうえんを諭した。

 

上元節じょうげんせつには宴が開かれる。

未だ尚食しょうしょくの座にある胡善囲こぜんいは、上元節じょうげんせつの宴での勝負を孟紫澐もうしうんに挑んだ。

胡善囲こぜんいは、負けたら宮中を去る覚悟であり、孟紫澐もうしうんは勝負を受けることにした。

 

 

姚子衿は殷紫萍に頼まれ、甜豆花てんとうかを作った。

甜豆花てんとうか梅少淵ばいしょうえんの故郷の味だ。

さらに姚子衿は殷紫萍いんしへいの作った料理をお土産として梅少淵ばいしょうえんに渡した。

 

笑顔でお土産を渡す姚子衿ようしきんの姿を見て、皇太子は嫉妬した。

 

お土産の餅の具は可食虫類だった。

姚子衿ようしきん梅少淵ばいしょうえんのことを殷紫萍いんしへいの想い人だと勘違いし喜んで協力していたが、殷紫萍は梅少淵ばいしょうえんを恨んでいて復讐したかったらしい。

 

殷紫萍いんしへい梅少淵ばいしょうえんの巾着を盗もうとし、見つかって謝ったが逮捕され、その後も世話を焼かれ稼いだお金を巻き上げられたことを話した。

 

姚子衿ようしきんは、梅少淵ばいしょうえん殷紫萍いんしへいを更生させるためには逮捕するべきだと考え逮捕し、出所後は身元引受人になったいい人に違いないと話した。

 

 

仕事中、姚子衿ようしきんの上に棚が倒れ大怪我を負った。宦官が故意に棚を倒したようであった。

 

蘇月華そげっかは、游一帆ゆういつはんに黒幕はあなたかと尋ねに行った。

 

姚子衿ようしきんは目覚めたが、手は痛み続けた。

孟紫澐は後遺症を心配した。

 

宦官は捕らえられ、宮正司きゅうせいしに連れて行かれた。

 

 

 

 

感想

 

今回のタイトル「天命に抗う者」がカッコ良すぎです!

 

 

初めて(?)、料理のできない人でも挑戦できそうな料理が出てきました。 

菊花豆腐です。

豆腐の下の部分を残して、細かく縦横に切り込みを入れ、上からスープをかけると菊の花のようにふわっと豆腐が広がります。

中央にクコの実(ではなさそうですが、赤い何か)を飾れば出来上がり。

作っているところを見る感じ、1分でできそうです。

 

これができれば、おもてなし料理の格が一段上がります。

ただし、良い包丁と包丁さばきが必要です。

 

 

やっと1話の姚子衿の言葉の意味が分かりました。

飲食の道とは?と問われ、姚子衿は「父が私を嫁がせようとするので、どうしても宮中に入りたいのです」

と言っていました。

 

このセリフは、本当のことだったのです。

これは、皇太孫に嫁がされそうになったので、どうしても宮中に入りたいということだったんですね。

 

凄く驚いたのは、神がかり的にすごい超人・姚子衿さんにも半年間窓の外を見て過ごしていた時期があるということです。

 

皇太孫妃に選ばれなかったことが、姚子衿の初めての挫折だったのでしょうか。

半年窓の外を見て過ごしていたところに、皇太子妃(当時の)がやってきて、姚子衿を皇太孫嬪にすると言い出しました。

 

姚子衿は断り、皇太子妃(当時)は、皇宮を見れば自分から後宮に入りたいというはずだと、姚子衿を働かせることにしたようです。

 

姚子衿は皇宮で働き自由な世界を知り(現代人には理解しにくいですが、皇太子妃になるために教育を受けていた日々に比べると自由なのかもしれません)、皇太子妃(当時)の思惑とは裏腹にますます後宮に入りたくなくなりました。

 

 

姚子衿さんの気持ちは、分かりました。

そうだとすると、今後の姚子衿と皇太子のお話はどうなるのでしょうか?

 

2通り考えられます。

①姚子衿はお仕事の道を進み、皇太子とは一緒にならない。

②皇太子と一緒になる。

 

これ、今のところ姚子衿の考えの中に②の道はありません。

もしも②になるのだとしたら、その過程に一体どんなことがあって姚子衿の考えが変わるのか、すごく興味があります。

この強い姚子衿さんを変えられるとしたら、それは一体どんな出来事…?

 

 

皇后が、皇太子に世継ぎのことを言った場面を見て、これまで皇后がどれだけ苦しむ妃嬪達を見てきたかが分かり、心強くもあり悲哀も感じました。

聖書は、蛇に唆されたイブがりんごを先に食べて、アダムもイブに勧められてリンゴを食べ楽園を追放された、みたいな話です。

まず、女が悪い、みたいなね。

 

そしてマリ―・アントワネットとルイ16世の話もマリ―・アントワネットが悪い、みたいなね。

楊貴妃と玄宗皇帝の話も楊貴妃が悪女にされて。

最終決定権は男にある時代なのだから、全ての責任も男にあるはず。

なのに失敗の責任は全て女に押しつけられて悪女だとされました。

 

皇后の言っていたように、子供のできないのも女性のせいにされたんですよね。長い間。

だから皇后が皇太子に言ってくれたのは心強かったです。

(皇太子妃の立場になれば、側室候補を自分の侍女として送り込まれるってのは屈辱かもしれませんが。)

 

 

 

癒しの場面は梅少淵ばいしょうえんと殷紫萍の場面です。姚子衿は梅少淵ばいしょうえん殷紫萍いんしへいの想い人だと思って、にまにましながら協力していたのに、気付いたら復讐の道具にされていたっていうね。

 

嫉妬する皇太子殿下もかわいらしかったです。

 

姚子衿を殺そうとした黒幕は誰なのか。

蘇月華そげっか游一帆ゆういつはんだと思っていましたが、どうやら違いそうです。游一帆ゆういつはんは、姚子衿ようしきんが重傷を負ったと聞いて、剣を持って現場に向かおうとしていたので。

胡家でしょうか?

 

姚子衿ようしきんの手が、心配です。