尚食(しょうしょく)~美味なる恋は紫禁城で~ #17 名画の再現 あらすじ
姚子衿は行雲草舎に花を飾る皇太子妃・胡善祥の姿を見て、病床の義母の姿を思い浮かべた。
記憶の中の義母は、姚子衿が宮中に入り本来の地位を奪い返さなければ、自分は安らかに死ねないと訴えていた。
姚子衿は皇太子・朱瞻基に、一生 尚食局で女官として勤めたい、妃嬪にはなりたくないと話した。
皇太子は二度と姚子衿に会いたくないと叫んだ。
皇后は、皇帝・朱高熾のために縫った衣を捨てさせた。皇后は、自分たちのような夫婦になってほしくないと思い、皇太子妃と仲直りするよう皇太子に口添えした。
尚食局を二分して勝負が行われることになった。
お題は「古」。皇后が決めたもので、顔真卿の書体で文字は書かれていた。
尚食・胡善囲と蘇月華を中心とするグループと尚食・孟紫澐が率いるグループに分かれて競われる。姚子衿と殷紫萍は孟尚食のグループに加わった。
一局目の相手は蘇月華だ。殷紫萍は一局目に立候補し認められた。
皇太子妃は行雲草舎にやってきて書物の整理や皇太子の世話をしていた。
皇太子はその姿に姚子衿の幻を見ていた。
姚子衿は徹夜をし、記憶を元に輞川図を描いていた。
輞川図とは、晩年輞川に隠居した王維が残した絵で、唐の梵正という厨師は食材でこの絵の景観を表現したことで知られている。
そこに游一帆がやってきて、協力関係を築かないかという提案(14話)の答えを求めた。
姚子衿は断り、なぜ朱瞻基を憎んでいるのか問いかけ、皇太子を探り父子の間を裂こうとするのをやめるよう言った。
2人の話し合いは決裂し、游一帆は立ち去った。
游一帆は蘇月華と接触した。
姚子衿は、輞川図がなくなっているのに気づいた。
蘇月華は姚子衿の書いた輞川図を元に、食材で輞川図を完成させると胡善囲に提案していた。
殷紫萍はその場に乗り込み、姚子衿が描いた絵だと抗議したが、証拠がなく引き下がるしかなかった。
激昂する殷紫萍に、姚子衿は笑顔を向け、冷静になるよう諭した。
後宮の女性たちが集まり、尚食局の勝負が始まった。
蘇月華は冬瓜等の冷菜を使い輞川図を見事に再現した。
集まった妃嬪たちは、王維の傑作になぞらえた料理の美しさに魅了された。呉才人だけは、輞川図を知らないのでつまらなそうにしていた。
郭氏は景色を絶賛したが、配置された人物が場違いであると指摘した。
姚子衿のグループは、二十四節気をイメージして24種類のワンタンを作った。
季節外れの野菜は温室で育てたものを使った。そのぶん風味が落ちるので、そこを手間と工夫で補ってある。
皇后は孟尚食に「よい人材を育てている」と声をかけた。
感想
姚子衿は皇太子の妃嬪になりたくないと言い、皇太子は姚子衿に二度と会いたくないと言い…。
このまま2人は別の道を歩むことに…とはなりませんよね!?
どうなんですか?
ラブが、ラブが少しでもいいので欲しいです。
姚子衿の絵のうまさに脱帽です。
下書きもなく、大作の絵を描き上げました。
しかも一晩で。神業。
私は絵心が全くないくせに、絵のうまい人の話を聞くのが好きです。
仕入れた情報によると、絵のうまい人は、まず円を描くのが上手いそうです。
コンパスなど使わずにフリーハンドで思い通りの円が描けるのだそう。
姚子衿さんもその類の方でしょうね。
その上料理もうまいしそれ以外にもプロ並みにできることがいっぱいあるって、一体どうなっているんだ!”苛烈なしつけ”の賜物は半端ないですね。
輞川図を蘇月華(?)が盗んだ件について、証拠がないと姚子衿はあっさり引き下がってしまいましたが、”証拠はここで作れるんですよ!姚子衿さん!”と言いたかったです。
この場で同じ絵を描けばいいだけです。
姚子衿なら簡単にやってのけると思います。メーヘレン事件の裁判のように。
(このドラマには何の関係もございませんが、↑この動画面白いのでお勧めです。お時間がありましたら、ぜひ。)
けれど、姚子衿はそうしませんでした。
彼女は、この場で証拠を作り出すということが思いつかなかったわけではないと思います。
これほど賢い方なのだから、こんなのはすぐに思いつくはずです。
つまり、あえてやらなかったのです。
姚子衿は、汚い手を使って勝とうとする者を最も効果的に打ちのめす方法を知っているんだと思います。
汚い手を使って勝とうとする者を撃沈させるには、正々堂々と戦って勝てばいいのです。
姚子衿にはその策がこの時点で思いついていたのでしょう。
さすが物語のヒロインです。痺れました。
蘇月華に姚子衿の絵のことを教えたのは游一帆だと思うのですが、蘇月華は游一帆のせいで殺人の片棒を担がされた(11話。漢王妃殺し)のに、まだ游一帆に近づくとか正気か!?と怖くなりました。
蘇月華は悪の花道を行くつもりなのでしょうか?
「私には道義に背いてでも成し遂げるべきことがある」
と蘇月華は言っていました。
それって、一体何なのでしょう?
孟紫澐のせい(濡れ衣ですが)で失墜してしまった一族の名誉を挽回するとかでしょうか?
それとも他に秘密を抱えているのでしょうか。
悪事に手を染めてでも成し遂げたいことって復讐くらいしか思い浮かばないのですけれど!?
”頭を垂れて侮笑を受け恨みを隠す。これに抗うことなし”という言葉を、姚子衿は殷紫萍に伝え、喜怒哀楽を顔に出さないようにアドバイスしました。
殷紫萍タイプの私の胸に刺さりました。冷静に(血圧をあげずに)ドラマを見られるように、いつかなりたいと思います。
相変わらず呉才人が可愛かったです。
後宮の女性は、皆 姚子衿のような訓練を積んできているので教養がありまくります。説明しなくても輞川図に気づきます。
けれど呉才人は知らないしつまらないと言ってしまう可愛さ。そしてつまみ食い。親近感がわきました。
呉才人と一緒に勝敗の行方を見守りたいと思います。