尚食(しょうしょく)~美味なる恋は紫禁城で~ #12 恋心と務め あらすじ
尚食の職を解かれた孟紫澐は、野菜運びの下働きとして尚食局に食材を届けていた。
尚食局の者の中には、孟紫澐に嫌がらせをする者もいた。
気位の高い孟紫澐は同情されたくないだろうと、姚子衿は関わらないようにした。
姚子衿は食事を届けに行雲草舎に来たが、会議が終わるのを待つ間に寝てしまった。
皇太孫・朱瞻基は眠る姚子衿を寝台に寝かせ口づけた。
目覚めた姚子衿は皇太孫に問われ、除夜の宴の準備で4日間寝ていないことを話した。
皇太孫は自分のことを奴婢だと言わぬよう姚子衿に命じた。
そしてなぜこれほど料理が好きなのか質問した。
幼い頃から厳しくしつけられた姚子衿は、狭い厨房だけが鞭から逃れられる場所だったからだと答えた。尚食局に勤めてからは、自分の能力が評価され喜びを覚えたとも。
姚子衿は琴を演奏し、皇太孫は笛の音を重ねた。
行雲草舎にやってきた皇太孫妃・胡善祥は2人の演奏を聴き、琴を奏でている者を調べさせた。
姚子衿は皇太孫妃のために料理を作り、運んだ。皇太孫妃に誘われ、姚子衿は碁を打った。
皇太孫妃は皇太孫とのことを問いただそうとしたが、姚子衿の善良な様子を見て皇太孫のことを任せることにした。
上元節の日、皇太孫は皇帝から視察に行くよう命じられた。
蘇月華は料理をしていても心ここにあらずに様子で、1人になると涙を流した。
蘇月華の師匠である司膳・王遥清は蘇月華に寄り添い、「あなたは何も悪くない」と言って抱きしめた。
女子の蹴鞠大会が開かれ、姚子衿は殷紫萍と共に見学に行った。皇太孫側妃呉才人が選手として活躍していた。
殷紫萍は流れ弾を足で器用に操り、参加するよう呉才人に言われ飛び入り参加することになった。姚子衿は手加減するよう殷紫萍にアドバイスした。
荘妃・韓氏が見当たらず探すのを手伝ってほしいと言われ、姚子衿は蹴鞠会場を去った。
殷紫萍が少し活躍すると、呉才人は気に入らない様子で殷紫萍を体当たりで阻んだ。
頭に来た殷紫萍は、何本もゴールを決め活躍し、呉才人の気持ちを逆なでした。
姚子衿は荘妃を見つけた。
彼女は1人泣いていて、迎えに来た侍女と立ち去った。
そこに皇太子妃の母・彭城伯夫人が通りかかり、姚子衿はとっさに隠れてやり過ごした。
その場を見ていた游一帆は、姚子衿を怪しみ声をかけてきた。姚子衿はどこかで会ったことがあるかと游一帆に質問したが、游一帆はあるわけないと答えた。
彭城伯夫人は蹴鞠を見学する後宮の女性たちに合流した。皇太孫妃が彭城伯夫人にお茶を運んだが、彭城伯夫人は無視した。
彭城伯夫人はかつて皇太孫妃候補を自ら選び陛下にもお墨付きを得たが、後になって胡善祥が選ばれた。胡善祥は未だ懐妊せず、彭城伯夫人は快く思っていないのだった。
皇太孫は姚子衿を捜していた。
游一帆も姚子衿を捜していた。
皇帝暗殺事件の中荘妃に差し入れをした姚子衿を捕らえた際、姚子衿のかんざしが壊れてしまった。游一帆は姚子衿に贈るかんざしを持っていた。
姚子衿と皇太孫が話しているのを見た游一帆は、かんざしをへし折り立ち去った。
皇太孫は姚子衿に、今回の視察が長くなることを話し、一緒に行こうと誘った。姚子衿はここで待つと話した。
姚子衿が尚食局に帰ると、殷紫萍が膝を抱えていた。顔は呉才人にぶたれて赤く腫れていた。
皇太孫は視察先で見つけた白い子ウサギを姚子衿に贈った。
永楽22年になった。
アルクタイが侵攻してきた。皇帝は北征を主張したが夏原吉らが反対している。皇帝は怒り心頭に発し、夏原吉を処刑しようとしていた。
皇太孫は視察から戻った。
感想
今回、かなり時間が経過しました。
第1話の冒頭、永楽20年だったのが永楽22年になりました。
前話から1年が経過しました。
姚子衿はたぶん19歳になったと予想されます。
上元節は旧暦の1月15日だそうです。
やっと姚子衿の正体が分かりました。
きっと、彭城伯夫人が皇太孫妃にしようとしていた女の子です!
皇太孫妃にするために育てられたのだとすれば、オールマイティーに全部できるのも頷けます。
絵や字もうまいし、楽器も詩も料理も。そして賢いし落ち着いている。
姚子衿が、自分が皇太孫妃候補だったと知っていたのかどうかわかりませんが、もし知っていたのだとすれば5話のタイトル「運命の2人」にも納得がいきます。
5話の過去回想の中で、姚子衿は皇太孫と”会った”と言っていたのですが、視聴者的には物陰から”姿を見た”だけで、会ってはいなくない?と思いました。
もしかしたら、回想シーン外で会ったのかもしれないけれど、ドラマに出てきた場面を見る限り、”会った”とは言えないよなぁと。
過去に見たことがあって、今気に入られているから”運命の2人”?大袈裟では?と。
運命の2人という表現に過剰さを感じていたのです。
けれど、12話を見て、もしも姚子衿が自分が皇太孫妃候補だったと知っていたなら話は違ってくると思いました。
過去に見かけたことがある皇太孫と自分は結婚するかもしれなかった。
結局それはダメにいなったけれど、尚食局で働いて間近に接する機会ができたとあれば、運命の2人と表現するのも分かります。
2人の縁は浅くはない、ですよね。
姚子衿は皇太孫から行雲草舎の人になるように言われても、一緒に視察に行こうと言われても断り職業婦人の道を選びました(?)。
皇太孫妃は姚子衿と皇太孫の関係に気づきましたが、口出ししないことに決めたようです。
皇太孫妃の侍女は”懲らしめましょう”と言ってたので 怖っ となったのですが、皇太孫妃は器が大きいです。さすが一夫多妻の世界の正妻様です。
どんな心持なのか、想像してみました。
まず、そもそも皇太孫妃は皇太孫のことを別に好きではないですよね。いい人だとは思ってると思いますが、恋はしていない。
皇太孫が姚子衿を側妃にしても皇太孫妃という自分の地位は安泰。
もしかしたら姚子衿が郭氏のように皇太孫の寵愛を笠に着て生意気に振る舞うようになるかもしれないけれど、そうなったとしても皇太孫妃はNo1で居続けられる。
(皇太子妃をみてると、そう推測できます)
正妻は強いので、大きな気持ちでいることができるのかなと思いました。
若いのに達観してるなぁ。
皇太孫の妻たちと言えば、呉才人です。
前話で、私は呉才人かわいいよね、みたいなことを書いたのですが、それを書いた後に殷紫萍に意地悪して好感度下げるのやめてください…。
でも蹴鞠の試合で殷紫萍の活躍に対抗心燃やしてる顔は可愛かったです。あの顔をドラマでできる俳優さんは、信用できる。
今回の冷や汗案件。
もしかして游一帆は当て馬なのですか!?
游一帆が姚子衿のためにかんざしを用意してプレゼントしようとしていた姿を見て、冷や汗出ました。
いやいやいやいや、当て馬に全くときめかない、と。この当て馬(?)怖すぎる。
3話の初登場シーンはカッコよかったし、年齢的に姚子衿とも釣り合うので当て馬かな、と最初は思いました。
けれどその後の活躍(嫌われまくり)をみて、無いな、と。
当て馬じゃないと判断しました。
…が、ここに来てまさかの?!
ええええええええ。この当て馬、いい仕事できる?大丈夫?ときめかせてくれる?心配しかないです。
蘇月華は、王遥清のおかげで心の中を吐き出せました。
本当は、蘇月華は孟紫澐に抱きしめてもらって、大丈夫だよと言ってほしかったんでしょうね。
でも師匠がそれを言ってくれた。師匠って親以上の存在なのかもしれないですね。
皇太孫は姚子衿に子ウサギをプレゼントしました。
なんだろう、忙しい人間(4日徹夜経験済み)にサプライズで生き物プレゼントするの、やめてもらっていいですか?
これ、うさちゃんが可哀想じゃない?と、思ってしまいました。
姚子衿は喜んでいて、ウサギに癒されていたから、そういう細けぇことは考えなくて良いんだろうと思いつつも心配になってしまいました。
残った謎。
・游一帆と姚子衿はたぶん以前に会ったことがあるんだろうけれど、それは一体どこで?
・荘妃はなぜ泣いていたの?
気になります。