3カ月でゴッソリ 太閤井戸周辺の人工浜 | 近江毎夕新聞

3カ月でゴッソリ 太閤井戸周辺の人工浜

 県湖北地域振興局が長浜市公園町の太閤井戸碑周辺の湖岸に投入した砂約百七十㌧が、投入から三カ月余りで大きく侵食され、冬を待たずに完全消滅する見通しとなった。
 昭和三十年代ごろまで大島水泳場として賑わった同所は、砂浜が波にさらわれる「浜欠け」が深刻化しており、県は平成十四年度から取り組んだ琵琶湖河川再生事業で幾度も大量の砂を投入したが、一冬が過ぎるとほぼ完全に消失。抜本的な対策のないまま砂を投入する姿勢に疑問の声が上がっていた。
 浜欠けが陸部分にも及び、道路わきの大灯ろうが倒壊する危険が増したことから、県では昨年十月にワイヤーネット入りの砂利を侵食部分に並べる応急工事に取り組み、今年二月中旬、侵食対策のないまま、再び砂利百七十㌧を投入していた。投入経費は約百万円。
 なお、県は豊公園自由広場西側の湖岸でも人工浜を造成したが、侵食が収まらず、立ち入り禁止が続いている。
 湖北地域振興局の話「太閤井戸周辺の砂投入は今回が始めてと聞いている。侵食が確認されたので、何らかの対策を検討したい」。
〔写真〕上=4月20日の湖岸、下=砂利投入からわずか3カ月で浸食が目立つ湖岸