障害児子育て体験を本に 湖北の障害者活動牽引する川瀬さん | 近江毎夕新聞

障害児子育て体験を本に 湖北の障害者活動牽引する川瀬さん

 ポリオ(急性灰白髄炎)ワクチンによるポリオ感染症の長男と、脳性マヒの障害を抱える長女を育て、湖北の障害者活動の一線に立ち続ける、湖北町速水の川瀬とし江さん(61)=写真=がこのほど、自身の子育て体験をつづった著作「あしたにいっぽ―重症心身障害児二人の子育て」を出版した。発行は京都市の出版社、文理閣。
 川瀬さんの長男、故・信明さんは生後十カ月で受けたポリオワクチンでポリオに感染し、心臓、股関節手術などを乗り越え、重度障害と闘い続けたが十年前の平成八年に二十六歳で死去。二人目に誕生した愛子さんも脳性マヒの障害を抱えている。
 川瀬さん夫婦は当初、絶望のふちに立たされるが、子どもの笑顔に触れ続けるうちに、子の生きる道を模索。行政との粘り強い折衝の末に保育所入所を実現したほか、昭和五十一年には、湖北初の障害児サークル「葦の芽」を設立し、障害者福祉活動の輪を広げた。現在は「湖北の重症心身障害者の福祉を考えるガンバの会」会長。
 本は、ひかり福祉会の役員、立岡晄さんらの支援で、信明さんの十回忌を記念して出版され、二十八日に川瀬さんの自宅で、共に活動する約八十人とともに出版記念パーティーを開いた。
 本は二千部発刊。千五百円。川瀬さん(ファックス63―6725)か、文理閣(同075―351―7560)へ申し込む。