「琵琶湖環状線」きょうから JR高月駅で記念式典 催し各所で | 近江毎夕新聞

「琵琶湖環状線」きょうから JR高月駅で記念式典 催し各所で

 JR北陸線の長浜―敦賀駅間と、湖西線の永原―近江塩津駅間が二十一日から直流化され、長浜駅以北に新快速が乗り入れる新ダイヤでの運行が始まった。
 交流電車への乗り換えが解消し、湖北と湖西を結ぶ近江塩津駅も接続の時間が大幅に短縮されることから、琵琶湖一周便はないものの、県と沿線市町では、念願の琵琶湖環状線が実現したとして、同日から様々なイベントを催す。総工費百六十一億円を投じた直流化が新たなまちづくりの契機になるか―今後は湖北、湖西自治体と住民の意欲と才覚が試される。
 北陸線では昭和三十一年に米原―京都駅間が直流化され、同三十七年には田村―米原駅間も直流化されたが、長浜以北が交流のままだったことから、乗り換えや交直切り替えの列車停止などが、南北格差の象徴となっていた。昭和六十一年には湖北の沿線市町や商工会などが「北陸本線直流化促進期成同盟会」を設立。四年後の平成二年には、湖西の市町も加わり「琵琶湖環状線促進期成同盟会」に改組し、JRへの陳情を強化していた。翌年には田村―長浜駅間の直流化が実現。新快速の乗り入れで長浜が京阪神の通勤圏とされ、人口増加に伴う宅地開発などが進んだ。平成十四年二月にはJR西日本が、今回の直流化計画を提示。年内に滋賀、福井、JRとの三者合意協定が結ばれ、翌十五年十月から直流化工事に入っていた。
 事業費約百六十一億円のうち、県と沿線三市六町が約七十五億円を負担。福井県側が約六十八億円を負担した。JR西日本の負担は新快速車両の新造約十八億円。


記念式典にイベント
 二十一日の北陸線、湖西線直流化に合わせ、琵琶湖環状線促進期成同盟会(会長=嘉田由紀子知事)は同日午前十時半から、高月町落川のJR高月駅北側の湖北田園空間博物館コア施設で「琵琶湖環状線開業記念式典」を行う。
 関係者百人余りが出席し、県警音楽隊のファンファーレ、高月町雨森の子ども達の韓国舞踊、サムルノリで開幕。画像で直流化の歴史をたどる。塩津小の大谷莉音さんら三人が、「地域の将来像」で自作のメッセージを朗読する。
 同日は同駅周辺で午前八時半からフリーマーケットなどの開業イベント、木之本駅でも開業式典があるほか二十一日まで直流化の沿線駅などで様々な催しがある。来週末の二十八、二十九日もある。詳しくは各市町役場などへ。