原発廃棄物問題の「核心」は? 28日 余呉町の住民団体が公開討論会 | 近江毎夕新聞

原発廃棄物問題の「核心」は? 28日 余呉町の住民団体が公開討論会

 余呉町の畑野佐久郎町長が高レベル放射性廃棄物最終処分場の誘致を検討している問題で、町内の元学校教諭ら十人余りで組織する「余呉の明日を考える会」は二十八日午後一時から同町中之郷の山村開発センター(余呉町役場南隣り)で、畑野町長らを交えた「余呉の明日を考える公開討論会」を開く。
 まちづくりの視点から処分場問題を考えようと、「原発廃棄物を考える」、「余呉町のまちづくりを考える」の二部構成。放射性廃棄物処分場立地に対する先入観、政治的な立場をひとまず置いて、じっくりと討論しようと企画した。
 一部では、畑野町長の講演「高レベル放射性廃棄物最終処分場応募の理由」を聞いたあと、同処分場誘致の問題点を、会員制で運営される「自治研究センターおかやま」の横山泉研究員から聞き、参加者の質疑を受け付ける。司会はフリーアナウンサーの辻幸子さん。
 二部はエコミュージアム構想など、湖北のまちづくりに詳しい元長浜城歴史博物館長、吉田一郎さんをコーディネーターに、私設のホール「弥吉」を運営する東野更正さん、県立大卒業後、余呉で農業を営む前田壮一郎さんらが「まちづくり」をテーマに話題を提供する。
 元中学校教諭で、考える会の世話人の一人、現在は県生物環境アドバイザーなどを務める村上宣雄さん(64)は、「放射性廃棄物処分場がなぜ必要かを冷静に考え、町長の真意を汲み取ろうと企画しました。立地の賛成、反対で町民が対立するような事態は避けたい。町長は町財政のひっ迫に苦しんでいるが、過疎債などに依存しなければまちづくりができないのか、余呉での暮らしが成り立たないのか、その根本的な議論が不十分だと感じています」と語り、廃棄物問題を新たなまちづくりを考える契機にしたい考え。
 誰でも申し込み不要で参加できる。
 なお「余呉の明日を考える会」は、湖北合併協議の破たん後、畑野町長が処分場誘致を示唆した昨年十月に、勉強会組織として発足。「補助金に頼らないまちづくり」を目指して、様々な勉強会を開いてきた。既存団体や議会、議員など、どのような立場にも拘束されないのが身上という。