無垢の魂宿る人形12体 山梨の竹原さん作品テオリアに | 近江毎夕新聞

無垢の魂宿る人形12体 山梨の竹原さん作品テオリアに

 子どもの無垢な魂を人形に凝縮した作品が長浜に―山梨県北杜市大泉の八ツ岳南麓に一人住まいする、竹原淑恵さん(98)創作の「童(わらべ)」の人形十二体が四日から長浜市神前町の十里街道生活工芸館テオリアで展示されている。
 竹原さんが独自に編み出した技法で五十年余り造り続けているもので、タイトルは「八ヶ岳南麓より―童の人形展」。十六日まで。
 竹原さんは日本女子大学国文学部を中退した昭和三年に結婚。しかし翌年に結核を患い、関東大震災や東京空襲で九死に一生の体験をするなど苦難の時代を生きた。孫に贈る人形を創作したのをきっかけに、戦後の昭和三十二年に主婦の友社主催の手芸展、朝日新聞社主催の全国日本人形展で入賞。ちりめん布を使った独自のわらべ人形が注目を集めた。
 テオリアの代表、前田寿美さん(69)が雑誌に紹介された竹原さんの人形に魅せられ、山梨県在住の知人を通して、作品展開催を要請していた。
 入場無料。午前十時から午後四時。火曜日休館。
〔写真〕右=展示された竹原さんの人形作品の一つ、左=群像人形も展示