県初の高等養護学校 開校 ノーマライゼーションの先駆なるか | 近江毎夕新聞

県初の高等養護学校 開校 ノーマライゼーションの先駆なるか

長浜高等養護学校  県が長浜市平方町の県立長浜高等学校敷地内に建設していた、県内初の高等養護学校「県立長浜高等養護学校」が一日開校した=写真=。
 高校敷地内に高等養護校が開設されるのは全国初。県では両校の生徒が共に学び、交流することで、健常者と障害者が同じ環境で、発展的な関係を築く、ノーマライゼーション(正常な福祉)の理念実現に向けた一歩を踏み出したいとしている。校長は中野正堂・長浜高校長が兼務。松村良樹・前長浜高教頭が養護校教頭を専任し、教諭七人、臨時養護教諭一人の陣容でスタートする。
 同校には全県からこの春中学を卒業した「軽度の知的障害者」二十七人が志願し、昨年十二月十七日に行われた入学者選考検査(二教科ペーパー試験、面接)と抽選で、十六人(男子十二人、女子四人)が合格した。狭き門となったが、県教委では既存の県立養護学校高等部を受け皿にしているため、不合格者の進路に問題はないとしている。生徒は湖北地域のほか、大津市など遠隔地からの通学者もあった。一学年二クラス制で、一クラス八人。
 授業は国語、社会、数学など普通科とほぼ同様の教科だが、長浜高が二年をかけて研究した独自カリキュラムで指導するという。また長浜高で十一年の歴史がある福祉科の実績を反映する目的で、福祉の授業を設けた。
 十日午後一時半から長浜高校と長浜高等養護校の合同入学式が行われる。また、養護校の開校記念式典は、長浜高創立三十周年記念式典とあわせ二十九日午前九時半から同校体育館である。
 長浜高校の東南角に新設された高等養護棟は鉄骨造二階建て約七百二十平方㍍。四十二平方㍍のホームルーム教室(一般教室)六室、八十四平方㍍の職員室、陶芸クリエイト実習室各一室、三十平方㍍の車椅子対応トイレ一室を設けている。駐車スペースも整備したが、生徒は電車、バスの自力通学となる。
 なお県では来春に甲南高校敷地内にもう一校、高等養護学校を開設する。