母は今,老健に入所している。

父が入院したのは5月の最終土曜日,

日曜日には母のケアマネさんに電話して,

母のロングショートステイ先を探してくれる様にお願いした。

探してくれたショートステイ先が1週間後からだったので,

ケアマネさんに泣きついた。

「もう,私がいっぱいいっぱいなんです」

ケアマネさんが奮闘してくれ,

老健併設の短期入所施設を紹介してくれた。

有難いことに,

月曜日の家族面接時に母と一緒に行き,

面接次第ではそのままショートステイをお願い出来る事になった。

が,A,ショートステイに行って欲しいと母に言い出せなかった。

前回,初めてのショートステイの時,

母の決心がつかず下を向かれ気まずい思いをしていた。

お願いしなきゃ,お願いしなきゃと思いながら言い出せず,

夕方になってしまったので二人でおうどん屋さんへ行った。

言わなきゃ,言わなきゃと思いながら食べた天婦羅うどん,

結局ここでは言い出せなかった。

実家へ戻り思い切ってお願いしたら,

「うん,行くよ!」と明るく返って来た。

拍子抜けした。

土曜日に父を救急搬送したのは,

夕食準備が出来てすぐ。

母は倒れてる父を見てしまったし,

その母の前でAは激しく取り乱した。

病院から実家へ戻ったのは午後11過ぎ,

泣いたのだろう,

母の目は真っ赤になっていた。

夕食は済ませてあったものの,

お刺身だけは手付かずで冷蔵庫に残っていた。

「1杯飲むわ」とビールとお刺身をテーブルへ持って行ったら,

母は「私も飲む」とスイートワインに手を伸ばした。

二人でお刺身で飲んだ。

「Aちゃんがいなかったら,お父さんを死なせちゃう」

と母は言った。

夫と娘が救急車に乗って行ってしまってから,

母は一人で色々と考えたのだろう。

母は母で気持ちの整理をしたんだろうなと思う。

ロングショートステイに行った母は,

併設されている老健の空き待ちをし,

先週から老健へと移った。

3人で乾杯が出来るうちは,

老親の二人暮らしを応援して行こうと頑張って来たけれど,

父が亡くなった今,

娘に支援されながら自宅で一人暮らしをするよりも,

施設での生活をスタートさせた事が,

母にとっても最善の選択だったと考えている。

母は老健で穏やかに過ごしている。

 

 

明日が今日よりも幸せな一日になりますように。

Aでした。