団地の中には色々な人達がいた。

ある部屋でピアノを教えている人がいて母につれていかれたことがある。

その部屋(約6畳うちの居間にあたる所)にはグランドピアノが置いてあり、

その大きさとそのピアノから発する音の圧力に驚いた覚えがある。

母は音楽に興味が出ればと思っていたようだが、私には感性が足りなかったのか、

その後音楽に目覚める事は無かった。


又ある部屋にはおばあさんが一人で住んでいた。

そのおばあさんは、一人でいるのと子供好きなこともあり、遊んでいると

よく子供達をかまっていました。

しかし私はそのしわしわの顔や手がなんとなく怖がっていた。

今となっては結構可愛そうなことも言っていたかもしれない。


同じ年の子は、男の子1人・女の子1人がいていつも三人で遊んでいた。

秘密基地は色々な所に三ヶ所ほどあり、メインの秘密基地はちゃんと屋根もあり

こっそりとお菓子やおもちゃを溜め込んでいた。

ある雨の日にあまりの雨の強さに基地から出られなくなり、

暗くなっても3人で基地にいたら団地の人達に大捜索された事があった。

その後秘密基地は取り壊され私達の基地ライフは終わった。