従姉から送られてきたもの② | 愛しのタミーちゃん

愛しのタミーちゃん

子供の頃遊んでいたタミーちゃんと再会しました。

先日、従姉からお盆のお菓子と一緒に

あるものも送られてきたので

そのことを書き留めておこうかなと思います。

 

それは古い和綴じの本でした。

 


 

従姉の手紙によると

父が20代の頃に描いて製本も自分でした本だそうです。

 


 

懐かしい几帳面な父の字です。

まるで印刷のような文字を書く人でした。

 

鳥類畫帳。

タイトルのとおり、そこには様々な鳥たちが描かれていました。

 


 

何羽か抜粋してみますね。

一頁目のきれんじゃくから始まり・・・

(鳥の名前は父の目次通り旧仮名で。)

 


 

おおるりと、さんくわうてう(さんこうちょう?)。

瑠璃色と緋色が綺麗です。

 


 

せぐろせきれい。こまどり。

 


 

かはらひわと翡翠色の子はひめまるはし。

 



 

をしどり。ふくろふ。

 



あはうどり。うとう。

 


 

ぶつぽふそう。おほたか。

 


 

きじ。あをげら。

 

この雉がすみずみまで細やかな色使いが素晴らしくて。


 

羽根のグラデーションが見事だと思う。

 

ほかにもまだ色々な鳥が描かれていたけど・・

 


 

一番気に入ったのはこのこかな!

なんかムクっとしたところとか表情がなんとも可愛い。

 

私の写真の腕がないので

原画通り再現できないのが残念ですが

鳥たちの柔らかそうな胸の羽毛の細やかさとかを

伝えられたらなあ。。

 

従姉にお礼の電話をした時に知ったのですが、

父は若い時に画家になりたかったそうです。

友禅の絵師だったので絵がうまいのはわかってたけど

画家になりたかったなんて一度も聞いたことがなかったから

びっくりしました。

 

そして友禅といえば華やかな花や御所車の絵などが多く、

仕事以外では私の子供の頃やのちには孫たちに

マンガっぽい絵はいっぱい書いてくれたけど

こんな写実的で緻密な鳥の絵は初めて見た気がします。

 

この本の最後のページに

父の署名と製本した日が書かれていました。

 

「昭和22年10月22日」

終戦の年からまだ2年。このとき父は26歳。

私が生まれる優に10年も前、まだ独身の頃です。

(ワタシの年がバレすぎる・・)

 

これを送ってくれた従姉は私より7歳年上なので

まだ子供のいなかった私の両親に可愛がってもらったそうです。

手紙でも電話でも何度も何度も思い出話をしてくれるので

本当に両親を慕ってくれていたのでしょう。

私の知らない、私が生まれる前の父と母がそこにいました。

 

今回この本を送ってくれたのは、自分がいなくなったら

もう叔父さん(父のこと)を知る人がいなくなって

この本もどうなるかわからないと思ったので

私に渡すのが一番いい、と思ったからだそう。

 

この本のほかにも父が書いた美人画とか掛け軸とか

本家には多分まだ色々あるはず・・とも言っていましたが

代替わりしている今となってはなかなか見に行けないので

この本だけでもありがたいです。

 

父は18年も前になくなったので

ブログでもほとんど父の話は出てきませんでした。

ちょっと変わった人だったけど

父はどんなことを考えて生きてきたんだろうなあ・・

生きてたら98歳だったか・・

 

母の事がきっかけで何十年ぶりかで従姉と交流があり

そして父の残したものを私に繋いでくれました。

 

たいせつにしないとですね。

思い出も従姉の存在も。。