American Diabetes Association(ADA:米国糖尿病学会)によると、たんぱく質を摂取しても、血糖には「直接」影響を与えないそうだが、間接的には上げるんじゃないかなと、私はいつも思っていた。じゃあそれはどうしてかなと思いあぐねて、過去にこんな記事 も書いた。


また最近、この件についてもう少しはっきりさせたくて、ちょっと勉強した。過去の記事もドクター江部のブログをベースに書いているが、今回も活用させていただいた。私はコレステロールの問題もあるため、江部式糖質制限に100%従っているわけではないが、ドクター江部のブログには有益な情報が多いので、常時参考にさせていただいている。



ドクター江部の糖尿病徒然日記

(今日はいきなりクリスマスケーキの宣伝ですが・・・美味しそうです。日本に住んでいたら注文してみたいです。)



たんぱく質と血糖値の関係については、以下の記事でわかりやすい説明がされている。(タイトルをクリック)


タンパク質の消化・吸収・代謝、そして血糖との関わりは?


要約: 生理学的事実として、食事由来のタンパク質はアミノ酸に分解されて体内に吸収され、直接血糖に変わるということはなく、アミノ酸プールに入る。(ただし、アミノ酸プールに入ったあと、肝臓で糖新生によってブドウ糖に変わることはある。)

1型糖尿病とタンパク質、血糖値を上げる?上げない?


要約: 1型糖尿病については、タンパク質が血糖値を上昇させるか否かははっきりわかっていない。高雄病院の患者データなどを基に、結論として、ドクター江部は現時点で、「1型でも内因性インスリンがあるていど残っている場合は、タンパク質は血糖値をほとんどあげない。しかし内因性インスリンがゼロの場合は、バーンスタイン医師が言うように、体重64kgとして0.94mg上昇させる。」と考えている。(注:記事の文中に誤植あり)


内因性インスリンがゼロの場合、タンパク質が血糖値を上げる。グルカゴンがキー。


要約: 内因性インスリンがゼロの1型糖尿病患者の場合、タンパク質摂取で、含有されているロイシンなどのアミノ酸により、インスリン拮抗ホルモンであるグルカゴンは分泌されるが、インスリンは出ない。このような一方的なグルカゴン分泌により、肝臓でグリコーゲン分解と糖新生が促進され、血糖値が上昇すると考えられる。同様に、2型糖尿病であっても、内因性インスリンがゼロレベルの場合は、タンパク質摂取でグルカゴンの働きにより、血糖値が上昇する可能性がある。



上記の話は、私にも無関係ではないと思う。私は糖尿病体質ではあるが、インスリン抵抗性による糖尿病体質なのではなく、インスリンの分泌が少ない糖尿病体質であるからだ。私の内因性インスリンはゼロではないと思うが、普通の人よりかなり少ないため、たんぱく質の摂取で知らない間に血糖値が上がっているかもしれない。例えば、食後2時間の間にはたんぱく質による血糖値の上昇は見られないが、その後ちょろちょろ上がっていて、なかなか下がらないとか。また、寝ている間に上がっているとか。そういう時間はあまり血糖値を測らないのでわからない。私は、HbA1Cの値が、自分で測定した血糖値の平均よりも高めに出ているような気がするのだが、もしかしたら、グルカゴン作用で、知らない間に血糖値が上がっているのかもしれない。


また、私が所有しているバーンスタイン医師の著書には「中華レストラン効果」なる現象が紹介されているが、それは、液体以外の何かをお腹に入れれば、たとえオガクズであっても、血糖値が上がるというもの。小腸上部が食べ物で膨れると、インスリンが出て血糖値を下げようとするが、それに対抗するために、インスリン拮抗ホルモンであるグルカゴンが分泌される。グルカゴンは、グリコーゲン分解や糖新生を促進して血糖値を上げる。でも、インスリン分泌の少ない人は、グルカゴンばかり出てしまって、血糖値が上がったままになる。私にはこれもあるんじゃないかなと思う。


私のグルカゴン、あまり頑張らないでほしい。