今日、土曜日は、昼食後に夫とビーチに行った。夫はサーフィンを、私はウォーキングをするために。

市内にある、わりと穴場のビーチに行った。週末だというのに、人はまばらだった。ビーチに着くやいなや、私はすぐに歩き始めた。夫は、大判タオルとパラソルで「陣地」を作り、サーフィンの準備に取り掛かった。

ビーチは砂がもこもこしているので歩きづらいが、それが脚の筋力を付けるには良さそうだ。

30分のウォーキングが終わって、「陣地」に戻ると、夫はまだサーフィンをしていた。

いや、「サーフィンをしている」というよりは、「サーフィンをしようとしている」と言ったほうがいいだろう。いろいろブランクはあったものの、サーフィンを始めて10年以上経っているのに、まだサーフボードの上で立てないのだ。運動神経はいいのにどうしてだろう。遠くから観察していると、波が来ても何となく躊躇しているのがわかる。スキーの初心者が思い切り滑れないのに似ている。

でも、今日は波があまり良くないから、余計にうまく波に乗れないのかもしれない。まわりにサーファーが少ないので、波があまり良くないということは私にもわかる。

そんな夫のすぐそばで、かわいい10歳ぐらいの少年が、上手にボディボードをやっていた。怖がらずにどんどん波に乗っている。近い将来、きっとサーフィンにも挑戦できるだろう。

陣地でピラティスのポーズをしたりしていると、夫が「サーフィン」を終えて戻ってきた。大判タオルの上で、ふたりでしばらくボーっとしていた。

何にも考えない週末。私にはこういうものが必要だ。

夫が戻ってきてから10分ぐらい経つとビーチにいるのにも飽きてきたので、家の近くにできたカフェに行こうということになって、陣地を畳むことにした。

よっこいしょ、と立ち上がって歩き始めると、そばにサーモンピンクのタンクトップを着た、金髪のヘビメタ頭のご婦人がデッキチェアに座っていた。もしやと思い、横顔を見ると・・・・・やっぱり・・・・・















ドクターS!















ドクターSに話しかけると、ドクターSは最初は「誰だったっけ?」みたいな顔をしたが、私がサングラスを取るとすぐにわかったようだった。

お休み中おじゃましちゃ悪いかな・・・と最初は思ったが、アメリカは医療費が高いし、ここの病院には大枚叩いてるし・・・ということで、遠慮なく思いつくことは言ってみた。

カーボを減らしているのにA1cが上がって 心配していること、グルカゴンか何かのストレスホルモンがよく出て興奮しやすいため、血糖値が上がりやすいこと、など。

ドクターSは、A1cについては、私の数値は正常値の範囲だし、あれぐらいの変動は心配する必要がない、と言った。ストレスで血糖値が上がることについては、私はストレスがあると80台の血糖値が100前後になると言うと、ドクターSは、ERに担ぎ込まれる人の血糖値は130から160ぐらいまで上がるから、私の上がり方はそんなに心配しなくていい、と言った。(あ、でも、私の言っているストレスは日常的なストレスなのだが・・・まあ、お休み中にそこまで詳しくは確認しなかった。)

ドクターSは、「そんなに心配しないで。でも、定期的に検査をして、経過を見ていきましょう。あなたはインスリンの分泌が少ないからね。もし、将来、今より少なくなったとしても、どうすることもできないからね」と付け加えた。心配しないで、と言っておきながら、少なくなったらどうすることもできないって・・・。まあ、本当だけど。

夫がドクターSに挨拶して(お互いに面識がある)、「波でも見ながら読書ですか?」みたいなことを言った。

「息子が波乗りしているのを見ているのよ」とドクターSが言った。へ~、あのかわいい少年はドクターSの息子さんだったのね。奇遇だ。(ちなみに、ドクターSはどう見ても私より10歳年上。)

ドクターSは最後に、「私はあなたが糖尿病になるとは思わないわ」と言った。えっ、それって、爆弾発言じゃないですか?!

今までも、ドクターSが「A」と言って、私が「いや、Bじゃないか」と言ったときは、9割方ドクターSのほうが正しかった。プロの医者としての経験はやはり侮れない。というわけで、私はドクターSをかなり信頼している。

ドクターSは、「あなたは自分でできる限りのことをすべてやるでしょうから」と付け加えた。

私は、このドクターSの「爆弾発言」が本当であることを願っている。とはいっても、糖尿病家系の出で、糖尿病体質であることには変わりないので、食事療法と運動療法は生きている限り続けなくてはいけない。私にはその覚悟はできている。・・・というより、もう生活の一部となっているので、苦ではない。

街中で「金髪ヘビメタ頭の女性」を見るたびに「ドクターSか?!」と思っていたが、今日は本当に遭遇してびっくりした。ドクターSの名誉のために書くが、実際のドクターSはヘビメタではなく、ピンクハウスやインゲボルグ系の乙女チックタイプである(服装のみ)。