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少し前に、映画「フジコ・ヘミングの時間」を観てきました
好きなピアニストは何人かいるけど、
フジコさんは、私にとって格別素敵なピアニストです
初めて彼女の演奏を聴いたのは、私がピアノ講師を始めて7〜8年ほどたった頃だったと思います。
リストの「ラ・カンパネラ」を初めて聴いて、
鳥肌がたったことをおぼえています。
魂が揺さぶられる演奏というのは、こういうことをいうんだ・・・。
という私の中の何かが感動で震えた記憶。
フジコさんの内側から溢れ出す、エネルギーをそのまま感じる・・・、
とても素晴らしい演奏です。
遅咲きのピアニスト、として日本で注目された彼女ですが
瞬く間に人気者になっていきます。
この映画は、そんな彼女の幼少期の思い出から現在にいたるまでの
仕事とプライベート両方での彼女の素顔にスポットをあてたドキュメンタリー作品になっています。
私は手が小さいので、リストやラフマニノフ、ベートーヴェンなどのピアノ曲は力強い演奏でできないために、練習の機会が少なく、レパートリーも少ないです。
私の先生は、苦手を克服するというよりも
長所を伸ばす、というレッスンをしてくださったので、
ショパンやドビュッシーを中心にバロックから近現代までのさまざまな曲を与えてくれました。
もともとリストやラフマニノフはご自身が手が大きい人なので、
自分が弾ける曲を書く・・・となるとオクターブは軽く超えるような超絶技巧を用いた曲が多く作られました。
超絶技巧とは、卓越した技術を要するということのようで、
並大抵のテクニックでは、難しい曲のことを指すようです。
技術だけでなく、表現方法も次元が違いますね。
いまだ数名しか録音に成功していないといわれている超絶技巧練習曲もあるようで・・・(もはや、練習曲ではないような気もしますが・・・)
まぁ、それはともかく・・・、
私が苦手とするリストさまの曲を魂が震えるほどの感動をくれるこの方の演奏は、本当に素晴らしいの一言に尽きます。
しかも、80代になった今でも現役でこの曲を演奏されているんです。
すごい
どんな指をしていらっしゃるのでしょう・・・。
(私自身、指が衰えた・・・なんて言っている場合ではないですね)
映画のラストに「ラ・カンパネラ」の演奏を聴くことができますが、
後半は、ハンカチ必須です・・・
6分を超える演奏の終わり頃には、たたみかけてくるような勢いのあるパッセージが続きます。
このような演奏家のほとんどが、演奏中は「今ここ」の集中力を発揮されているとは思いますが、フジコさんの演奏はそれを超越していますね。
一音一音に込める想い、演奏中はあまり過度に身体は動かさないですが、心は入っている状態ですね、きっと・・・。
それはきっと、彼女の生きてきた経験から湧き出てくるものなのかな。
紆余曲折、いろいろある人生の方が
演奏にも深みが増すのかもしれません。
好きなものは好き、嫌いなものはきらい。
瞬間瞬間を本音で生きていると感じた、この映画をみて、
今のフジコさんのような生き方をしてみたいなぁと素直に思いました。
ご自分の最期のことも語りつつ、
まだ夢を叶えていきたいとおっしゃっていたその姿は、
凛として美しく感じました
とにかく、生でフジコさんの演奏を聴いてみたいと思い、
年末の日本での演奏会のチケットをゲットしました
買えてよかった・・・
とても楽しみです


