この老婆が見える子を

R子ちゃんとします。

 

R子ちゃんは霊感が強い娘です。

 

特に天然な子ではなく

スポーツと勉強ができる優等生で

現在は国立大学に通っています。

 

意識がハッキリしている子なので

妄想ではないと思います。

 

R子ちゃんが小学生のとき

両親が教員なので

教職員住宅に住んでいました。

 

今はR子ちゃんの父親の実家を

建て替えて住んでいます。

 

建て替える前、

実家は広い土地にお屋敷のような

立派な家が建っていました。

 

そこに嫁ぐと

先祖代々、長男の嫁として

厳しい作法があったそうです。

 

毎日のことなのですが、

R子ちゃんが小学校から帰ると

老婆が三つ指をついて

頭を下げて 

 

「おかえりなさい」 

 

と迎えて、スーッと

奥に消えていったそうです。

 

怖くはないのですが

誰かはわかりませんでした。

 

あるとき、R子ちゃんは

父親側の亡くなった曾祖母の写真を見ました。

 

毎日、三つ指をついて

「おかえりなさい」という老婆でした。

 

R子ちゃんの父親は、

この曾祖母に溺愛されていたそうです。

 

曾祖母はずっと父親に

付いているのではなく、

 

家にいて家族全員を見ていた、

ということかもしれません。 

 

しかし、

建て替えた新居に引っ越してから

曾祖母はいなくなったそうです。