これは高校1年生で英検を受け、筆記試験にパスして面接に進んだ時のことです。

 

自宅近くのK大学が面接会場でした。そこは応援団員みたいな格好をした人がたくさんいる、スポーツで有名な大学です。

 

その頃、私は日本に帰国してまだ2、3ヶ月しか経っておらず、初対面の他人でも気軽に話をする習慣が残っていました。

 

面接室の前に係りの人がいて、順番になると名前を呼んでくれます。受付の人は大学生で、ダブダブの応援団服を着ていました。

(ハチマキとかはしていません)

 

 

 

生まれてはじめてそういう人の実物を見た私は、好奇心が抑えきれず、自分の順番が来るまでの2、3分の間にその人に色々と質問しました。

 

「なんでそんなにダブダブのズボンを着ているんですか」(普通の5倍くらい幅広だったので)

 

「前髪はどうして浮いているんですか」(ひさしのような立派なリーゼント)

 

「自分でアイロンかけているんですか」(超幅広のズボンはきちんとプレスされていた)

 

 

その大学生は一つ一つ答えてくれました。心の優しい人でした。

 

 

数日後。

 

 

自宅のポストに見慣れない手紙が入っていました。

開封すると、

 

「英検の試験の時に受付にいた者です。あなたの質問が新鮮で忘れられないので、名簿の住所を見て手紙を書きました。よければおつきあいしてください。」というような内容でした。

 

そして文末に、「面接のスコアをこっそり見ました。全てAでした。合格ですね。」と書いてありました。

 

母は死ぬほどびっくりし、「一体何を質問したの?」と私を問い詰めました。それから「面接官じゃない人が成績や住所を見ることができるの?」と憤慨していました。(これは大昔の個人情報がゆるい時代の話で、現在はそういうことは一切ありません。)

 

もちろん返事は書きませんでした。母には、今後は一切、そういう「質問」はしないように注意されました。でも、自分では危機感ゼロで、「合格だ〜」と喜んでいました。

 

知らない人からはじめてラブレターをもらったのにぜんぜんロマンチックではなくて残念でしたが、いまでも甲子園野球で応援団を見ると思い出します。