添乗員職が本当に好きになれた矢先、まどかを妊娠して辞めることになったわけですが…
あれから丸2年ぐらいたちますが、諦めきれずにおりました。
添乗員はハードな仕事ですから好きじゃないと出来ない仕事です。
自分でいうのもなんですが妊娠してなかったら今でも続けてたかもしれません。
そんなこんなを考えていた最近、棚からぼたもちが降ってきました。
某旅行会社より『うちに添乗員として迎えたい。今の仕事をやめてきてほしい』と言っていただきました。
めっちゃくちゃ嬉しくて、待遇なんて聞く前から『いきたい!』って思いました。
でも、お会いして、よくよく話を聞いてると…よし悪しがドバドバ出てきました。
まず嬉しいこと!
・給料が今の1.5倍以上になる
・交通費全額負担
・行きたい所があれば配慮してもらえる
・何より添乗ができる
で…
ちょっと困ったこと
・宿泊ツアー中心の添乗
・休暇は…平日週1あるかないか
・始発が隣の福岡長崎が中心
さ~。
ど~する自分。
朝早くて夜遅い始発の場所が隣の県となると…その都度その都度佐賀からそこまで行くわけで…
宿泊中心の、休みがほぼない生活が始まったあかつきには…
家庭が壊れる臭いがします。
給料の額は私には勿体ないような提示をしていただきましたが、その裏に負担が大きいのも当たり前ですがありました。
たぶん、独身なら『行っちゃえ!』と一歩足が出たに違いありません。
でも、以前…
日帰りツアーがたて込んで、毎日家には帰るけれども、すぐ出ていく私を主人は一歩離れてみてました。
いつかは『旦那と仕事どっちが大事なんだよ!』って怒鳴られたことがありました。
それでも、私が添乗員したいならと…ツアーの本数は減らして、宴会がある宿泊ツアーは避けながらですが、目をつぶって日帰りツアーは時々行かせてくれてました。
でも今回は…
宿泊中心の人材がほしいとのこと。
けっこう、いっぱいいっぱいにツアーに出したい様子。
どうしたものか。
断るしかないと頭のどこかでは分かってても即答で断りきれませんでした。
私を引き抜こうとしたこの人は、私の添乗するツアーに『偵察』として乗っていた人でした。
でも、偵察してることを忘れるぐらい楽しかったと言っていただきました。
バスガイドの居ないツアーを最初は大したことないと思って乗り込んだけど、楽しいものになったと言っていただきました。
それだけ思わせることのできる人材だと思ったから、うちにきてほしいと話を持ってきたとのことでした。
自分が好きな仕事で、お世辞でもこう言ってもらえるのは心から嬉しく思いました。
というわけで、ひたすら悩みました。
夢に出てくるぐらい悩みました。
いっぱい悩んで出した答えは
『お話は有りがたいですが、申し訳ありません』って返事をしました。
やりたいことが目の前にあっても、私は家庭をとりました。
お断りの電話で『分かりました。でも気が向いたらいつでも連絡ください。添乗員の感が戻るのにそう時間はかからないと存じます。いくらでも待ちますよ』と言っていただきました。
それでも、自分から断った事に、自分から諦めを選んだことにむなしかったり、寂しかったりで涙が出ました。
でもきっと、これが私の人生です。
そう受け入れて『あのとき家庭を選んで良かった』と思える人生に出来たらと思います。