2009年10月28日、渋谷で音楽イベントが行われた。
イベントのタイトルにもある、お笑いコンビの一人、竹森氏主催によるものだ。

吉本興業で芸人として活躍する一方、彼が自ら率いるバンドを含めた複数の出演アーティストから成る音楽イベント。

今回でなんと通算3度目の開催だという。


この日の私の目当ては、ゲストとして呼ばれた藤重政孝のライブだ。
会場は藤重が、6月にデビュー15周年ライブを行った渋谷O-crest。七彩八夢-091028_145527.jpg

建物の5階で、階段が入り口まで延々と続くかのように思えるほど長い。
友人たちと、チケットを片手に整理番号順に、時間まで待つ。

ほぼ時間どおりに開場するが、一歩ずつ登るたびに、期待感が増す。



ようやくたどり着いた場内は、お目当ての出演者の出番を待ち望む観客で、すでにごった返していた。

客電が落ち、ざわめく中、若手芸人(横浜ナンバー)が、登場。
テレビ収録などによく見られる前説と呼ばれる進行係の役割のようで、ライブの進行や内容を、コントを交えながらコミカルに伝えていく。


前座の余興を見る感覚で次第に引き込まれていく観客。
沸き起こる笑いは、さながらお笑いイベント会場のようでもあった。
ユニークで、和やかな雰囲気の中、今度は主催者の竹森氏がコンビの相方と、アップダウンとして入れ違いに登場。
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当日の出演者は5組。

ステージ横のプロジェクターを利用して一組ずつ丁寧に紹介していく。

お目当てのアーティスト以外でも、このイベントを存分に楽しんでいってほしいという気持ちが伝わってくる。



勢いと絶妙なトークですっかり場を盛り上げた中、ロックイリュージョン!の掛け声と共に1組目、さとちきのステージが始まった。


ほんわかした風貌と、ギターと二胡(中国の弦楽器)を楽曲ごとに使い分けた音楽。
人柄の良さが出たような、かわいいらしい振り付けの楽曲もあり観客も参加。
ゆるやかなペースではあったが、観客の心もいち早くつかんでいた。
実に心地いい空気感があるアーティストだった。


2組目はSPIN。
8月にメジャーデビューを果たしたというハードなロックをウリにしているバンド。
紅一点の女性ボーカルは小柄だが、暴れる、という言葉がふさわしいくらいのパワフルなステージで見ているこちらを圧倒する。

マシントラブルがあり、演奏が遅れるというのは気の毒だったが、1組目が「静」なら、こちらは完全に「動」で、これもまたインパクトがあった。


各ステージ終了後に、次の出演者が機材のセッティングをするのだが、その間もアップダウンが司会として再び登場した。

演奏終了後、出演者を相手にミニトークを披露してくれた。




事前にQ&Aをしているようで、そのメモを片手に、さらに出演者の意外な一面にスポット当て、演奏後の場内の盛り上がりの温度がさらに高くなる。


お笑いと、音楽というジャンルの違いはあれど、観客を楽しませたいという「エンターテイナーの精神」が、ここにも感じられた。



1組目のさとちきには、楽曲のタイトルにもなっていたサーモン好きについて、2組目のSPINのボーカルは、好きな曲にさだまさしの歌があることなど、短い時間でかなり密度の濃い、出演者の個性が垣間見えたトークを展開してくれた。


②に続く