こんばんは。


ようこそ、〈青の森〉へ。
水間安明(みずま・やすあき)です。


どーもまいさんに呼ばれて、ここでお待ちしていましたよ。
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あ、そこ、雨上がりなので濡れてますけど…。


ええ、意外に居心地いいですよね。
そこの切り株の腰掛け、けっこうお気に入りなんですよ。
なんていうか、安定感があるんですよ。

一見すると夜の森って、なんだか怖いですよね。
でも、静かに耳を澄ますと、その耳に響くしじま。あと、どこからか、木々がひっそり息づいてるような、一人じゃない優しさを感じるんですよね。





干渉されない優しい時間。




あ、よかったら、こちら一杯、お召し上がりになって。
ちょっとぬるめのミルクですよ。


今日も一日お疲れと、お見受けしました。
まだ頭が冴えているのでは、ありませんか?




白夜のある地方では、気持ちを落ち着かせてくれると、眠る前にミルクを飲む習慣があるようです。



すこし甘めに砂糖いれると、肩に入っていた力がほぐれますよ。



ほら、ね。




頭のほうが軽くなってきたでしょう?




無理に寝よう、としても眠れないですからね。
ちょっと、散歩するといいですよ。




上を見上げてください。
あんなに空高く月が光り輝いてますよ。
これを見逃す必要もないわけですから。


せっかくだから、森の中を歩きますか。



ここは私の庭同然ですから、大丈夫ですよ。迷いません。



心配なら手を握りましょうか。


私の手では落ち着きませんよね。




ところで、夜の散歩は、いつぶりですか。
え、デートでもない?


ふふふ。
少しばかり、損してらっしゃいますね。
夜ほど話す時間がゆっくり流れているのはないのですけど。


アルコールなしでも、場を設けると、楽しくなりますよ。



あ、気付きましたか。
あの月がずっと私たちの後を追い掛けてきていたのを。
今夜は気が済むまで散歩しますか。

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