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2008.11.2.
16:00を回った頃。
すっかり暗くなった宇部市役所裏にある特設会場で、藤重政孝のライブは行われていた。



〈愛してる〉の演奏後。
藤重の呼びかけに応え、再び司会の二人が登場する。


藤重へのファンからの差し入れのお菓子を独占していたなど等、人気番組〈週末!ちぐまや家族〉の一員(注:Shige Blog参照)のように、自然な掛け合いトークをする三人。



ここで歌のタイトルについて司会の一人、おっきーが〈藤重分析〉を始めた。



まずは歌のタイトルにつく「愛してる」のフレーズの多さだった。


藤重自体がShyなのではないか。
実際には口に出来ないからこそ、歌にする…という見解を述べた。



たった三度で見抜く彼女の観察眼もなかなかだと思うが、



「毎晩言ってます。夜になると(愛してるって)言いたくなります」


と、軽い照れ隠しの言葉を続ける、本人。



話題はアメーバブログに移り、限定記事になると「限定なので(秘密です)」ともったいぶってみせる場面もあった。



私個人の記憶ではここまでRelaxした彼の姿を見るのは初めてかもしれない。



先日、彼自身のブログで、実家で曲が生まれたことも明かされたが、故郷・山口に対する想いは深く、格別なものだと言う。



『いつかは愛する人、子供を持つならここで過ごしたい』
彼の本音が見える。



その言葉を受け、司会の一人、おっきーが「藤重さんが、独身でチャンスと思ったみなさん、仲良くしてても隣の人は敵ですよー」と、会場にいる女子に向けてコメントすると一気に笑い声があがる。







ライブ終了後、限定のプレゼントがあるとの告知があり、また再び、ステージには藤重が一人、残る。



彼はちょうど一年前に収録、今年の3月に放映されたドキュメンタリーの旅番組について話始めた。



一ヶ月のロケで、東京-ロンドン間を列車で横断する旅の中で、



どこに行っても、自分の故郷と比べてものを見てしまう自分に気付いたこと。



その故郷に対する想いを表現したい。旅番組のエンディングとしてもかかった、その異国の地で生まれた楽曲〈郷愁〉を披露した。


少しスローなナンバーのこの楽曲は、藤重の故郷への想いを綴っているが、
誰の心にもある大切な誰かや場所に対する、聞き手の想いと知らず重なり、胸に響く。



今日、これまでの中で1番の拍手が会場からステージの藤重に贈られる。



そして、デビュー時からこれまた故郷や親に対する想いをこめてきた〈空〉の故郷バージョンに続く。



いつもとは違い、少しワイルドに、力強くギターを掻き鳴らして歌う、藤重。



今回で〈宇部まつり〉が57回目を迎えたことにまずお祝いコメント。


『スゴイよね、まだ俺も生まれてなかったんだけど、負けじと…がんばっていきたいです』


気さくな笑みを浮かべてこう続けた。


『(俺も)夢を売る商売(ミュージシャン)なんで、自分も夢を見続けてなんぼだと、思ってます。
周囲の人は大変だと思うけど』



『今日、(会場にも)若い人とかいっぱいいるけどやりたいことがあったら、俺はやってみてほしい。
地元を出ることに親は寂しがるかもしれないけど、出てみてはじめて、地元の良さを知ることもあるんだと思うし』



『みんな、それぞれ夢を持ってると思うけど、あきらめずに持っていてほしい。俺もその一人だから』



『今日、東京に戻るけど、明日からまた頑張るんで応援よろしくお願いします』


と、締めくくった。





来年にはリリースができると思うと、紹介して、今日、最後の曲〈いつものように〉に続く。


オフィシャルの動画で唯一見聞きできる楽曲だ。


『今あっためている曲』の言葉通り、どの楽曲も個性はあれど、藤重の気持ちが強く溢れ出していた。

音や歌詞以上のものを、聞き手に訴えてくる、そんな感じだった。



ステージの余韻の残る中、三度めの登場〈ちぐまや家族〉の司会、おっきー&けいちゃん。


二人とともにライブ前に発表の会ったプレゼント抽選会になった。



藤重自身の手による、ポストカード、三枚セット。


ラッキーな当選者は直接手渡しされて、興奮気味の様子だった。





心配していた雨も降ることなく、最後まで会場でのあたたかい雰囲気の中、宇部まつりでのライブは終了した。






I'm just dreamerと、デビューして間もない頃の歌詞にあったが、メッセージを発信した彼は〈dream maker〉としても輝いていた。


走り出して、14年。
自分の道をひたすら突き進んできた彼の言葉には他の誰にもない、本当の強さを感じることができたステージ。



ネット配信という(来月頭にリリースと、今朝改めて彼のblogで発表)とともに、音楽を楽しむカタチは変わったがストレートな想いは変わらない。

来年のデビュー15周年に向けて勢力的に動くようだ。


藤重政孝の、今後の活動から目が離せないのだけは間違いないだろう。