氷室京介20th anniversary LIVE2008
JUST MOVIN’ON ―MORAL~PRESENT―
9月5、6日。
名古屋、日本ガイシホール。
昨年のアルバムツアーから約一年半ぶりのライブ。
昨年のツアーが終わった余韻覚めやらないうちに、彼自身が特別なツアーになると公言していたライブ。
BOOWYという伝説のバンドに終止符を打ち、ソロとして活動して今回で20周年だというから時が経つのは実に早い。
彼のバンド時代を知らない世代もその名を知らない者はいないだろう“KING OF ROCK”。
7月のさいたまを皮きりに始まったツアーも終盤。
インターネットで早々とライブの演奏された曲をあらかじめチェックして挑んだり、数日前に行われた日本武道館での公演での盛況振りを知ったファンたちの熱気はいつも以上だった。
当日のステージは、むき出しの鉄骨が檻のようにステージをふさぐ形でそこにあった。
化石のような、モンスターがこれから始まるの待つかのように、静かにいた。
ライトがけたたましいサイレンとともに上空へゆっくりあがる。
赤から青になった瞬間。
ステージセンターの奥から、氷室が登場。
CHROME HEARTSの皮パンツに、タンクトップ、金ボタンがついたシャツ。すべて黒一色といった出立ち。
ほぼ定刻どおりにスタートし、一発目はSLEEPLESS NIGHT。
感きわまったファンの叫びに応えるような笑いを浮かべ、BEATにあわせて力強く歌う。
この後、立て続けにハードでノリのいいナンバーが続く。
すでに汗だく状態だ。
疲れを一向に見せることなく、ステージサイドまで、観客を煽る。
この瞬間を待ち望んでいた観客はそのパフォーマンスに応え、酔う。
CRIME OF LOVEでややペースを落としてスローテンポなMISTYに続く。
ハードで切れのよさも魅力だが、氷室の声の艶やかさ、セクシーさを味わえる一曲。
この曲はサックスの伸びやかなイントロが印象深い。
10年前の横浜スタジアムでのファイナルはファンの間で伝説にもなったツアーと、昨年と参加している大島氏の演奏がいっそう、氷室の声の良さを際立たせ、観客は聴きいる。
背後からのブルーの照明に浮かび上がる、氷室のシルエット。
深海に漂うよな、氷室の〈静〉の世界がそこにはあった。
しばし時を忘れ佇むと、拍手がどこからともなく起こる。
また少しずつテンポアップしてWILD AT NIGHTで極限まで観客の心を煽ると、ANGELまで一気に駆け抜けた。演奏が終わる間際、ステージサイドで花火がスパークすると、氷室ほか、サポートのバンドメンバーが奥に下がる。
時計を見るとまだ一時間。
ライブの体温、というのがいい言い方なのかわからないが、非常に熱い、温度の高い空気が辺りを包む。
客席がわずかに明るくなり紅潮したままの頬を意識し、腕時計を見るとまだ一時間しか経ってない。
通常なら、これでワンステージ分のエネルギーを使っている。
興奮した観客がひっきりなしに名を叫ぶ。
声援は女性よりはどちらかというと、男の太い声の方が目立つ。
BOOWYの頃から彼を心酔する熱心なファンは多い。
ほどなくして、氷室が姿を現す。
HEATだ。
ひとしきり感謝の言葉を述べると懐かしい曲、FUNNY BOYとONLY YOUを熱唱。
BOOWYナンバーに大暴れするファン。
それを楽しむ氷室の言葉なき駆け引き。
そして二度目のアンコール。
この頃になるとMCでも饒舌になっていた。
不完全な俺という人間を支えてくれたみんなに贈りたいと、アコースティックギターを片手に魂を抱いてくれ、DEAR ALGERNON、を弾き語り。
長年のバンドメンバー、本田氏とのダブルで演奏したRAINY BLUEも秀逸だった。
この後、再びバンド演奏になり、SUMMER GAMEで幕を閉じた。
アグレッシブな氷室のライブはパワーと、そして長年支えてくれたファンをはじめとした周囲への感謝が詰まったものだった(実際、ライブ中に何度ありがとうと、THANK YOUを聞いたかわからないほど)
全27曲(たぶん)。
まさに彼の音楽の歴史を体験できるものだった。
この後、横浜、最終の神戸公演と続くが、参加できる人は今の期待以上の体験ができるだろう。
★セットリスト★
SLEEPLESS NIGHT
NATIVE STRANGER
SWEET REVOLTION
WILD ROMANCE
Girl Be Glamorous
CRIME OF LOVE
MISTY
ダイヤモンド.ダスト
Be Yourself
SQUALL
STAY
WILD AT NIGHT
ANGEL
HEAT
FUNNY BOY
ONLY YOU
Keep the faith
SAY SOMETHING
魂を抱いてくれ
DEAR ALGERNON
RAINY BLUE
LOVE&GAME
CRAUDIA
VIRGIN BEAT
Jealousyを眠らせて
SUMMER GAME
セットリストは二日目。
ちなみに初日は季節が君だけを変える
MARIONETTEをBOOWYナンバーにしてました。
CLOUDY HEARTがどのあたりかが…ごめんなさい。