植物園に毅然と咲き誇るダリアの花を掲載します。

 

 ダリアの見頃は夏から秋にかけて長期間にわたり、直径10㎝ほどの花であれば非常に長持ちするので安心して観賞できます。

 

 

 複雑そうな花びらの造りの割には雨風にも強く、強風に煽られてもそのフォルムが崩れることはほぼ無く、逞しさを見せてくれます。

 黄色や赤色のダリアからは陽気な印象を受けますが、淡いピンク色のダリアの花にはお淑やかな印象を抱きます。

 

 

 私は以前から植物園をはじめとした庭園全般を散策することに魅力を感じ、日本庭園や薔薇園、浜離宮恩賜庭園の菜の花畑などを散策する事を趣味の一つとして定期的に堪能してきました。

 美術館や博物館で作品を鑑賞するのも好きですが、これらは趣味として公言するほどではなく、もう15年以上にわたり庭園散策の方に惹かれています。

 

 

 ここで、何故私が庭園散策に魅力を感じ、定期的にどこか出かけているのか考えてみたのですが、屋内でおこなう事よりも屋外で体を動かしながら楽しむことが好きであることに加え、庭園と云う空間が対象となる存在でありながら自分が入ることにより一体化できる特性を持つことが理由として挙げられます。

 

 また、私は以前からインターネットの動画や二次元の世界、フィクションの世界を映像として観る事よりも、断然実在する「今」のこの瞬間の現実を、モニターを通してではなく実際にこの目で見て五感で感じ取りたいと云う欲求が有りました。

 

 更に言えば、庭園とは、克服すべき自然として存在する野生のものではなく、人工的に手を加えられており、登山とは異なり人間が気軽に散策できると云う、人間にとって都合の良い存在であることも理由の一つです。

 子ども時代から、私は自分の家と庭を持ち自分の思い通りにデザインしたいと云う想いがなく、居宅は簡素にしておいて、休日に外出して他人が管理している公に開かれた空間を自分の好きなタイミングで訪れ、幾つもお気に入りの場所を見つけて通うスタイルを希望していました。

 これは、関東大震災の予測について幼少期からしばしば耳にしていた事や、私の小学校時代に阪神大震災を経験したことにより、物体、とりわけ思い入れのある不動産を所有することについての危険性が常に体に刻み込まれていたことも関連しているのかもしれません。

 

 また、単純に、私の生き方の方針として、自由を確保できる事を基本としていることが関連しているとも考えられます。

 

 自由を確保できる事が成立するためには、手入れの手間がかかる物を所有しないことに加え、スマートフォンを持たないことや転職が容易な状況を作ること、ローンを組まないこと、家族を持たないことなど、あらゆる要素が必須となり、日常生活を送る上で物質として存在するものだけでなく一定期間縁を切ることができない環境を作り出さないことを日々心掛けているほどです。

 庭園散策に関しても、退園する自由、再来園する義務のない自由があり、この気軽さに魅力を感じ、趣味として続けています。

 

 そして、庭園の所在地に関しても、各都市の地下鉄の駅から徒歩圏内であることが多く、自家用車を所有していなくても気軽に思い立った時に足を運べる点が非常にお気に入りです。

 以前、私と趣味を同じくする方が、偶然私が来園したのと近い日程で浜離宮恩賜庭園の菜の花畑を散策した時、菜の花畑の周りに汐留の高層ビルが見えるのが非常に残念だと言っていたのですが、私は寧ろそれらの高層ビルの存在に非常に安心感を抱いていました。

 都心に在るにもかかわらず、広大な菜の花を、見頃の時期に拝めるだけでなく散策までできる状況を作り出すことができる日本の文明の発展と、日本人の四季折々の自然を堪能する心との象徴だと誇りに感じていたほどです。

 

 大抵、一人の人には幾つか趣味があり、その趣味を続けている理由や魅力を感じている点などは同じ趣味を持つ人同士の間でもそれぞれ異なり、話し込んでみると非常に興味深いです。

 

 

 【本日のピアノへの取り組みについて】

 

 ・バッハ インヴェンション全15曲

 ・バッハ シンフォニア第11番 ト短調

 (ここまで各1~2回ずつ通しただけ)

 

 ・リスト 愛の夢 第三番 変イ長調

 ・その他(スケール・アルペジオ・半音階)

 

 リストのラ・カンパネラの練習3日目に入りました。

 全体の主旋律の音を取っていくのではなく、本日は第1小節~第20小節のパートに特化して取り組みました。

 

 step1.右手で打鍵する音を全てインテンポの半分の速度で確実に外さないように打鍵し、跳躍の感覚を掴む。

 

 

 上記添付画像のピンク色の蛍光マーカーを引いた音を全て打鍵し、まずは質より跳躍の感覚を体に叩き込むことから始めました。

 第8小節の運指を一部手直しし、オクターブの跳躍は1515を連続することにします。

 

 

 step2.右手で主旋律のみ、左手で伴奏のみをインテンポで打鍵する。

 

 

 上記添付画像のピンク色の蛍光マーカーを引いた音を全て右手で打鍵、水色の蛍光マーカーを引いた音を全て左手で打鍵し、全体のイメージを掴みます。

 campanellaの部分を省くとこの楽曲の魅力が損なわれるのですが、イメージを作るのは大切だと思いますし、この楽曲は左手も高速アルペジオで演奏する和音が頻出します。

 第8小節の赤枠で囲んだ箇所に関しては、旋律云々無関係に暫定的に全て打鍵しています。

 

 以前着手していた、ショパンの即興曲第1番の進捗について記すことなく有耶無耶になっているので、ラ・カンパネラに或る程度納得いくところまで取り組んでから再び記す予定です。

 

 

 日々ピアノの練習が続いている理由の一つは、ピアノの練習を続けても物質としてのものが増えるわけではなく、内的なものとして蓄積されるからで、物質を所有する事や何かに束縛される事とは無縁でいられるから安心して毎日鍵盤に向かっているのかも知れません。